表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
笑ったキミに××される  作者: 赤トサカ
2/2

ワラッテトンデ

ご指摘あればよろしくお願いします


車に跳ね飛ばされ、記憶の中のキミに××されて、どうも僕の人生はどこかで間違ってしまったようだ。


「なんで起きないの?起きてよー、学校だよ?」

耳に馴染んでいたキミの声がする

だけど、だからって素直に起きれていたらこんな僕になっていない。それに今日は学校に行かないと決めていたのだ。とある用事があるから…


「早く~!つまらないよ~!」


そんな思いは知りもせず、声の主は自己主張を加速させていく

キミはいつもそうだ。そんな柔らかな笑顔で言われたら、何も言い返せないじゃないか。


「早く~!」

「わかったよ、わかったから…。キミは僕の母さんかなんかかい?」


にひひ、とまんざらでも無さそうな顔で笑うキミ。やめてくれ、そんなつもりで言ったんじゃないんだ。第一僕は母さんを知らないのだから


2日程前から僕の前に現れたキミ。なぜ、キミがいるのか。キミは一体なんなのか。何度聞いても分からない。彼女自身も詳しいことはチンプンカンプンらしい。

ただ、一つだけ言えることがある。それは、彼女はこの世のものじゃないということだ。

だから、彼女が僕を××してもこの世の理を無視することになるらしく世界は殺される前に時間を戻すようだ。これだけ聞くと、チート能力手にしてきらめく人生スタートか?とも受け取れるが、そんな上手い話ではない

主に二つの代償がある

一つは記憶の削除。今は誰にでもある物忘れ程度だが、それでも確実にキミに纏わる記憶から消え始めている

二つ目は魂の昇華だ。魂がどうやらこちらの世界に留まれなくなる、つまり少しずつ死んでいくらしい

これは、キミに聞いたら素直に答えてくれた。「一緒になれるね!」という素敵な笑顔と共に。


そしてこの現象にはもう一つ大きな欠点がある。それは時間指定が出来ないことだ。確かにキミに××される前には戻れるが何時に戻るかは分からない。もしかしたら、戻らないかもしれないし何ヶ月も戻るかもしれない

これは、実験的に二度程死ぬことで発覚した。一度目は3日前、二回目は数十秒の差しか生まれなかった。そしてもう一つ、その時にわかったことなのだが、僕もキミも時を遡っても記憶は継続しているといくことだ。

まぁ、僕にしか見えない、触れられないキミが現れた以外を除けばいつも通りの毎日だ。



「あ・さ・ご・は・ん~♪あ・さ・ご・は・ん~♪」

「キミもたべるのかよ…」

上機嫌なキミ

食費の心配をする僕

そんな日常な非日常を送る二人



「で、なんで学校いかないの?」

「そんなにお口をモグモグさせながら、喋らないの」いや、可愛いけどさ

「ねぇ~、なんで???」

しっかりとモグモグを飲み込んだキミが再度聞いてくる

「キミが僕を××したおかげでこの日まで戻ってしまったからね」

「えへへ~」

悪びれもせず、何故か照れくさそうに君は笑う

とにかく、今日は用事があるのだ

正直そこまで重要に感じない用事だが、周囲からの目もあるしな…

「じゃあ、今日は墓参りだ。」

聞いたことも見たこともない僕の親の。


支度をしてドアを開けるとテンプレかよ!と突っ込みたくなるような夏の風景が広がっていた。

青い空、むわっとする暑さ。これでもかと照りつける太陽に必死に自己を主張する蝉。

そういえば蝉は知っているのだろうか?

自分達が一週間そこらの命であることを。死んだ蝉を待ちかまえるように蟻の巣が木の根元に集中していること。

次の世代の為に鳴いていること。

知っているのだろうか?


キミと僕

何故こうなってしまったのか、何故あんなことが起きてしまったのかも知らないでいるのに



墓に着いた僕はいつも通りにして墓を綺麗にした。そのまま手を合わせる。『親が何かも分からないのに』

ふと隣を見るとキミも手を合わせている

律儀だなぁ、キミガコウナッタノモコイツラノセイナノニ。

頭にすっとよぎる自分の知らない自分の思い

あんなこと?何があった?僕はもしかして両親を知ってる?

いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。


知らない、知らない、知らない。

ヤメテ、ワカラなぃ、シらナインだよ?僕は?

何かを忘れてる?記憶がない?いや、俺は知らない。

知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない









シッテルクセニ…











『キみは知ッテルの?』

『知ってるよ』

そっと指が首をつつむ。その細い指が僕の気道を使用不能にするまでにそう時間はかからなかった。

「グエッッッ…、う゛ぁあぃい…」

ただ、口から音だけが漏れる


ただ、苦しさよりも僕は快感に溺れていた

考えなければいけないことも、思い出さなければいけないことも無くなって白くなる頭の中

「き、気持ちぃぃぃぃぃぃ…」

次は何がおきる?目覚めた僕は何になる?何をおこす?キミを連れて何を成す?

最近、深づめ気味です。

この作品は誰か読んでくれてるのでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