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ぼくらのTRPG生活  作者: K島あるふ
#07_僕らの洋上生活

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110/208

15艦橋襲撃

※前回のあらすじ

自らの行動のせいで海防艦『ヴォルフラム号』艦長へと左遷されたヴァカンテ大佐は、帝国軍への逆恨みと八つ当たりを理由に、アルト隊の乗る大型輸送船『タンホイザー号』へ襲い掛かった。

先に起こった対海賊の戦後処理に忙殺されていた『タンホイザー号』だったが、アルト隊の活躍もあり、最初の攻撃は何とか凌ぐ。

さらに逆襲として黒魔道士カリストが『空飛ぶ庭箒』を駆り、『ヴォルフラム号』の『大型弩砲(バリスタ)』を魔法爆撃。ついには全砲を沈黙させるに至った。

そしてカリストに同行して『空飛ぶ庭箒』で飛んでいたアルトとモルトは、戦闘時間13ラウンド目、ついに『ヴォルフラム号』艦橋へと突入しようとしていた。

時に『ヴォルフラム号』は船足を上げつつあり、『タンホイザー号』も鹵獲中の海賊船を切り離し帆を上げ、互いに近付きつつあった。

 海防艦『ヴォルフラム号』艦橋は、混乱と焦燥で騒然としていた。

 なにせ、馬鹿げた箒で飛来した『魔術師(メイジ)』のせいで、『ヴォルフラム号』の『大型弩砲(バリスタ)』は完全沈黙状態。海防艦の戦闘力がごっそりそげ落とされた状態なのだ。

 戦闘艦としての矜持を持っていた船員達が慌てない理由が無い。

 そしてそんな混乱を治める間もなく艦橋窓から飛び込んできたのは、忌々しい『魔術師(メイジ)』同様に箒でやってきた若い男女。

 『タンホイザー号』からやって来た、詰襟服の若サムライ、アルトと、白い法衣を纏った乙女、モルトの2人組だ。

 1メートル四方の四角い窓が幾つも並ぶ艦橋に、箒ごと転げるように飛び込んできたアルトたちは、呆気に取られている『ヴォルフラム号』船員達に構わず、すぐさま体制を整えた。

 アルトは艦長席にいる蛮族然としたヴァカンテ大佐に対し『胴田貫』を正眼に構え、モルトはその若サムライの背をカバーするように周囲に視線を飛ばしつつ、『鎧刺し(エストック)』をスラリと抜く。

 ここまで来て艦橋員たちはハッと目を覚まし、各々が各々の出来るように備えた。

 と言うのも、艦橋にいる『ヴォルフラム号』乗員のすべてが戦士ではないので、戦う術の無い者はいつでも逃げ出せるように、少しでも戦う業のある者はそれぞれの得物を構えた、というわけだ。

 と、さらにちょうどその時、『ヴォルフラム号』白兵戦小隊13名がやって来る。

 艦橋はあまり広くないので13名全員が展開できる訳ではないが、それでもアルトたちにとっては四面楚歌の敵だらけだ。

「がはは、威勢よく飛び込んできたが、ごらんの通りだ。どうするよ?」

 艦橋のあらゆる人員が身構える中、未だ艦長席に座ったままのヴァカンテ大佐が、今までのイライラ顔を一転して楽しげに歪めた。

 この男は人を嘲笑する時が最も楽しく、また、他人の屈辱顔を見るのが2番目に好きなのだ。

 アルトは周囲をサッと見回してゴクリと唾を飲む。

 先の戦いでは海賊相手にかなり無双できたと思う。だがそれは所詮は賊風情が相手であり、今回の相手は正規の帝国軍だ。

 さすがにここで「まとめてかかって来い」と啖呵を切れるほどの度量は無かった。

「大丈夫やアル君。相手が多いちゅーても、狭い艦橋やし、いっぺんに来れんから」

 そんなアルトの心境を読んで、モルトは背後から『鎧刺し(エストック)』の柄で軽くアルトを小突いた。

 アルトは一瞬ビクっと反応してから、背後に控える頼もしい仲間を思い出してゆっくりと頷いた。

 確かにその通りだ。

 現実問題として、四方八方囲まれたといっても一度に攻撃してこれるのはせいぜい8人まで。しかも今は背中を守るモルトもいる。と言うことは、接敵人数は単純計算で半分に減るというわけである。

