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召喚から外れたら、もふもふになりました?  作者: みん


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42 再会

4人の様子を見に行ってから一週間後。

私は今、カミリア王女とアシーナさんとリュークレインさんと一緒に、魔導士さん達が居る王城敷地内にある“東の塔”と呼ばれる所に来ている。


何故なら──


「「望月さん!?」」


東の塔の中にある魔導士団長の執務室に、朝から呼ばれて来た深沢君と関元さんに会う為に。


一瞬の間があったのは、2人が最後に見た時の杏子とは少し違っていたからだ。肩下辺り迄だった髪は更に長くなっていて、しかも黒色の髪は毛先に向かってグラデーションになっていて、毛先はホワイトアッシュ。少し暗い印象だったのが、幼さが抜けてシュッとした明るい顔つきになっている。

それでも、その人物が望月杏子(わたし)だと分かると、2人は私の側へと駆け寄って来た。


「良かった!」


そう言いながら、ギュッと抱きついて来たのは関元さん。よく見ると、肩が震えている。


「本当に……元気そうで良かった」


深沢君も、ホッと安心したように声を掛けてくれた。






******



「それじゃあ、望月さんは、この世界に来てから2年も経ってるの!?」


「うん。次の誕生日が来たら20歳(はたち)になるの」


「俺達よりも、お姉さんなんだな」




『ゆっくり話すと良いわ──』と、カミリア王女が気を利かせてくれて、執務室に居るのは3人だけになった。それから、3人で色々な話をした。私がここに来てからの話は勿論の事、ここに来る迄の……高校での話も。


そして、話してみて分かった事は、関元さんも深沢君も良い人だったと言う事。

関元さんが大森さん達と一緒に居たのは、これまた2人が幼馴染みだからと言う事だった。


「仲が良い訳じゃなくて、私は、彩香の引き立て役?みたいな感じで側に置かれてたって感じかな?」


と、関元さんは苦笑していた。きっと、彼女も色んな事があったんだろうと予想はつく。


兎に角、2人とも私が無事で元気だったと言う事を喜んでくれた。可能であれば、またゆっくり話がしたいとも。2人とも暫くは忙しいだろうから、直ぐには無理だろうけど、また落ち着いたら会おうね─と約束した。


1時間程すると、リュークレインさんが迎えにやって来た。

そこからは、今後の事についての話を軽くされた後─


「キョウコの事は、サヤカ嬢とハルマ殿には言わないようにお願いします」


と言うと


「「勿論、あの2人に言うつもりはありません」」


と、2人の言葉がハモった事に、その場に居た皆で笑ってしまった。






******



「キョウコ、お疲れ様」


「ありがとうございます」


関元さんと深沢君と別れた後、私はリュークレインさんと一緒に第二騎士団副団長の執務室へとやって来た。杏子の姿のままで。


執務室に入り、リュークレインさんに促されて椅子に座ると、リュークレインさん自ら紅茶を淹れてくれた。


「残念ながら、ケーキはないんだけどね」


「ふふっ。この紅茶だけで充分癒やされますから、大丈夫です」


ーリュークレインさんの側に居るだけでも落ち着くんだよねー


なんて事は、本人には言えないけど。

でも、ここでも2人きりって大丈夫なのかなぁ?


「あのー…私、白狼(ルーナ)になった方が良いですか?」


職場である執務室に2人きり。誰かに見られたら迷惑が掛かるだろうけど、ただの犬っころに見えるルーナなら、誰かに見られても問題ないと思うんだけど─と思って、リュークレインさんに訊いてみると、リュークレインさんは「何で?」みたいな感じでキョトンとした後、「あぁ…なる程……」と、私の言った事の意図が分かったようで、軽く頷いた。


私は、ソレを肯定と思い、手にしていたカップをテーブルの上に置きルーナになろうとすると、その手をリュークレインさんに優しく掴まれた。


「ん?」


()()()()と話がしたくて、カミリア王女と父上と叔母上にお願いして、この時間を作ってもらったんだ」


「──はい?」


「だから、今は人払いしているし、結界も張ってるから何も気にせずにキョウコのままで居て欲しい」


綺麗な紫色の瞳が、少しだけ不安げに揺れている。


「分かり……ました。リュークレインさんの迷惑にならないなら、私は大丈夫なので」


と、ニッコリ笑うと「迷惑になる事なんてない」と、リュークレインさんもホッとしたように笑った。







「前に、俺の魔力について話をしただろう?それで、一番のネックが、俺が嫡男だった事。まぁ…俺が結婚できなかったとしても養子を取れば問題はないんだけどね」


リュークレインさんは悲観する訳でもなく、淡々と話し始めた。

魔力の相性がマシな女性とお付き合いしたけど、そこで心が動かなくて上手くいかなかった。そう言う事を何度か繰り返すと、結婚はもう良いかと思うようになり、婚約どころか恋愛からも遠のいて行ったと。


そんなある日、リュークレインさんはある女の子に一目惚れをしたそうだ。


「一目惚れ…ですか……」


チクリと、また胸が痛みを覚える。

これは……どんな拷問?なんだろうか……。好き?な人から聞く、惚気話─────


“好き?な人”─────




ーそうか、私、やっぱり……リュークレインさんの事が好きなんだー


こんな時に、ハッキリ自覚するとは………馬鹿だよね………


リュークレインさんに気付かれないように、私はソッとため息を吐いた。



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