漫才:地球へ…
ボケ「はいどうも〜」
ツッコミ「今日はよろしくお願いしま〜す。ツッコミ担当の田中です」
ボケ「ボケ担当の坂本です」
観客「観客の櫻子です」
審査員「審査員の真田です」
司会「司会進行の吉澤です。さて、突然ですが皆さんはどれだけ知っていますか? 自分たちが住む、地球のこと……」
女優「私たちは今人口問題、エネルギー問題、食料問題など、実に様々な難題を抱えています」
プロデューサー「2011年には、世界人口は70億人を突破。国連の予測では2050年には97億人、2100年までに100億人を突破するだろうと言われています」
AD「日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳。過去最高を更新し続け、今後も止まる気配がありません。介護、年金、医療費……もう誰にだって他人事では、ありませんよね?」
アナウンサー「石油や石炭は、あと何年持つのでしょうか? 資源には限りがあります。世界中の新興国が発展すれば、当然消費量も増え続けて行きます」
TV局社長「さらに世界では毎年24億トンもの穀物が作られていますが、そのうち穀物が十分に行き渡る国は、2割に満たないのが現実です」
ベテラン漫才師「科学技術が発展し続ける、21世紀。我々は未曾有の局面を迎えているのではないでしょうか?」
スポンサー「このまま私たちは、何もしないで良いのだろうか? 自分たちにできることは、何かないだろうか? 大会を運営する傍ら、私たちは寝ずに考えました」
カメラマン「そこで我々は、ひとつの結論に至ったのです」
構成作家「我々ができるのは、”漫才”だ」
若手コント職人「これは”漫才”の大会なんだ、と」
広報担当「我々は面白い漫才を皆さんに届け、笑っていただく。それ以外にないのだと」
営業「いたずらに不安だけを煽っても、仕方ないじゃないかと」
中堅ピン芸人「確かに地球にとって重要な問題かもしれないが、それは今、この場で言うべきことなのか? と」
アイドル「目を逸らすつもりはない。地球からも、"漫才"からも」
劇場支配人「自分たちにできることを信じて、精一杯仕事をし、お客様を満足させる。それが、我々が地球のためにできる役割だと信じて」
照明「そして私たちは、”ひとつ”になったのです」
子供たち「みんながチカラをあわせれば!」
地方中継「面白いものが!!」
音声スタッフ「できるんだ〜!!!」
人気アニメ主人公「僕らに、任せて!」
特撮ヒーロー「さぁ……始めようぜ」
男優「それでは、演じていただきましょう」
ディレクター「もしかしたら、笑えないところもあるかもしれない。理解しづらい部分もあるかもしれない。それでも2人、一所懸命作りました」
魔法少女「心配しないで! きっと、大丈夫だから!!」
視聴者「どうか温かい目で見守ってあげてください」
全員「今地球のために、私たちができること」
ナレーション「お2人の漫才です。どうぞ!」
ツッコミ「いや演りづらいわ!!」
ボケ「どうも、ありがとうございました〜」