 さらに言えば、ついビビってしまったが、相手は正規兵といえど、大半はアルトより格下のはずだ。アルトが到達した7レベルと言う強さは、そう言う高みなのだ。

 そして追加要素を語るなら、共にいるモルトは『聖職者(クレリック)』であり、回復魔法(キュアライズ)を使う。

 これだけ揃えば、確かに何も恐れる事はない。

 ちなみに8人と言う人数は、メリクルリングRPGにおける、戦闘パネルを基準とした話である。わかりにくい方は、将棋の盤を思い浮かべてもらえば良いだろう。

 アルトはそう心を落ち着け、ゆっくりと正眼から八相へと構えをなおした。

「オレを殺れるてんなら試してみろよ。『胴田貫(コイツ)』がお前の引導代わりだ」

 余裕を演じ見せつけようと、精一杯、獰猛そうな笑みを浮かべつつ、アルトはヴァカンテ大佐を睨み返す。

 これにはヴァカンテ大佐もカチンと来たようで、すぐさま跳ね上がるように艦長席から立ち上がった。

「小僧が生意気な。お前は俺が自らくびり殺してやる」

 言い放ち、ヴァカンテ大佐は腰の差料にも手を掛けずに天に向けて咆哮した。

 そう、咆哮である。まるで人類のものではない。獣だ。野犬か狼か。とにかく野生を感じさせるその咆哮は、艦を叩く波濤の音を貫き、周囲の海面に響き渡った。

「まさか」

 艦橋の外で『空飛ぶ庭箒』に跨り遠巻きに様子を伺っていたカリストが驚愕に目を開いて艦橋窓に取り付いた。

 そして彼が、いや艦橋を覗く全ての者が目にしたのは、蛮族じみた艦長閣下が、見る見るうちに灰色の獣に変わっていく姿だった。

 艦橋にいた戦闘力のない者たちは、取り急ぎ退避を始める。

 可哀相なのは操舵手を務めていた水兵だろう。先の命令によって第二戦速までスピードが乗りつつある『ヴォルフラム号』の舵である。ここで放せばどうなるかなど、想像に難くない。

