浮気者に嫁ぐ事になりました
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
主人公が生々しい言動をするので、R15です。
オヤジ臭い主人公が苦手な方はご注意下さい。
転生先は貴族の嬢ちゃんだった。ただ問題が一つ。お金がなかった。
我が家を一言で言い表すならば、落ちぶれ貴族という奴だ。伝統はある。けれども時を重ねるに連れて金品は衰退し、今となっては家族総出でメイドの真似事をしている。
そんな私の元に一つの便りが舞い込んだ。何でも『うちに嫁いでくれたら、金銭的援助をする』との事。嫁ぎ先は女誑しで有名な坊ちゃんの元だった。要するに相手は地位が欲しい。こっちは金が欲しいということだ。え、ベタだなぁ。もう少し捻らないと読者総出で私と同じ顔されちゃうよ。
しかし落ちぶれ貴族と言えど、元はと言えば貴族の端くれ。政略結婚の道具にでもするが良い。そう思って両親を見ると、渋い顔をしながらも私の方を見た。
「ご安心下さいまし。政略結婚の道具にされても恨む事は御座いませんので」
相手が何人女を侍らせようが、顔を顰めたくなる程の光景目に入れようが、素知らぬ顔で耐えてやるよ。此方とら転生前は庶民だぞ。雑草嘗めるな。
「じゃあ、仕事に行ってくるね。君も来る?」
「行ってらっしゃいまし。私は遠慮しておきますわ」
行ったところで、給仕の真似事しか出来ませんが。という余計な一言を飲み込む。すると彼は素知らぬ顔を浮かべる。
「不安じゃないかなって」
寧ろ一緒に居た方が邪魔になるだけでは? 難しい書類投げられても、読み飛ばして貴方に押し付けるだけの木偶人形。一緒に居るだけで貴方が不安では?
そう無表情貫いて彼の顔を見ると、彼は静かに笑ってただ一言。
「僕の悪い噂は概ね聞いているだろうから」
あぁ成程。浮気しないか見張らなくて平気かって事か。けれども所詮政略結婚の相手である。何なら目の前に沢山の女人侍らせようが、艶ごと見せられようが、素知らぬ顔で過ごすつもりの人間だ。それに前世では紙媒体で沢山見てきたしなぁ。そんな人間故心配なぞあるはずも無く。
「まぁ、噂は聞いておりました。それを受け入れて此処に立っております」
「そう。じゃあ、遠慮なく」
一瞬、彼の目に怪しげな光が灯った。手が伸びて頬に触れる。頭に疑問符浮かべる間もなく、彼の顔が近付いて来た。嫌な予感がする。逃げようにも逃げられず、そのまま頬に唇が押し当てられた。
「じゃあ、行ってきます」
私は暫く呆然と立ち竦んだままだった。いや、こんなルートは聞いてないよ!!
帰ってきたよ!!
「もし君の前で他の女性とキスしていたら、君はどんな反応するのかな?」
「え、虫けらが下手な交尾してるなー。としか」
「ん。そっか」
所詮、政略結婚の相手だし、自分のことは眼中にないよねー?
と高を括っていたら、頬っぺにチューされた話。
一応ネタバレすると、あの噂は全てガセです。
告白された女の子の一人をやんわり断ったら、腹癒せに流された悪い噂です。
でも女避けに丁度いいとそのまんまにしてます。
断ったらまた、何の腹癒せされるか知らんし。
政略結婚の相手ちゃんだけ手に入ればそれでOK。な人。
多分、これからズブズブ行きます。