偽者少女を救う
「お前、本当にゴメスなのか?」
と一歩下がりならが聞いてくる、ゴロツキ。
「それは、戦ってみればわかりますよ」
と言いながら火の玉にさらに力を込め勢いを強める。
「いやいやゴメス様とやり合ったら命がいくつあっても足りません」
とあっさり娘を差し出すゴロツキ達。
いや、ゴメスやないけどね俺。上級魔法使えないし。まぁゴロツキ達ぐらいには負けませんが。
「大丈夫でしたか?」
優しく尋ねる俺。
腕はしっかり腰の所にあったりするが、それを気にする事なく
「危ない所を助けて頂きありがとうございます。私サリィっていいます。」
と可愛い笑顔のサリィちゃん!
「いえいえ、可愛いレディを助けるのは勇者の務めですから」
下心しかありませんが…
「ところでなぜこんな森の中に1人で?こんなゴロツキたちならばともかく、モンスターなんかに出会ったら大変な事になりますよ?」
とゴロツキを指差しながら尋ねる。
「それがぁ…」
といいいながら話し初めるサリィ。
その間どうしていいかわからず立ち尽くすゴロツキたち。
相手をしても疲れるので笑顔でシッシッと手を振る。
それを見た、ゴロツキたちも頭をペコペコ下げながら去って行く。
う~む意外に謙虚なやつら。
サリィの話しをややオーバーリアクションしながら聞いてると
「と言うわけなんです」
と泣きそうになっている彼女。
話しをまとめると、この近くに大地の龍のほこらがあって年に一度聖水を村の若い女の子が収めるという儀式があり、その途中で転んで聖水を全部こぼしたのらしい…
そしてどうするか悩んでおろおろしていた所にゴロツキたちが絡んで来たらしいのだ。
「それなら村にその聖水とやらを取りに戻ればよかったのでは?」
「それがぁ聖水には魔よけの力があってそれで安心してここまでこれたのですが…」
とうつむく彼女。
「モンスターに会うのが怖かったんですね?」
「はい。それと…この聖水、水の街の勇者様から頂いて来ているんで替わりがないんですよ」
と泣きだすサリィ。
勇者の作る魔よけの水かぁ…たぶんホーリーウォーターかなんかの魔法かな?
「まあまあ、とりあえずここにいても仕方ないですしとりあえず村に戻りませんか?」
俺はサリィに手を差し伸べると
「大丈夫、その辺のモンスターなんかに遅れはとりませんよ」
サリィの手と共に心まで掴み取るのだった。
まぁ勝手な妄想だけど…