可愛い過ぎる私の婚約者 婚約者とヒロインの懺悔
誤字報告、ありがとうございますm(__)m
一度しかないから、ゲーム通りに進めたのは間違っていたというの?
ウソよ!!
「ティッオたちもゲームの攻略対象者と見ていただけで、現実のティッオたちを見ていない。攻略対象者たちがそれを知ったら、どうなる?知らなくてもゲーム終了後に彼らは今と同じように君を思っているだろうか?」
ティッオ様は、ティッオ様と見ていたわ。
ええ、ゲームとほとんど同じだったもん。
ゲーム終了後も同じ、でしょう?同じじゃなきゃあ可笑しいわ。
エンディング後のストーリーはなかったけど、ハッピーエンドで終わっていたからそうのはず、ヒロインならば。
「所詮、俺は攻略対象者としか見られていなかったのか。いや、俺を通してゲームの攻略対象者を見ていたのか。」
テ、ティッオ様?
私は、ティッオ様として見ていたわ。だって、レオンクラウド様に劣等感を持っていて、悪役令嬢に従弟として可愛がられていて・・・。
悪役令嬢は、いない、いなかった・・・。
そして、イハヤカタ侯爵令嬢は、ティッオ様に嫌われていて・・・。
違う、ゲームのティッオ様とちがう。一緒じゃない!
「ゲームの知識で俺に近づいてきて、ゲーム通りに攻略しただけ。現実ほんとの俺を見てくれていなかった。」
ちがう。
ティッオ様にそう言いたいのに言えない。
本当のティッオ様を見ていた?
ゲームの知識でしか見てなかった?
私は、誰を見ていたの?
「シャリーブロン子爵令嬢、処分が決まるまで謹慎を言い渡す。シャリーブロン子爵、王宮に行き事態の説明をするように。」
謹慎・・・、バットエンドだ。
力が抜けた。
ゲーム通りに頑張ったのにダメだった。
「スマラタ、それでも私はそなたに救われた。そなたの言葉に救われた。」
ティッオ様の言葉が刺さる。
その言葉は、ゲームのヒロインのもの。私の言葉じゃない。
私は、ヒロインではなかった。ヒロインになれなかった。
ゲームのヒロインの真似をしていただけ。
ヒロインが私なら鉱山を大人に知らせ、お母さんが死なないようにしただろう。
後の事など考えずに。未来は変わっていくと信じて。
そんなヒロインだから、みんなが好きになり愛された。
だから、ハッピーエンドになれた。
私のはただの猿真似にもなっていない。
ヒロインの性格をまったく理解していなかった。
あ、はは、あははは。
アホらしくて笑えてくる。
ヒロインを演じているつもりが、演じてもいなかったなんて。
「ティッオ様、皆さん、ごめんなさい。」
私は、それだけしか言葉に出来なかった。
修道院送りになった。
今後とも見張る必要もあるから、妥当なところ。
処刑にならなかっただけマシかな。
思い出してみたら、最初から色々違った。
前世の電化製品とよく似た魔道具、王都に移ってきたときの騒動。
情報をきちんと集めていたら、周りをよく見ていたら、ゲームと違うことが分かったのに。
ゲームの世界だと思い込んで、違うところは無視していた。
その結果だ。
ヒロインにも自分でも無い者に成っていた結果。
自業自得、仕方がない。
レオンクラウド様にもし会うことが出来たなら、教えてあげなきゃ。
ゲームには、続きがあったことを。
彼女は、そこに出てくる重要人物だと。
幸せになるためにみんな頑張っている。
私は、新しい場所で祈ろう。傷つけた人たちの幸せを。
ヒロイン視点、最終話です。
本当は、もっと早くに改心する予定が!!
彼女と異世界転生コンビで掻き回すはずが!!
何故、退場?(T_T)