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146.二週間の眠りを経て

 とてつもなく長い間、眠っているような感覚だった。


 そして、次に目が覚めると、そこは自宅の天井だった。


「……お兄ちゃん! 良かった……」


「唯葉……か。……俺は……確かあの時――。そうだ。『カミサマ』は倒したのか!?」


 あの時。俺は光剣を受けつつも攻撃を繰り出し、カミサマを撃破した。が、同時に、『双子の妹』もいると言っていた。離ればなれになった唯葉たちが戦っていたのがそれだろう。


「なんとか……。みんなも無事だよ。お兄ちゃんも、雫川さんに……いや、これ、言わないほうがいいのかな」


「いや。俺もハナからそのつもりで突っ込んだんだ。自分があれからどうなったかなんて言われなくともわかるさ」


 あの後、俺は死んだ。そこを拾ってもらい、雫川のスキル『死者蘇生』で生き返った。それしか考えられない。


「いくら、雫川さんの力で生き返られるからって、そんなの……。お兄ちゃんがずっと意識を失ってて、どれだけ心配したと思ってるの?」


「……すまない。もうあんな無茶はしないよ」


 どうやら、倒した引き換えに長い事眠ってしまっていたらしい。もう、心配はかけさせない。生き返ることが出来ると言っても、確かに俺は一度死んだ。……そんな死ぬ前提の戦い方で敵を倒していれば、周りにだって迷惑をかけてしまうのだから。


 ……って、待て。()()()()()()()()()()って、一体どれくらいだ?


「唯葉。俺はどれくらい意識を失っていたんだ?」


「二週間くらい。明日がちょうど、プレシャさんの『世界結合』が終わる日だよ」


「――その間、カミサマは現れたのか!?」


「いや。あれから一回も来てないよ」


「……良かった。それにしても、明日か……。プレシャは何か言ってた?」


 ずっと意識を失ってしまっていたので日付感覚も狂ってしまい、実感がない。……ついに、この世界と異世界が繋がり、完全に一つの世界になる、ということ。そして、この激しい戦いも終わりが近いということが。


「うん。明日、最初に儀式をしたあの場所で待ってるって。……って。もしかして、お兄ちゃんも行こうとしてるの? ダメだよ、病み上がりなんだから」


「一日あれば本調子には戻るだろ。それに、俺も見届けないと。プレシャの、世界結合の術式を」


「……そうだよね。ここまで戦ってきたんだし」


 明日。プレシャの元へ行く。そして、世界が一つになるのを見届けて――俺たちの、異世界での戦いは本当に終わるんだ。

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