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セリーナは婚約破棄を望む

読んでいただきありがとうございます。キースのクズっぷりが凄いです。

 アゼイリアは優秀だった。朝早くに剣術の稽古をし、領地経営の勉強や、語学の勉強をセリーナと一緒にした。これならパステル家の将来は安泰だろうと安心できた。

アゼイリアとセリーナは本当の姉弟の様に仲が良くなって行った。



キースとの月に二回のお茶会は続けられていた。たまに街歩きにも誘って貰い雑貨屋やカフェにも連れて貰うのでデートとはこんなものなのだと思っていた。

街歩きのたびにキースへの女の子の視線が凄い。たまに手を振ったりするので

黄色い悲鳴が起きる。


「キース様ってこんな感じで街歩きをされているのですね」

「小さな頃から当たり前のことだから何とも思っていないけど可笑しいのかな」

「小さな頃からされているのですね。女性との距離感がおかしく思いますが教えられていないのでは仕方がないかもしれません。これは注意ですがお聞きになりますか?」

「こういう事に慣れているので何とも思わないかもしれないけど言ってみて」

「婚約者がいるのに余所見をされるのはエチケットに反します」

「政略の婚約でも駄目なの?」

「駄目ですね。これは私がキース様に好意を抱いているとかいないとかいう以前の問題です」

「僕は誰でもいいというわけではないんだけど、好意を持ってくれる人には優しくしたいんだ。今迄そうして過ごしてきたからね。君のことも優しくしたいと思っている」



普通婚約者が隣にいるのだから他の女の子には好意を示さないのがエチケットだと思うのだが、少し違うようだ。アビゲイル家の躾は緩いようだ。社会に出た時にそれはどう影響するのだろう、不安になるセリーナだった。




十五歳になり二人は貴族学院に入学することになった。

予想通りキースは女子生徒から熱い視線を送られるようになった。


それに対して拒むことをしないキースはいつも令嬢達に囲まれていた。一緒にランチを食べたり東屋で話をしたり婚約者がいる者として眉をひそめざるを得ない行動ばかりしていた。


セリーナは婚約を考え直した方がお互いのためなのではないかと思う様になっていた。キースはセリーナの思う家庭生活に向いていない。政略結婚だから愛情がなくてもいいとはセリーナは思っていなかった。愛情たっぷりに育ったセリーナは両親のような結婚がしたかった。


キースは月に二回のお茶会には顔を出しているので両親には本性は見破られてはいない。

小さな頃から片鱗はあったのにはっきり気付いたのがこの頃だなんてセリーナは歯がゆくなった。どうやって婚約を破棄しようかと考える事にした。


キースは一人で何人も女性を侍らせて生きていくのがお似合いなのではないかと心の底から考えていた。政略結婚の相手だから仲良くなれればいいなと思っていただけで好きではない。早く縁を切らないと次の人が見つけられないではないか。家には跡取りのアゼイリアがいるのだから、小姑の自分は出ていかなくてはならないと決心していた。


昔一度注意をしてことがあったがピンとこなかったらしく、女性にちやほやされるのが好きなのは治らなかった。どこか歪んでいるのかもしれないし、ただの女好きかも知れない。キースに興味を無くしたセリーナにはどうでもいい事だった。


学院で婚約者に相手にされない可哀想な女という陰口はもううんざりだった。

年に一度行われるパーティーのエスコートはしてくれるが直ぐに他の令嬢たちのところへ行ってしまうのだ。壁の花になっているセリーナの惨めな気持ちを考えてくれたことはないのだろう。



本気で婚約破棄の方法を考え始めた時キースから呼び出しを受けた。






キースは結婚には向いていない男ですね。被害を減らすために独身を通すのがいいと思います。

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