表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/44

殺人鬼

※残酷な描写があります

暗い部屋。朝だと言うのに、部屋のカーテンは閉めきっていて、カーテンの隙間から微かに朝日が差し込むだけで部屋はほとんど暗闇に包まれている。そんな部屋の中、ソファーに座り、テレビを見てる青年が一人いた。背が高く、髪は乱れていてボサボサしている。青年は退屈そうに朝のニュースを見ていた。


『次のニュースです。埼玉県川越市で三日前より行方不明となっている菊地晴人くんに関して、警察は二週間前にも行方不明となっている同じ市の杉崎綾香ちゃんとの件も合わせて、誘拐事件の可能性を視野にいれて捜査を始めると発表しました。警察では…』


「へー、捜査するんだー」


青年はスマホを取りだし、誘拐事件に関してネットで調べる。テレビでは言葉を控えていたが、ネットの掲示板では連続殺人犯の『巡礼者』の仕業だと盛り上がっていた。


「テレビでも、ネットでも君の話題で盛り上がってるよ晴人くん」


青年は後ろのテーブルを見る。そこには手足がテーブルに縛られて大の字になっている全裸の男の子がいた。口はタオルで縛られていて、話せないようにされていた。


「警察がこれから捜査するんだって、どんな捜査するんだろうねー?」


気だるそうに青年は話し、「よいしょ」と言って立ち上がり、男の子の様子を見る。男の子は恐怖に怯えた表情で縛られた手足を動かし、もがいていた。


「見つかったら俺逮捕されるのかな?逮捕されたらどうなんだろうね?人たくさん殺してるし、死刑になるのかな?まあ、それでもいいかもね」


青年は無邪気にフフッと笑う。


「でも死ぬ前に楽しいことはいっぱいやりたいな。君は死ぬ前にやりたいことってある?旅行とか、ゲームとか…」


「んー!んー!」


「あー、タオルで口縛られてるから喋れないよね。でも、タオルとっちゃったら舌噛んで死ぬかもしれないからね。仕方がないか」


青年は台所に向かって歩き出す。歩いている最中足に何かがあたる。下を見るとそこには全身包丁で刺された目をくり貫かれた中年女性の死体があった。青年は「そろそろ片付けなきゃなぁ」と言って台所の棚を漁る。


「お、あったあった♪」


青年は上機嫌で棚からあるものを取り出す。それは野菜の皮をむくピーラーだった。青年はピーラーを持って男の子のところに戻る。


「ねえ、これが何かわかる?野菜の皮をむくやつ。ジャガイモとか、ニンジンの。君くらいの年の小学生なら学校の調理実習とかで使ったことないかな?」


青年は一人話しかける。男の子は口を縛られているので、当然返事はない。


「俺昔ね、小学校の調理実習で野菜の皮をむくときにこれ使って皮むいてたの。そしたら、間違って自分の指の皮むいちゃってね。凄い痛かった思い出があってさー」


青年はピーラーで皮をむく動作をする。男の子は急に何の話をしてるのかわからず困惑していた。


「それで急に昨日そのこと思い出してさ、そしたら試してみたくなったんだよね。人の皮むくの」


青年はピーラーを持って男の子の手をつかむ。男の子はこれから何をされるのか想像がつき、できるだけ暴れるが、縛られているために手を振りほどくことはできない。その様子を楽しみながら青年はピーラーを男の子の腕に押し当てた。


「ああ、どんな感じでむけるのかなぁ。楽しみだ♪」


青年は何の躊躇もなくピーラーで男の子の皮膚を剥いだ。剥がれた箇所から大量に出血し、その激痛に男の子は「んー!んー!」と叫び、暴れる。しかし、縛られた手足を解放できず、逃げることはできない。その様子を見て楽しみながら青年は男の子の皮膚をどんどん剥いでいく。


「あは、皮むきって結構楽しいかも!」


「んー!んーーーー!んーーーー!」


痛みで叫び続ける男の子の声を聞きながら、青年は男の子の全身の皮を剥いでいく。青年は笑いながら少年がもがき苦しみ、痛がる様子を見てもやめない。じっくり時間かけて皮膚を剥いでいく。上半身の皮を全て剥いだところで少年は痛みで気絶し、全身の皮をむき終わると死んでしまっていた。


「死んじゃったかー。また新しいの調達しなきゃなー」


青年の両手は血で濡れていて、それが気持ち悪いなと感じた青年は風呂場に向かった。風呂場の扉を開けると、そこには全身皮膚が爛れている全裸の少女の死体が浴槽の中に沈められていた。その様子から熱湯の風呂に無理矢理入れられて溺死したようである。青年はそんな死体に気にせず、鼻唄を歌いながらシャワーを浴びた。


「ふう、スッキリしたー」


青年は風呂から出て着替えて、冷蔵庫から牛乳を取り出してコップに注ぎ、一口飲んだ。


「うまい!」


青年はソファーに座り、テレビを再び見始めた。


「なんか面白い番組やってないかなー?」


青年はてきとうにチャンネルを切り替えていく。そんなことをしながら、テレビを見ていると、後ろから突然足音が聞こえ、青年は振り返った。そこには白衣をきた一人の男性がいた。


「あれ、狂骨じゃん。久しぶり。どうしたの?」


「お久しぶりです。光山さん。一つ報告があり参りました」


「へー、何?報告って?」


「昨日、北海道地区担当をしていたさとるくんが消滅しました」


「マジで?あの、さとるくんが?」


「はい」


「へー、あのさとるくんに勝てたやつがいるんだ。それって、滅幽会のやつらがやったの?」


「いえ、それがガイストとかいう幽霊妖怪退治をする喫茶店のやつらがやったみたいです」


「ガイスト、知らないなぁ」


「最近オカルト界隈で話題になっているらしいです」


「ふーん、そうなんだ…」


光山と呼ばれた青年はスマホでガイストに関して検索する。一般的な喫茶店のホームページの下にオカルト依頼という項目があり、光山は興味深そうに見る。


「さとるくんに関する依頼が入ったのかね。まあ、消されちゃったのはしょうがないな。北海道地区の状況はどうなの?」


「まだ不十分かと。妖力がとれそうな妖源はまだあります」


「そしたら、東北担当のあいつに北海道行かせてよ。たぶん手が空いてるでしょ」


「わかりました。それでは、伝えてきます」


狂骨と呼ばれた妖怪はそれだけ言い残して姿を消した。光山は一人になり、ソファーに横になった。


「俺もそろそろ別の場所に移動しようかなー」


光山は狂骨から聞いた話を思い出す。


「北海道か。寿司に、ジンギスカン。北海道美味しいものたくさんあるし、行ってみようかなー」


光山は起き上がり、スマホとカバンを持って出かける準備をする。


「徒歩で他のところも観光しながら、ゆっくりと北海道に向かおうかな。いざ、北海道グルメを目指して出発!」


光山は三人の死体を放置し、北海道を目指して旅立った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