8話 おっちゃんと宿
「おっちゃん、いる?」
「おう...てか店主がいない訳ねぇだろ、変な事言うな。で、何のようだ?まさかこの時間から飲みに来たわけじゃねぇだろ?」
「まぁな」
さすがおっちゃん、話が早い
これからも頼りにさせてもらおう
「じゃあまず一つ目、この国の近くでLvを効率よく上げられる場所はあるか?」
「ああ、それなら憤怒のダンジョンなんてのはどうだ?あそこならあんちゃん達より格上が多いし、杖の嬢ちゃんを守れば大丈夫だろう」
ダンジョンなんてのがあるのか
「他にもダンジョンはあるんですか?」
「数え切れないほどあるが...代表的なやつはさっき言ったやつも含めて7つあるぞ。その7つとも最下層が100層なんだよ。だから踏破したやつは一人もいない。ほとんどが20層までの雑魚を倒してレベルを上げるって感じだな」
100層か...いつか行ってみたいな
「そっか、ありがとう。じゃあ二つ目、今この世界には何人のSランク冒険者がいるんだ?」
「元を含めると5人だな、現役4人、引退1人だ。あんちゃんSランク目指してんのか?」
「あぁ、早くこの最弱の名を捨てたいからな」
「確かにそうだろうが、Sランクになるには、Aランク3人相手の模擬戦に勝たないとならない。結構きついぞ?」
そんな条件があるのか
それは知らなかった、というか教えてもらってすらいないから知らなくて当然か
「まぁあんちゃんならすぐにCまでは上がれるだろ、まあ気長に頑張れや。あ、そうだ。これやるよ」
おっちゃんはそう言うと、袋から石を取り出した
「これは何ですか?」
「これは、魔晶石っつう魔法を入れとける石だ。この魔晶石には、《鑑定》が入ってる。相手の強さとかわかんねぇとこの先きついだろ?だからこれやるよ。これに触れれば《鑑定》を覚えられるMP消費0だからいくらでも使えるぞ」
さすがはおっちゃん
気が利くぜ
「おっちゃん、ありがとう」
「ありがとうございます」
「ありがとうなのです!」
「いいってことよ、お礼はあんちゃん達の活躍ってことで!頑張れよ!」
やっぱりおっちゃんはいいやつだ
おっちゃんのためにも頑張ろう
「じゃあ今日はもう遅いので、休みましょう」
「そうだな...あ、宿ってどうする?」
「それなら心配ないのです!私の別荘があるので、そちらに案内しますのです!」
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「お帰りなさいませ、お嬢様」
「みんなに紹介するのです!こっちがカズマさんで、こっちがユウカさんなのです!」
「お嬢様のお仲間であられましたか。失礼致しました。私はメイド長のティナと申します。以後よろしくお願い致します」
「よ、よろしく」
「よろしくお願いしますね」
か、堅苦しい
やっぱ3女でも偉い人は別荘持ってんのか
「いえ、お嬢様は一番旦那様に大事にされているので、別荘をお嬢様の誕生日に差し上げたのです」
心読まれた!?
ってか誕生日に別荘とか高すぎだろ...
「では、カズマ様とユウカ様を部屋にご案内致します。マリア、カリーナ、あとはお願いします」
「「畏まりました」」
「初めまして、私はマリアです。カズマ様の担当をさせていただきます。よろしくお願い致します」
「おう、よろしく」
「初めまして、私はカリーナですにゃ。ユウカ様の担当をするにゃ。よろしくなのにゃ」
「はい、よろしくお願いしますね」
カリーナは獣人か?猫耳と尻尾が生えてる
それを見た優花はなんか喜んでる
「では、部屋まで案内させていただきます」
「ユウカ様はこっちですにゃ」
そう言われ案内されると、なお思った
ここ、でか過ぎないか?
まず階段が3階まであるのが驚きだ
学校位のでかさじゃないか?
俺の部屋は3階の階段の真正面のようだ
優花は2階の階段の左の部屋らしい
「さて、今日は寝るか」
話し合いは明日でいいや
そう思っていると一馬の意識はベッドに入った瞬間に奪われた...
あ、飯食べるの忘れてた
次回から仲間の裏設定を紹介
機会があれば本編にも加える