『私』と『雨少女』
衝動的に綴ってしまった物語なので文章にあまり纏まりがありませんがそれでも大丈夫な方は、読んで下さると嬉しいです。
いやはや、雨というものは何故こんなにも鬱々とした気分にさせるのだろうか。
ベランダにて煙草の煙を燻らせながら、ふと思う。
十七階建てのマンションの最上階、しかも日当たりよし、な504号室が私の自宅である。
本来、晴れている時は見晴らし最高なここからの景色も、雨が降れば、空はどんよりグレーに色づき、太陽光を眩しい位に反射していた民家等の屋根は、うっすら霞がかった様にぼやけてしまう。
一般的にその光景を残念に思う人が多い中、私は珍しく好きな部類に入る。
ならば、何故、今現在鬱々としているのかというと。
「あ~め、あ~め、ふぅ~れ、ふぅ~れ。」
後ろで楽しそうに踊っているであろう『雨女』が原因である。
「あ~、ちがう、ちがうの!あめは雨女じゃないの!雨少女なの!」
「私の心の人権は何処いった。」
手すりに肩肘つきつつ、額に手を当て、盛大に溜め息をついた。
そもそもの始まりは、このマンションに引っ越して来たことである。
初めての独り暮らしということで、浮かれていたのだが急遽、親戚の女の子(四歳)を預かる事になったのだ。
まぁ、そこまでは良い。
世の中そう上手くいってくれないものだ。
しかし、その預かった子、天音 雨には少し人とは違う力があった。
「あめは、お空からお水をふらすことができるのだ!」
ピースサインと共に得意気に言われたことは、今も鮮明に覚えている。
最初、名前とかけて冗談を言っているのかと適当にあしらったのだが、どうやら本当らしい。
何故なら、これまた得意気に
「ぴかぴかっ、ごろごろぉ、ざぁ~!」
その場で証明してくれやがったのだ。
雨が真上に向けた小さな人差し指。
その指が指す天井から雲もないのに雨が降ってきたのだ。
ついでとばかりに落雷付きで。
お陰さまで部屋がびしょ濡れになった。
なんとも、まぁ、傍迷惑な能力である。
そんなこんなで田舎の両親、天音夫妻に一つ、もの申したい。
この雨少女こと、天音 雨とやっていける自信が有りません。
何となく、雨ちゃんのキャラがツボって来たので次回からまともに書きたいと思います。