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ぼくらのTRPG生活  作者: K島あるふ
#09_ぼくらの従軍生活
134/208

おまけ-第九章開始時点のキャラクタシートと「うちの会社に社長がいない」

こんにちはK島です。毎度のご愛顧ありがとうございます。

さて来週から始まる第九章に先駆け、開始時点のキャラクターシートを公開します。

このページは見なくても、物語を読む上では特に支障はありません。

邪魔臭いと思う方は飛ばして下さい。


あと、キャラクタシートだけだと短すぎてシステム的に投稿できないので、ショートストーリーを1本掲載します。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)



*******SS「うちの会社に社長がいない」*******



 社長が行方不明になってからもう10ヶ月が過ぎましたが、うちの会社は何とか潰れずにやっていけています。

 大きな地震。

 でも日本と言う国ではまぁ稀にあると言う程度の地震で、この街でも倒壊した家屋と言えばほんの数件だけ。

 その殆どが築40年以上の、追加耐震工事を行っていない家屋です。


 ただ、行方不明になる直前に社長がいたと思われるアパート。

 何かやたらと長いカタカナの名前だったと思いますが、そこだけは倒壊した家屋の中でも、築15年程度と言うまだまだ新しい部類だったので、警察や消防も「なぜ倒壊したのかわからない」と言っていました。

 そしてそのアパートから、遺体は見つかっていないので、社長は『行方不明』という扱いです。


 そもそも『うちの会社』と言っても、社員は事務員の私と社長だけで、後はフリーの職人さんを仕事の都度に雇うという小さな規模です。

 仕事もだいたい社長の広い顔で舞い込んで来る事が多く、大卒から6年勤めている私でも、未だにツテが良くわからない仕事が半分くらい占めています。

 なので私は「社長がいなくなればすぐ潰れるだろう」と思っていたのです。


 ところが、地震の騒ぎが一段落した後、馴染みのお客様と、見たこともないお客様が引っ切り無しにやってきたかと思うと、口々に「社長が行方不明だって? 大変だね」と言いながら、変わらず新しい仕事を寄越して来るのです。

 よく仕事をお願いするフリーの職人さんたちも、「見舞金代わりだ」と、いつもより張り切って仕事してくれているようです。

 なんでしょうね。

 社長ありきの会社なのに、社長がいなくてもやっていけるというのが不思議でたまりません。

 これも社長の人徳でしょう。普段の社長を見ていると、『徳』などと言う高尚な言葉は使いたく無くなりますが。


 まぁその『普段の社長』自体を、もう10ヶ月見ていない訳ですけど。


 そう言えば、出入りの職人さんに根古屋さんという方がいますが、彼の娘さんも例の地震以降、行方不明らしいです。

 死亡者はゼロで終わったはずの小災害でしたが、行方不明者が数人います。

 倒壊家屋の範囲も小さいのに、なぜ見つからないのか、やはり警察や消防が不思議がっているそうです。

 だからこそ、どこかで生存している可能性が高い、という見方が強いのですが。

 ただ、運悪く同時に発生した別の事件に巻き込まれた、という見方をする人もいるようです。

 とにかくこの辺りの事件については、公僕の皆様の活躍に期待。と言うところでしょうか。


 さて、そろそろ会社の税金について手続きしなければならない憂鬱な時期です。

 とは言え、処々の手続きは社長の知り合いの税理士さんがやってくれるので問題は無いはずです。

 あと、これもやはり社長の知り合いの弁護士さんがいて、いろいろ相談に乗ってくれるのでかなり心強くもあります。

 ありますが、やはり責任者不在、と言う事態では不安があります。


 その弁護士さんが最近、「いっそ君が会社を引き継いでしまったらどうか」などと唆して来るのです。

 社長には奥さんも子供もいません。

 ご両親やご兄弟の方も遠方におり会社に興味ないと聞いています。

 つまり、社長の身に何かあったとき、会社を継ぐ方がいないということです。

 ならいっそ、私が社長になればいい、と言うのが弁護士さんの言い分なのです。


 どこで聞きつけたのか、何人かのお客様も出入りの職人さんも、この話についてほとんどの方が賛成と言います。

 まだ三十路前だというのに、妙な苦労を背負いたくないなぁ。というのが正直な感想です。

 ですが…。


 社長か。

 二十代事務員から社長へと華麗なる転身。

 …悪く、ないかも?

 そうね、税金関係が区切りついたら、いや年度が変るまで社長が戻らないようなら、それもいいかもしれない。


 そう言う訳で、今、私の心の中には社長に対し、「早く戻れ」と「もう少し戻らなくてもいい」と言う、相反する思いが渦巻いている。

 まったく、いてもいなくても、苦労をかける社長です。

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