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召喚から外れたら、もふもふになりました?  作者: みん


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49/60

49 ご褒美


パタン──



「……………」


ーつ…疲れた………ー


大森さんが部屋から出て行った後、私は目の前のテーブルに突っ伏した。まともな会話ができない相手との会話は、本当に疲れる。


陽真は……アレはヤバい。あそこ迄ヤバいとは思わなかった。あの思考回路はおかしいよね?“また”って何?“また”なんてないからね?ちょっと気を付けた方が良いかもしれないなぁ。


大森さんは、もう彼女次第だよね。きっと、誰が何を言っても変わらないだろう。ただ、大森さん、リュークレインさんに気があるよね?今度のお披露目会で、私とリュークレインさんの婚約も発表するって言ってたけど……心配だ。コレは、要相談案件だよね。




「お疲れ様」


テーブルに突っ伏したまま唸っていると、リュークレインさんが私の目の前に紅茶とケーキを置いて、私の横に座った。


「すっ…すみません!ありがとうございます!」


慌ててガバッと体を起こしてお礼を言う。


「しかし……あの聖女は、とんでもない性格をしているんだな……」


「………以前よりも、磨きがかかってましたね。ある意味、色々と心配になりました」


何事もなければ良いけど………。


「リュークレインさんに会いたかったみたいですよ?」


少し揶揄うように言えば、苦虫を噛み潰したような顔をするリュークレインさん。余程、大森さんが嫌なんだろう。


「別にやましい事は無いから言うけど、本当によく話し掛けられて、うんざりしているんだ。名前呼びすら許した覚えもないんだけどね……」


ーえ!?そうなの!?てっきり許してるのかと思った。恐るべし、大森彩香ー


「それで……俺の事、ちゃんと好きで結婚してくれるって?」


「ぬぁ──っ!?」


変な声を出した口を自分で押さえて、視線だけリュークレインさんに向けると、これまた蕩けるような目で私を見ていた。


「ゔゔっ……心臓が痛い………」


本当に勘弁して欲しい。本気の微笑みは、遠慮していただきたい。心臓がいくつあっても足りません!なんて呻いていると「それは大変だ……」と言いながら、抱き寄せられた。


「──っ!?」


ー何故、抱き寄せられた!?ー


脳内パニック絶賛発令中である。


「本当に、あの2人は同じ人間なのか?言葉が通じないとは、恐ろしいな。どれだけ、あの扉をブチ開けて殴り込むのを我慢したか………と言う事で、我慢した俺へのご褒美が欲しい位だ」


と言いながら、私を抱き寄せている腕に更にギュッと力を入れるリュークレインさん。


「ふふっ…。ご褒美って……自分から言いますか?」


抱き寄せられてるままで、心臓はバクバクと忙しないけど、この腕の中が温かくて安心して落ち着いたりもするから、ついつい身を任せてしまう。


「本当に、ルーナの癖が抜けなくなっちゃいましたね。()()に居ると……落ち着きます」


そのまま、コテンと頭をリュークレインさんの胸に預けると、リュークレインさんがピクッと反応した後


「それはそれで嬉しいけど、安心し過ぎられてもなぁ……キョウコ………」


「はい?」


名前を呼ばれて、リュークレインさんの方へと顔を上げると、間近で視線が合って───


初めてのキスをした。


それは本当に一瞬だった。目を閉じる間もなかった。


ー目を閉じてもリュークレインさんはイケメンだなぁー


なんてポヤーとしているところで、もう一度キスをされた。ほんの少し長目のキスだ───って!?


「なっ────っ!!!」


「ふっ──意識戻った?顔が真っ赤で可愛いな」


「かわっ──えっ!?」


「え?何?もう一回する?」


「───っ!?結構です!もう、いっぱいいっぱいです!」


と、顔を隠すように、リュークレインさんの胸に押し当ててギュウッとしがみつく。


「────いや……キョウコ?それ、逆効果だからな?」


地を這うような声で呟いた後、長い長い息を吐いて、私を宥めるように背中をポンポンと優しく叩いて、そのまま私を軽く抱きしめたままで──


「兎に角、今日のハルマ殿とサヤカ嬢との面会については、叔母上達には報告しておいた方が良いな。お披露目会で何かやらかさない……とは言い切れない」


ーくぅっ…この体勢のままなんですね!?頑張れ!私!ー


「そ…………そうですね。それと…リュークレインさんと私の婚約発表は必要ですか?大森さ──サヤカさんが何かやらかしそうで、ちょっと怖いんですけど……」


「俺としては発表して、色んな意味で牽制しておきたいんだけど……それも、考える必要はあるかもしれないな。今日の昼から時間をとってもらっているから、叔母上達に相談しよう。それ迄の時間は特に予定は無いから────今のうちに、もう少しご褒美を貰っておこうかな?」


と、ニッコリ微笑むリュークレインさん。その笑顔を見て、誰が断れるだろうか?それも、好きな人に言われたら──






午後になり、皆の居る所に行く頃にはグッタリしてしまい、アシーナさんは圧のある笑顔をリュークレインさんに向けていたけど、リュークレインさんは爽やかな笑顔で受け流していた。


カミリア王女と宰相に至っては、なんとも微笑ましい笑顔を浮かべていた。



誤字報告、ありがとうございます。

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