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紫苑 2


 暗闇の中、電話の音で目が覚めた。

 ディスプレイを見る。

 『シオン ママ』の文字。

 何かあったのか。

 「もしもし...」

 慌てて電話に出る。

 「あ、先生。こんな時間にごめんなさい。シオンがずっと大きな声で鳴き叫んでいて、全然寝てくれないんです。抗不安薬をさらに追加したんですけど、効かないです」

 電話の向こうで、シオンの鳴く声が聞こえる。

 今までのシオンじゃないな。

 痛みではないと思うけど、行動がおかしくなって来ているのかな?


 「先日一緒に渡した黄色い錠剤があると思うんですけど、それを半錠飲ませてください」

 アセプロが効いてくれるといいな...。

 介護を楽しんであげてって言ったものの、こんなのが続くとママの体が保たないものね。


 電話を切り、またかかってくるかな?と、ちょっと緊張したままベッドに入った。



 朝、携帯にメールがあった。

 『薬を飲ませたあと、少しして穏やかに寝てくれました』




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