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ナルシスト婚約者と新しい義弟

どうぞよろしくお願いします。サクッと読んでいただけると思います。七話で完結します。

元サヤはありません。ヒーローが一途で恋しい人を守り通します。


ご丁寧な指摘と誤字報告ありがとうございました。訂正しました。


 セリーナとキースは家同士の釣り合いが取れるという理由でお互いが十歳の時に婚約を結んだ。セリーナはブロンドの髪に青い瞳の大人しい女の子だった。キースは青みがかったシルバーの髪色で金色の目をした整った顔立ちの男の子だった。初めての顔合わせでセリーナは綺麗な顔の男の子だとしか思っていなかった。


キースはこの頃にはもう女の子からチヤホヤされることに慣れていたので、こんな大人しそうな子が婚約者かと少しばかりがっかりしていた。でも自分の思うように言うことを聞かせられるかもしれないと考えを変えることにした。


もちろん子供なのでまだ大人のような邪なことは考えてはいなかった。伯爵家の嫡男として勉強や武術には力を入れて学んでいた。貴族の役目として親の決めた婚約者だ。卒なく付き合っていこうと思っていた。


だから月に二回のお茶会には花束やお菓子を持って会いに行った。セリーナは行くたびに喜んでくれた。刺繍が得意らしく猫や犬を刺繍したハンカチを貰った。

キースは護衛付きで時々街歩きを楽しんでいた。貴族同士の付き合いにない街の雰囲気はいい刺激になっていた。歩けば知らない女の子から熱い視線が飛んでくる。なかなか気分の良いものだった。



セリーナが嫁に行ってしまうかもしれないのでパステル伯爵家には遠縁から養子を迎えることになった。男爵家の三男だったアゼイリアだった。アゼイリアはセリーナより一つ下で金髪で緑色の目をしていた。

男爵家の三男といえばいずれ婿入り先を探すか騎士になるか文官を目指す道しかなかったので、子供のうちに進路が決まるのは男爵家としてはありがたいことだった。



アゼイリアが来た日玄関で出迎えたセリーナは弟ができるのが楽しみで仕方がなかった。知らない家に来るのだ、寂しくないように色々話かけようと思っていた。ちょっとしたプレゼントも用意しておいた。気に入ってくれるといいけどとソワソワしてしまったのは仕方のないことだと思う。


「セリーナよ、これからよろしくね」

「アゼイリアです、よろしくお願いします」

手を引いて義弟の部屋に連れて行った。その様子を微笑ましそうに両親が見ていた。


アゼイリアの部屋は白い壁紙にブルーのカーテン、机は窓を背に置いてありベッドが置いてあった。大きさはセリーナの部屋と変わらない。シャワールームとトイレが併設されていた。

部屋に驚いているのか何も言わないアゼイリアにセリーナは隠し持っていたペンとイニシャルのAを入れて刺繍したハンカチをプレゼントした。


「今日の記念にあげるわ」

「ありがとうございます。こんなに良くしていただけるとは思っていませんでした。これはご自分でしてくださったのですか?部屋も広くて嬉しいです」

ハンカチはアゼイリアの宝物になった。

「貴方は家の子なのよ。良くするに決まっているわ。弟ができるのがとても楽しみだったの。メイドにお茶を持って来させるからゆっくりしましょう。あっ一人になりたい?」

「いいえ一緒にいて貰った方が嬉しいです」

「男の子の好きそうな本を入れて貰ったけどお父様に言えばもっと買ってもらえると思うわ。図書室にも本は沢山あるの、明日でも行ってみましょう」


アゼイリアはこの優しくて可愛い女の子を一目で好きになったが、婚約者がいると知り淡い想いに蓋をすることにした。

読んでいただきありがとうございます。感謝しかありません。

書き終わっていますので毎日更新します。

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