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召喚から外れたら、もふもふになりました?  作者: みん


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55 選んだ道


美緒さん、樹君、アシーナさん達が浄化巡礼に出てから半年程経った。


一週間に一度は、アシーナさんか美緒さんから魔法による手紙が飛んで来る。その文字通りに手紙が本当に飛んでやって来るのだ。初めて目にした時はあまりにも感動し過ぎて、リュークレインさんに笑われた後「キョウコが可愛い」と言って、ガッツリ愛でられた。リュークレインさんの前では、うかうかと感動する事もできないなと学習しました。


モテモテ、ハイスペイケメンなリュークレインさんとの婚約。


「何処の馬の骨とも分からない貴方なんて!」

「平民如きが!」

「リュークレイン様は私のモノよ!」


なんて、突撃されるのでは!?なんて思ったりもしてたけど、そんな事は全く無かった。寧ろ、あらゆる貴族の家から続々とお祝いの品が届いているらしい。


ーん?不幸体質だった故に、“物足りない?”“ちょっぴり残念?”なんて思ってないですよ?ー


「平和が一番だよね?」


兎に角、浄化巡礼は順調に進んでいるとの事だった。

4人の聖女さん達が完璧に浄化をこなし、魔獣や魔物が出現しても、陽真と美緒さんと樹君をはじめ、騎士さんや魔導士さん達が問題無く対処していっているそうだ。怪我人は出ても、死人は出ていないようで本当に良かった。

このまま順調に行けば、後半年で終わるとの事だった。


浄化巡礼が終われば──


直ぐにではなく、数ヵ月空けてからになるけど、国をあげて、王太子であるカミリア王女の結婚式が執り行われる予定だ。

それが終わると、私とリュークレインさんとの結婚式も挙げる予定である。


「結婚かぁ………」


まさか、自分が異世界でこんなにも早く結婚するとは…。日本に居た頃は、陽真のお陰で恋愛の“れ”の字も無かったのに。


ー人生、どうなるかなんて、全く分からないよねー


「ん?もふもふな私でも……子供は………」


『できるわよ?』


「ひゃいっ!?」


またまたのウンディーネ様の登場である。


『キョウコは人間(ひと)だから、普通に子供を生む事ができるわよ。白狼は、精霊が与えた加護の一種だから、キョウコの子が白狼─もふもふ?になる事もないわ』


「そうなんですね」


ー子供はもふもふじゃないのは……ちょっぴり残念ー


「ウンディーネ様、私に加護を与えて助けていただいて、本当にありがとうございました」


『どういたしまして』


ウンディーネ様はフワリと優しく微笑んだ。


この日、何故ウンディーネ様が現れたのか──その日の夜、リュークレインさんから聞いて分かった。





******


『彩香さんの処遇が決まったんですか?』


「聖女としての力を失って、体力が戻った後……3ヶ月位前だったかな?その頃に一度話し合いをしたんだ。これからどうするのか?と」



大森さんは召喚してやって来た者で、本来なら保護すべき対象ではあるが、聖女の力を精霊によって失った上、水の精霊と風の精霊の怒りも買っている為、王家としては無条件で保護する事が難しい事になってしまっていた。

風の精霊シルフィード様からの最後通告以降はおとなしくなり、この世界について色々勉強もしていたそうで「美緒さんと私に、真摯に謝れば精霊の怒りも解けるのでは?」と謝罪を勧めたそうだが、大森さんはそれを拒否し、この世界で平民として生きて行く事を選んだそうだ。

幸い?大森さんは基本、理数系が得意で頭は良かった。その為、仕事を色々探してみた結果、王都から離れた街にある、とある商家の経理の職に就く事ができたそうだ。


『美緒達にも、アイツにも挨拶なんてしないわ』


と言って、今日、その商家のある街へと旅立ったらしい。



「それで、本当にサヤカが旅立ったのか、キョウコにまた手を出さないかと、ウンディーネ様が確認しにやって来ていたんだ」


『なるほど。だから、ウンディーネ様が私の所に来てくれたんですね』


「何も無くて良かった」


『…………』


はい。私は今、白狼(ルーナ)の姿でリュークレインさんの膝の上に身を任せて、背中を撫で撫でしてもらってます。


『ふぅ───やっぱりリュークレインさんの手は……気持ち良いですね……』


「…………」


本当に気持ち良いから、いつもこのまま寝てしまい、翌朝は自分の部屋のベッドで目が覚める─が、ここ最近のルーティンになっている。


ー大森さんは、最後まで大森さんらしかったなぁー


やられた事は一生忘れないだろうし、赦す事もないだろうけど、なんとなく、そんな大森さんがいっその事清々しいなと思う。


ーそれに、今頃謝られても……ね……ー


と思いながら、今日もそのまま眠りに落ちた。


「そろそろ自覚してもらわないとな?」


と、リュークレインさんが楽しそうに囁いた声は、私の耳には届かなかった。






その事を後悔したのは、翌日の朝でした。




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