プロローグ
小説書くのは初です。
「タマがそっち行きました!止めてください!」
俺は依頼人が叫ぶ声に反応し素早く前足に手を入れ持ち上げた。
急に持ち上げられたことに驚いたのか猫が暴れだす。
「ちょっ、いい子だから落ち着いてくれよ!」
俺が必死に呼び掛けるが一向にその猫は暴れることをやめない。
「タマーいい子だからこっちにおいでー」
依頼人もとい飼い主が両手を広げて近づいたその瞬間……
「ニャッ!」
「いってぇ!!」
猫の前足でもって顔を引っ掛かきそのまま人を踏み台にして飛びやがった!
「大丈夫ですか!タマ人を引っかいたらダメっていつも言ってるでしょう!ごめんなさいうちのタマが……」
我慢できないほどではないが痛い。とても痛い。
しかも俺を痛め着けた張本人は飼い主のお姉さんの大きな胸に抱かれてご満悦。
しかしこいつ、人のこと足蹴にしておいてなんでそんなにふてぶてしくいられるのか。
必死に謝り倒してるお姉さんには罪はないので痛みを堪えながら答える。
「いえいえ、大丈夫ですよ。」
「でも、血が出てますよ……よかったらうちで手当てを」
「いやいや依頼人から依頼料以外の物は受け取らないのがしのみ屋のモットーでして。」
「ですが怪我までさせて申し訳無いですよ!ただでさえ探して頂いたのに……」
「じゃ、俺は次の依頼があるのでこれで失礼します!それでは!」
「え、でも」
これ以上お姉さんに粘られると甘えてしまいそうなのですぐ立ち去ることにした俺は事務所まで走っていった。
何でも屋しのみ屋でバイトしている俺、清水優太高校一年生のいつもの日常だ。
そのまま逃げるように去って行った俺はその足で今日の依頼を全て済ませ帰って来た。
「ただいまー。」
「おう、やっと帰って来たのか。どうしたんだ優太その顔の傷今日の依頼には修羅場系の物はなかったと思うが」
この人は四宮伊織さん、俺が住み込みで働いているここしのみ屋の三代目店主だ。
「猫ですよ猫、あったじゃないですか猫探しの依頼。」
「あぁ、それか。」
「傷口が痛むんで救急箱貸してください。」
「少し待ってな。」
伊織さんが奥の戸棚まで歩いて行くのを眺めていた。
その後ろ姿は肌色だった。肩甲骨までかかるその艶のある金髪を除き上から下まで肌色だった。
「なんで裸なんですか!」
「いいじゃないか別に優太位の年の男なら女性の裸なんて土下座してでも見たいものだろう?」
「それは否定しませんけども……」
「じゃあ存分に拝みたまえ思春期少年。それとほら救急箱だ。消毒したら風呂にでも入ってきたらどうだ?美女の残り湯だ。存分に味わいたまえ。」
「風呂には入りますけど飲んだりはしませんよ。」
「優太の好きにすればいいさ。風呂からでたら新しい依頼の話があるからリビングに来たまえ。それと、思春期だからって人の胸ばっかみて話をするものじゃないよ。しのみ屋従業員規則のひとつ、【人の顔をみて話しましょう】だろう?」
「べ、別に胸なんて見てませんけど?」
ば、ばれてる……
「正直に言えば触らせてあげようかな。」
「はい、見ました。」
「いっそ清々しいなお前。じゃまた後で。」
「さわらしてくれるんじゃ無かったんですか!?」
「やっぱ優太は可愛いやつだな。」
「そんなぁぁぁ」
伊織さんにからかわれた俺はそのまま自分で消毒をし風呂へ向かった。
酷評されると泣いちゃうので勘弁してくださいまし