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召喚から外れたら、もふもふになりました?  作者: みん


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48 彩香との対面

陽真と対面して1時間空けてから、今度は大森彩香との対面。


『別の日にした方が良いのでは?』


と、アシーナさんにもリュークレインさんにも言われたけど『嫌な事は一気に片付けたいんです!』と私が言えば、2人とも何とか納得してくれた。


パンパンッ─と、気合を入れるつもりで頬を軽く叩いた。

そして、大森さんも予定通りの時間にやって来た。






******



「ここは、リュークレイン様の執務室でしょう?何でリュークレイン様は居ないの?何故、()()()しか居ないの?」


ー“アンタ”呼ばわりときたか……あれ?ひょっとして、望月杏子(わたし)だって分かってない?ー


「リュークレインさんは、ここには居ません。私が貴方を呼んだんです。部屋は借りているだけです」


「は?意味が分かんないんだけど?ねぇ、私が聖女だって事分かってて、私を呼び出したの?アンタ、何様なの?」


ーこの人、更に傲慢さに磨きが掛かってない?ー


「何様……ですか………。()()()()は、ちゃんと気付いてくれたけどね」


()()()()?」


大森さんは、更に“意味が分からない”と言うように顔を顰め、相変わらずの人を見下すような冷たい視線を私に向けている。


その目は、以前は怖くてまともに見る事もできなかったけど、今は少しも怖いと言う感じがない。寧ろ、“この子、大丈夫?”と憐れみ?に近い感情しか湧いてこない。


「“貴方の()()で、私だけ違う時間に飛ばされたの”と言えば分かる?」


「飛ばされ……ひょっとして………望月…きょう…こ?」


「正解。久し振りだね。大森彩香さん」


大森さんは驚いたように目を見開いた後、私の対面にある椅子に腰を下ろした。


「無事で良かったわね。で?私を呼び出したって事は、謝罪しろって事?」


「…………」


「謝罪と言っても、私は謝らないといけない事なんてしてないけどね?」


「確かに、大森さんは悪い事なんてしてないよ。逆に、今では感謝してる位だから。私から大森さんに謝罪を求める事はないから。ただ、“私は元気で居ます”と言う事を心配してくれてるだろう4人に伝えたかっただけだから。これから先、同じこの世界で生きて行くとしても、私から大森さんに会いに来るのは、これで最後だと思ってるから。目障りな私が、私から大森さんに会いに来る事は無いから」


「そうなの?それなら、良かったわ。あ、もう他の3人…陽真にも会った?どうせ、この世界でもアンタは()()()なんでしょう?なんなら、陽真をあげよっか?」


陽真(ひと)を物のように扱う大森さん。と言うか、大森さんは陽真が好きじゃなかったの?


ー熨斗を付けられたとしても、陽真は要らないけどねー


「突っ込みどころは色々あるけど、要りません。心配してもらってなんですけど、私は1人じゃないので大丈夫です」


「ふーん…そうなの?」


大森さんは、本当に私には全く興味が無いらしい。今迄私がどうしていたのか、誰と居るのか聞きたくもないと言う雰囲気を醸し出している。


ーなら、私から話す必要はないよね?ー


「それで?呼び出しといて、話はそれだけ?私、これでも聖女なのよ。毎日忙しいの。こんな事位で、聖女の私を態々呼び出さないでくれる?」


「すみませんでした。でも、さっきも言ったけど、私から大森さんに会いに来るのは、コレで最後だから安心して?」


「なら良いけど。そう言えば、アンタは巡礼には行かないの?」


「行かない。私は、聖女でも剣士でも魔導士でもなくて、普通の一般人だから」


白狼(もふもふ)が入ってるけどー


「ふふっ。アンタ、異世界に来ても地味子なんだね。笑える」


ー本当に、何でこんな子が“聖女”なんだろう?ー


何となくだけど、こんな子が聖女になったのは、意味があるんじゃないか?と思ってしまう。この国の聖女達とは、まるで違う()をした聖女。正直、大森さんがこれからどうなっても、私には関係の無い事だけど……。


「大森さん。この世界には、地球─日本ではあったモノが無いように、無かったモノがこの世界にはある。私達にとっての当たり前が、ここでは当たり前じゃない事も。特に、召喚されてやって来た私達は、この世界では特殊な存在なんだと思う。自分の行いは自分に返って来る。だから、己の身は己で護る為にも、自身の行いには気を付けた方が良いと思う」


「はいはい。分かってるから。私がこの世界を救うんだから、それは問題無いわ。私は、この世界で幸せになれるから」


ニッコリと、自分が幸せになる事に何の不安も無いと言わんばかりの笑顔だ。きっと、これ以上言っても、大森さんの心には何も響かないだろう。


「浄化巡礼、頑張ってね。無事に帰って来る事を祈ってる」


「どうも、ありがとう」


相変わらず冷たい視線を私に向けてお礼を言った後、大森さんは迎えが来る前に部屋から出て行った。



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