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セリーナ記憶喪失になる

読んでいただきありがとうございます。嬉しいです。

 アゼイリアとの散歩は心穏やかなものになった。義弟が家に来て四年になる。

最初の頃こそどこか遠慮がちな態度も食事やおやつを一緒に食べたり同じ勉強をしたりするうちに段々と壁がなくなっていった気がする。


薔薇の花を一輪切って棘を取り手渡してくれるところなど紳士の鑑と言ってもいいくらいのマナーだ。身長もいつの間にか追い抜かれている。

初めて会った頃には頬もふっくらとして可愛いく女の子のようだと思っていたのに、もう追いつかれてしまった。今や大人になりかけの少年の危うさがある。



来年から貴族学院に一緒に通うようになるのだ。今までと違って楽しい物になることは想像ができた。もしかしたら恋人も見つけるかもしれない。それが家柄の合うお嬢さんだといいなと自分のことを思い出し心がチクッとするセリーナだった。アゼイリアはこの家の後継ぎなのだから良い人と縁を繋いで欲しいと思う。



平和な毎日が戻ってきた。学院に通い勉強をしランチや帰りにカフェに寄る友達もいる。あまりに平和で油断していたのだろうか。学院の帰りに馬車に乗っていて事故に遭ってしまった。急に飛び出してきた子供を跳ねまいとした馬車が急に止まった為セリーナは頭を強く打って気絶してしまったのだ。


子供に怪我はなかったようだがセリーナは三日ほど目が覚めなかった。幸い外傷は無かった。騎士がすぐに駆けつけてくれセリーナは屋敷に運ばれ医師の手当を受けることが出来た。頭を打っているらしい令嬢を馬に乗せるわけにもいかず騎士団の馬車で帰って来れたということだった。


伯爵家の医師は昔からいるおじいちゃん先生だったが、腕は確かなので任せることにしたらしい。


セリーナはいつもの自分の目を覚ましたのだが、ここがどこなのか何もわからなかった。

「お嬢様目が覚められましたか?お水を飲まれますか」

と黒い服の人に声をかけてもらい頷いた。

水は乾いていた身体に染みるように吸収されていった。

「あなたはどなたですか?私の名前はなんと言うのでしょうか?」


驚いたメイドは急いで旦那様と医師に報告をしに走った。


三十代半ばに見える夫婦らしき人達と美少年が入って来た。ゆっくりと入って来たのが年配の医師らしき人だった。

「セリーナ私たちが誰か分かる?」

「私の名前はセリーナなのですか?」

「そうよ、セリーナ・パステル、私達の娘よ」


そこでまずはおじいちゃん先生の診察を受けることになった。

「初めに見た通り外傷はないようですな。記憶に混乱が見られるようですが」

「記憶は戻るのでしょうか?」

母らしき人が恐る恐る聞いていた。


「頭の神経のことなのでどうとも言えませんが、少し検査をしてみましょう」

おじいちゃん先生は近くにあった本が分かるかとか指が何本見えるかとか基本的なことから質問を始めた。物が二重に見えることもなく本の中の文字も普通に読めることが分かった。



「どうやら人の名前だけ記憶がなくなっているようです。明日戻るかもしれませんし一生戻らないかもしれません」


それを聞いた母親は

「どうしてこの子だけ苦労をしなくてはならないの、神様は酷いことをされるわ」

と泣いていた。

「お母様、少しずつ覚えていきますのでご心配されなくても大丈夫です」

「母上僕が無理のないように色々姉上に教えますよ」

「お願いね、アゼイリア」

「お任せください、愛する姉上のためですから何でもしますよ」


父親らしき人が

「セリーナはもう少し眠ったほうがいい。皆は執務室に来てくれ。これからのことを相談したい」


と言って後をメイドに任せ出て行った。

後で見直すと誤った書き方をしているところがあったりするのでお恥ずかしい限りです。

頑張りますので呆れず読んでくださると嬉しいです。

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