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心霊スポット検証

日上が結成したオカルト調査会の初めの活動は心霊スポットの調査のようだった。


「今回調査するのは、小樽にある大守海岸ってところだよ。どんなところか今からわたしが口頭で説明するから聞いててね!」


日上は大守海岸についての説明をし、ざっくりまとめると次のような内容であった。

大守海岸。

小樽にあるオカルト好きにとっては有名な自殺の名所。昭和11年にその場所に遊園地があったが、原因不明の火災により閉園し、それ以降海への飛び込み自殺が増え、深夜に行くと遊園地内の旧海水浴場からたくさんの人の声や海からたくさんの白い手が見えるという噂がある。現在は遊園地までの道は土砂崩れで閉鎖されていて、遊歩道は途中までしか行けないようになっているという。


「それで、その海岸で本当に霊がでるのか調査すると」


「そういうこと!」


張り切る日上の顔を見て影山は先月のことを思い出す。一人かくれんぼを実施した日上は魂をとられ、影山と冬野が激闘の末魂を取り返した。今回の話もあのときと同じような展開にならないよう願った。

影山がそんなことを考えていると、冬野が手を上げ、日上が「雪、どうしたの?」と尋ねた。


「深夜の海って危なくない?歩道も岸壁にあるって言うし、危険なんじゃないかな?」


スマホで大守海岸について調べていた冬野はネットでは崖際が遊歩道になっていることを知り、そう意見すると、影山と絹井も同意するように頷いた。対して日上は「それについては、わたしに考えがある」と話した。


「まず昼間に1回現地調査で行って、あらかじめ危なそうなところを知っておくの。そうしたら夜歩くときに警戒できるでしょ?」


「下調べは大切だけど、周囲を見渡せるように懐中電灯も必要ね。範囲が狭い光源だと、足元が危険かどうかもわからないからね」


その意見に対して皆同意した。


「さて、いつ行くかなんだけど、今週の土曜日に下調べなんてどうかな?」


日上の提案で各々予定を確認。影山はその日予定は特になかった。


「俺は予定なし」


「アタシもないね。雪は?」


「わたしもないよ」


「あー、悪い。俺は予定あるわ。バイトの日だ」

 

雨野は最近カラオケのバイトを始めていた。影山自身はカラオケは陽キャの集う場所と思っていてあまり行くことはないが、雨野から話は聞いていた。


「じゃあ行けるのは智樹以外だね。そしたら、今サークルのグループライン作っとくから、後でまた土曜日の予定のラインするね」


「じゃ、俺と智樹は次の講義あるからそろそろ行くよ」


「アタシも1人で講義受けてるのあるから、またねみんな」


「なんだ皆予定あるんだねー。じゃあアタシらは部屋でだらだらしてよ雪~」


「そうだねー。部屋が殺風景だから何か物置いてこうかなぁ」


「いいね!部屋強化しよ!」


冬野と日上が盛り上がっているところで先に絹井が部屋を出て、次に影山と雨野が出ていった。多くの大学生が行き交う廊下を歩きながら、影山たちは目的の講義室に着いた。すでに多くの人が席を占めていて、影山と雨野はてきとうに空いてる席に着いた。


「そういやさ、さっき彼女できたって言ったじゃん」


「ああ、それがどうかしたか?」


「どういう経緯で付き合ったんだよ?」


影山は部室に行く前に雨野と話していた内容が気になっていた。なので、再度聞き込みを再開した。聞かれた雨野は「経緯ってそりゃお前だよ」と言い、影山は意味がわからず、「どういうこと?」と聞き返した。


「お前が詩織と合わしてくれたんだろ。それでだよ」


「待てよ。智樹が付き合ってるのってまさか…」


「ああ、詩織だよ」


「…マジか」


影山は驚きつつ、手の早さに感心した。知り合ってまだ1ヶ月という期間しかないのに交際開始をする友人の陽キャレベルに恐れ入った影山だった。


「んで、どっちから告白したんだ?」


「告白なんてしてねーよ。お互い何回かご飯食べて、遊んで、それで詩織の家に行って泊まったときに雰囲気でそのまま…」


「へ、へー。今どきの陽キャってそんな身軽な感じなんだな…」


奥手の自分では到底できないムーブでコメントに困る影山。


「陽キャって、お前が固すぎんだよ。お前も早く冬野さんとくっ付けよ」


「うるさい。俺には俺のやり方があるんだよ」


「まあ、そだな。てか講義が始まるな。さて、だるいけど真面目にノートとりますかねえ」


講義が始まり、影山と雨野は無言となり、集中した。講義が始まって40分くらいしたところで、ポケットに入れていたスマホが振動し、スマホの画面を見ると冬野からラインがきていた。内容を見ると『大学終わったら少し会えないかな?』とメッセージが来ていて、影山は『いいよ』とだけ送った。


(なんだろな…)


冬野からのメッセージで影山は少し集中力が落ち、さらに先ほど雨野から言われた『早く冬野さんとくっ付けよ』という台詞が頭から離れなかった。


(ま、まさか、告白とかって…まてまて、何いい方向に想像してんだ俺!それは自意識過剰だろ!!)


講義に集中しようとする影山。しかし、結局、冬野が気になって講義に集中することができなかった。


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