 彼は思いもしなかった怪物の出現に、顔面を蒼白にしながらも操舵輪を握った。

 彼らの目に映るのは、灰色の毛並みを湛えた人の骨格を併せ持つ2足立ちの大狼。そしてさらに驚くべき事に、腕が4本生えていた。

「おぅ、サムソンティーチャー」

 思わずカリストが声を上げるが、誰も気に止めない。

 気に止めないどころか、『ヴォルフラム号』の戦闘要員たちはとにかく慄いた。慄き、剣を向けるべき相手を迷い始めた。

「なんやレギ帝国軍には魔物までおるんか」

 緊迫の中でふいに、呆れたようなモルトの呟きが出た。

 それほど大きな声ではなかったが、この言葉は戦闘フィールドにいる者のほとんどの耳に届いた。

 そして、この言葉がアルトたちを囲んでいた『ヴォルフラム号』戦闘要員たちの行動指針に方向性をつけた。

 すなわち、各員はアルトたちに向けていた剣先を下ろし、数歩引き下がって様子を見始めたのだ。

 怪物、魔物。これらは基本的に人類の敵だ。

 中には特殊な例外もあるだろうが、ほぼ全ての怪物、魔物にとって、人類は食料や玩具でしかない。

 この認識は常識であり、上官であったヴァカンテ大佐が「実は魔物だった」などと言う事実を前にしたら、もう帝室と帝国臣民を守るべき帝国軍人に従う理由などない。

「厄介だけど、これで相手するのはこのワーウルフだけって事か」

「ラッキーやね」

 アルトの呟きにモルトが明るく応える。

 ワーウルフ、といえど普通のワーウルフではない。

 これはおそらく以前にも2度戦った、強化ワーウルフだ。

 1度目は「魔法の鍛冶師ミスリルメイ」の封じられていた島で、多数の触腕を生やしたワーウルフ。

 そして2度目はタジェル商会のオークション会場で戦った、大蜘蛛の能力を併せ持つワーウルフだ。

 ちなみに、どちらにもカリストは直接会ってない。

 いずれも普通のワーウルフより強力だった。

 この、眼前にいる『ヴォルフラム号』艦長だったはずの男が、同じ系統のワーウルフであれば苦戦は必至である。

 それでも、多数の人間を斬り伏せる事を考えれば、ずっと気が楽だ。

「うるせえよ。俺のことをそこらのワーウルフごときと一緒にするんじゃねぇ」

 ところが、そのアルトの呟きが気に入らなかったようで、人狼の怪物に成り下がったヴァカンテが牙を剥きながら唸った。

 そう言われても、とアルトたちは困惑である。

 そもそもこの仮に強化ワーウルフと呼んでいる怪物は、世界のあらゆる知識にアクセスできる、彼らの元GM氏にすら情報が降りてこなかったのだ。

 「呼ぶな」と言われてもなんとしていいやら、と言う心境である。

「ではなんと呼べば?」

 すかさず艦橋窓の外からカリストが問う。

 その言葉に人狼ヴァカンテは何やら満足そうに頷くと、艦長席に片脚を乗せて2組の腕をそれぞれ胸の前で組んだ。

「俺こそはワーウルフを超えた存在。『ウルフロード』とでも呼んでもらおうか」

 狼の表情など誰も詳しくないはずだが、そう言い放った人狼ヴァカンテの顔は、いかにも得意げに見えた。

「えと、狼の道とかそう言う意味か?」

「アル君アル君、頭文字『L』の方やで。『君主』とか、『上に立つ者』的な」

「強いて日本語にするなら『狼卿』と言うところかな。こうして訳してしまうと、海外小説の古い訳本みたいだね」

「あー、そう言うの知っとるわー。『ストライダー』が『馳夫』とか訳されたアレや」

「『狼卿』は『馳夫』より、まだ救いがあるな」

 何となく、緊迫した空気が弛緩する、相変らずのアルト隊であった。

「ふん、どうした、戦意喪失か? だが逃がす気はねーよ。いくぜ!」

 殺気と言うか、闘気と言うか、とにかく戦いの雰囲気が薄まった所で、人狼ヴァカンテがズンズンと前に出た。

 これで緩んでいたアルトたちも再び気を引き締めて構えなおす。

 戦闘時間第14ラウンド、アルト隊3名対人狼ヴァカンテの戦いは、こうして幕を上げた。



 その14ラウンド目、大型輸送船『タンホイザー号』は、ようやく全ての鹵獲作業の中断と戦闘配備を終え、ゆっくりとだが船足を上げて『ヴォルフラム号』へと向かい始めていた。

 先のラウンドで対空防御を披露した怪獣ミノクラスは、『タンホイザー号』の広い前甲板に上がり、守護神然と短い腕を組んで仁王立ちだ。

 船橋メンバーからすれば、視界が遮られて邪魔である。

 対する『ヴォルフラム号』はすでにこちらに向けて帆走中であり、相対速度もドンドン上がる。このままいけば数ラウンド中には接舷可能な様子だ。

 ちなみに『ヴォルフラム号』は現在、アルト隊によって艦橋襲撃中であり、ただ襲撃前の命令を操帆手たちが継続しているだけだ。

 接近した所で白兵戦小隊は艦橋に上がっているし、『大型弩砲(バリスタ)』は放射する者がいない。

 それでも停止命令が無い以上は続けるしかないのだ。

 その点は、何が起こっているのか判っている艦橋のメンバーは幸運だったといえない事もないだろうか。

「さてメイプル船長、これで我が船の『大型弩砲(バリスタ)』もフリーになりましたが、撃ちますか?」

 頬に帆走の風を感じながら、『タンホイザー号』副長、グレイ中尉は、迫りつつある『ヴォルフラム号』を見据えて言う。

 ご存知の通り『タンホイザー号』にも2基の『大型弩砲(バリスタ)』があり、射線さえ通るならもういつでも射撃可能なようにスタンバイされていた。

 だがメイプル男爵は顎を撫でて少し思案すると、ゆっくり首を振る。

「いや、アルト隊の方がすでに向こうへ乗艦してる。撃つならもっとひきつけて、確実に行こう」

「『ボーウェンの英雄』の射撃指南に倣い、と言うところですか」

 答えは薄々解っていたのだろう。グレイ中佐はすぐその様に返し、メイプル男爵は少し驚いたように彼を振り返った。

 『ボーウェンの英雄』とは、レギ帝国初期の軍人で、すでに退役している現在においても、住まう港街ボーウェンのみならずレギ帝国最強と言われる御年250歳のドワーフの戦士、マッカ・ベッケライの事である。

