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自滅したキース

読んでいただきありがとうございます。嬉しいです。皆様の思われている通りアゼイリアが攻めます。

 呼び出されたのは人があまり来ないような裏庭だった。腕にぶら下げているのは誰だろう。セリーナには見覚えがなかった。

「申し訳ないんだが君との婚約を破棄させて欲しい。僕はこのロゼッタと恋に落ちてしまったんだ」

「キース、婚約破棄するのはいいわ。でももちろん有責になるのは貴方よ。そうやって浮気相手を腕にぶら下げているのですもの。帰ってお父様に報告するわね。家同士の契約になるから私ではこれ以上は言えないけど、きっと直ぐに婚約破棄は叶うわ」

「ありがとう、君がごねる人じゃなくて良かったよ」

その時ロゼッタが見下したような気がしたが全然気にはならなかった。



こちらこそ言い出してくれて良かったと思うセリーナだった。キースを籠絡するなんてロゼッタと言ったかしら凄いわ。結婚には向いていないと思ったキースをその気にさせるなんて素晴らしいわ。

もう会うこともないだろうけど名前は覚えたわ。私の救いの女神だものとセリーナは心から嬉しく思った。



セリーナは屋敷に帰り父親にキースに婚約を破棄して欲しいと言われたことを伝えた。今迄の行いも全部伝えたので伯爵と母親は怒りのあまり血管が切れそうになっていた。


「あの小僧、随分娘をこけにしてくれたんだな。セリーナ私に見る目がなくてあんな者と婚約をさせ辛い思いをさせて済まなかった。慰謝料はしっかり請求するから安心してくれ」

「特に好きでもありませんでしたし、学院に入ってからが酷かったので婚約は止めたいなと思っていたら、向こうから言ってくれたのでちょうどいいタイミングでしたので良かったです」



両親はキースのアビゲイル伯爵家へ行き慰謝料をたっぷりもぎ取ってきてくれた。一緒にいたあの令嬢との婚姻は認めないそうだ。調べたら数人の高位貴族の令息と身体の関係があったことが判明したらしい。男爵家の一人娘で男を手玉に取ることにかけては天才的だったらしい。行く先は決まったなと、社交界では噂に花が咲いている。

男爵家は高位貴族から訴えられて没落間違いなしだ。


セリーナはサバサバした感じで両親と向き合った。次の婚約は間を空けてくれるに違いないと確信を持った。

しかし婚約が無くなるというのはすっきりすると同時に自分の価値を否定される気がする何とも複雑なものだった。


その時部屋のドアがノックされた。入って来たのはアゼイリアだった。

「姉上庭を散歩しませんか」

「久しぶりに散歩するのもいいわね。この頃ごたごたしていたからアゼイリアの顔を見たのも久しぶりな気がするわ」

「やっと邪魔者が消えましたから清々しましたよ。何時も姉上をこけにしてくれてましたからどうやって消そうかと考えていたんです」

「まあ、そんな事を言って。怖いことを言っても全然怖くないのは昔からね」

「姉上には甘いですから」

「さあお庭に行きましょうか」


エスコートをされてセリーナは色とりどりの花が咲く庭園に脚を踏み出した。

キースは勝手に自滅しました。当然ですよね。

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