7話 罵り
俺達はゴブリンを倒し終え、ギルドに着いた
「すみませーん、クエスト終わったんで受理してほしんですけど」
「あ、はーい!少々お待ちください」
そういうと、何かほかの仕事があったのか
デスクワークをしていた受付の人が、ものすごい速さで仕事を終え、受付の位置に戻った
「クエストの受理ですね?魔物の核は、剥ぎとりましたか?」
「あぁ、シャル頼んだ」
「はいなのです!これが今回のゴブリンの核なのです」
「ひい、ふう、みい...16体ですか!?駆け出しの冒険者がこの数を倒せるなんて...パーティだとしても凄いですね」
「いや?7体しか倒してないぞ?最後の一体が、ゴブリンロードに進化しやがったから倒したら、核が10個あったんだ」
「ゴブリンロード!?」
受付の人、ギルドにいた他の冒険者たちが一斉に驚き出した
「いくらなんでもそれはないんじゃないか?」
「おいおい、なんか嘘ついてるやついるぞ?」
「まだゴブリン16体の方が信じれるな」
色々野次や小言がとんでいるが
「じゃあゴブリン16体倒したら、パーティでもLvが6、7くらい上がんの?」
「は?Lvがそんなに上がるわけねぇだろ」
「じゃあ見てみろよ、俺のギルドカードを」
「へいへい、わかりましたよっと」
疑惑のめをしていた男が一馬と優花のギルドカードを目にして驚いた
「マジで上がってやがる...ってかお前ら勇者かよ!?」
「「「「「「「勇者!?」」」」」」」
あ、ばれた
まぁ困ることと言ったら
「しかも盾と杖の最弱コンビじゃん!仲間も弱そうだな!わはははは!」
「最弱コンビの勇者様がクエストクリアだと?バカにしてくれるぜ!ぎゃはははは!」
これだろうなぁ
まぁ将来的に見返してやりたいところだ
「とりあえず報酬だけ貰えるか?迷惑をかけたくない」
「は、はい!わかりました!...これが今回の報酬です」
渡された報酬は2000ルピになっていた
「あれ?元々1000ルピじゃなかったかしら?」
「ゴブリンロードが出現したと言うならこちらの不手際です、なのでこれは迷惑料ということで。今の状況のこともありますので」
受付の人は盾と杖の勇者に対して差別していないようだ
善意であるなら受け取っておこう
「わかった、ありがとう」
「いえ、今回は本当にすみませんでした。またのご利用をお待ちしております」
「あぁ」
そう言ってもらえると、頑張って自分を抑えた甲斐があったというものだ
一馬はこの状況で怒らないほど寛容ではない
本当は全員殴り飛ばしたかったが、ATKが低いからダメージにならないだろう
しかもここで問題を起こせば、何があるかわからない
とりあえずここを出て、酒場のおっちゃんの所に行こう
「早く行こう、優花、シャル」
「うん...」
「はいなのです...」
二人共ショックを受けているようだ
そりゃそうだろう
初対面の人に最弱コンビだの弱そうだの言われたら少し心が痛む
「今から酒場のおっちゃんのところに行ってもいいか?」
「え?い、いいけど...」
「カズマさん、なんで酒場のおじさんの所なのですか?」
「この国に関する冒険者情報は、おっちゃんがだいたい知ってるだろう。Lv上げに効率のいい場所とか知ってるかもしれないしな。気分転換にもいいだろ」
「なるほど...わかったわ」
「りょーかいなのです!」
「それに、今後のことも考えたいしな」
少し気が紛れただろうか
様々な思いを募らせながら俺達は酒場のおっちゃんの所に向かった