 ちなみに彼の今の身分は、港街ボーウェンの下町にある「ふっくらパン工房マッカチン」のご隠居だ。

 そのマッカ氏はレギ帝国西部方面軍の訓練などに度々招聘され、偶に気が向けば応じて後進の指導をしてくれる。

 『タンホイザー号』船橋の2人は氏の言葉を同時に思い浮かべ、揃って口にした。

「飛び道具を使うときには確実に当てられる距離まで詰めてから、相手の目を見てニッコリ笑ってぶっ放せ」

 互いにニヤリと頷きあい、副長の「ではそのように」との言葉を持って、この会話はひとまず終わりとなった。



「くっ、やられる前にやる! 秘剣『ツバメ返し』」

 4本腕の人狼ヴァカンテが前に出ると同時に、アルトは構えた愛刀を袈裟懸けに振り下ろす。

 稲妻の如く宙に閃いた『胴田貫』が、灰色鋼のような人狼ヴァカンテの身体と、未だ纏わり付いている帝国軍艦長服を引き裂いた。引き裂き、その傷から赤い飛沫が上がる。

 続いて『ツバメ返し』の名の所以である、逆袈裟の剣撃がすぐさま上がり、人狼ヴァカンテの胸に着いた傷口を二重にした。

 だがどうだ、アルトの剣撃と同時に前に出ていた人狼ヴァカンテは、その二重の深い傷などものともせずに4本腕をアルトへと伸ばす。

「小僧がなかなかやる。だがその程度では俺を倒せんぞ」

 アルトを捕まえようと言うのだろう。

 すぐさまアルトはバックステップで下がり、掴み来る手を避けにかかる。が、4つの腕にそれぞれの死角を補うよう動かれては、避けるのも簡単ではなかった。

「ほうら捕まえた」

 わずかな隙。スルリと伸びた右の手が、ついにアルトの左手首を掴んだ。

 その瞬間、身を屈めた人狼ヴァカンテがアルトの腹下までもぐり込み、たちまち残りの手がさらに伸びたかと思えば、いつの間にかアルトは宙を舞っていた。

 4本の腕から繰り出された『投げ技』をかけられたのだ。

 レスリングで言う所の『飛行機投げ』だ。

 また人狼ヴァカンテは、投げた後に手を放さず、そのせいでアルトはグルリと弧を描いて頭から艦橋の床に叩きつけられた。

 幸いだったのは、この(スキル)に打撃以上の効果がなかったことだろう。

 つまり脳震盪や転倒と言った状態異常は起こることなく、アルトは頭を振り『胴田貫』を杖代わりにヨロヨロと立ち上がった。

「アル君!」

「いや平気だ」

 心配そうに声を上げたモルトに言葉を返し、睨み付ける様に視線を人狼ヴァカンテへと戻す。

 そしてアルトは違和感を覚えた。眉を寄せ、すぐその答えにたどり着き、驚愕に目を見開いた。

「傷が…」

 そう、人狼ヴァカンテの胸に刻んだはずの刀傷が、斬ったときに比べてかなり小さくなっていたのだ。

 投げられていた自分とは違い一部始終を見ていたはずのモルトを振り返る。

「誰も回復魔法は使ってなかった筈や」

 同様に目を見開きつつ、モルトは彼の疑問を察して首を振る。

 予想とは違う答えに狼狽しつつ、アルトは再び『胴田貫』を構えるしかなかった。

「ラウンド回復能力か」

 カリストが呟く。

 ラウンド回復能力とは、ゲームによって呼び名が違うが、つまりは毎ラウンド自動的にHP(ヒットポイント)が回復する特殊能力の事だ。

 特に生命力の高い怪物、魔物が持っている能力だが、ワーウルフもまたラウンド回復能力を持つ怪物(モンスター)の一種である。

 ただし普通のワーウルフの能力はそれほど高くなく、また、これまでアルトたちが会った強化ワーウルフ改め『ウルフロード』も、ここまで高い回復力はなかったハズだ。

 それゆえに、人狼ヴァカンテの回復力は驚異的と言えた。

「くっくっく、驚いているな。アビスとか言う怪しい爺ぃに任せて正解だったようだ」

「アビス…ドクター・アビスか」

 人狼ヴァカンテの愉悦混じりの言葉を耳にして、カリストはピンと来た。

 カリストはこれまでのウルフロードには直接会ってはいないが、アルトたちから話は聞いているし、彼なりに色々仮説を立てていた。

 ここに来てウルフロードとドクター・アビスに関連があると裏付ける言葉を聞き、自らの仮説がより真実に近いと確信したのだ。

 ドクター・アビスは、この世界の知られざる創造神ヴァナルガンドの配下であり、『錬金術師(アルケミスト)』ハリエットとその師が異世界より追ってきた敵である。

 また過去にはハリエットの師から『錬金術(アルケニア)』を学んだ男であり、この世界では彼を知る者は、『悪の錬金術師(アルケミスト)』などという二つ名で呼んでいた。

 『ウルフロード』と言う存在についてはまだ解明に至らないが、これまでのウルフロードが持っていた、触腕であったり、大蜘蛛の力であったり、高い回復能力であったり、これらについては説明が付く。

「アルト君、ヤツらはドクター・アビスが作り上げた『合成獣(キメラ)』だ」

 『合成獣(キメラ)』とは名前の通り、別々の生物を自然ならざる方法で合成して作り出した怪物のことである。

 人類を素材にした『合成獣(キメラ)』と言うおぞましい存在は、正にドクター・アビスの得意とする業であった。

「良くわかったな。そうだ、俺は『ウルフロード』と『ウルフロード』を合成した、『超ウルフロード』だ。恐れ戦慄するがいい」

 そして人狼ヴァカンテは、わざわざその仮説を肯定してくれるのだった。

 バカは自分の力を自慢してくれるので助かる。

 カリストは何とか口にするのを我慢して苦笑いをもらした。

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