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東風と太陽~神話?はこうして創られる~  作者: 三神 凜緒
第二章 白妙(しろたへ)のネコは気位が高い
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太陽さんの晴れ舞台1

太「自分の過去の話ほど、恥ずかしい程モノは無いな…」

伝「まあ~そうだよね? でも、小説の主人公で過去話がない人っていないんじゃない?」

太「まあそうですよね~、ある意味公開処刑のようだ…」

伝「それも主人公の宿命なのか…!」

太「となると…いずれコチさんも同じ目に遭うのか~」

伝「彼なら第一話でもうされたでしょ?」

太「ああ~~! そうだった~! つまり今回のはその伏線回収もあったのか…!」

人が記憶できる年齢というのは、何歳からなんだろう? ボクは…多分五歳ぐらいから記憶が残ってると思う。


最初に目にしたのは、赤い天井だった。


その一年後に目にしていたのも、同じ天井だった。


その五年後に見ていたのも…同じモノだった。


その後も…その後も…同じ薄暗い赤の天井だった…


『今日も…熱いな…いや……これは、ボク自身が熱いのかな?』


寝ぼけながら指先を伸ばし、天井に向かって何かを掴む動作を繰り返していく……


苦しくも、果てが分からない苦痛。それを理由も分からず受け続けている。


それがボクの当たり前であり、不安も不満もなく、ただ何も考えずに天井を見るだけだった。


毎日体から溢れる何かに翻弄され、悶え苦しみ…何か求め探していた。


それがボクには普通の事なのに、ボクに向けられる視線が…感情が…せつなかった。


ただベッドの上で悶えているだけで、苦しいだけで…それが『不幸』だとは限らないのに…


だけど、それを責めても、否定してもダメだ…


それが、人が抱く同情心であり、暗黙の了解であるのならば・・・!


「皆さん、一つ提案があるのですがよろしいですか?」

「………うん?」


「猫たちと一緒に遊ぶイベントを開始しませんか?」

「猫たちと遊べるのであるか!!」

「どわっ~~!?」


こちらに詰め寄り、真剣な眼差しで、絶叫してくる猫耳のおじさん…おいおい…(-_-;)

暑苦しくてちょっとビビっちゃったが…負けちゃだめだ…うん…すんごい反応だ~


「もっ…もちろん…条件はあります! それを飲んでくれないと~さすがに仲介するのは無理です」

「仲介だと!? お主は猫たちと交渉する事が出来るのか!?」

「いや~ボクじゃなくて、それはアデリナさんに任せようかなとは思いますが…多分、ボクの提案通りにすれば、上手くいく筈です」

「うぉぉぉぉ!! ついに…!我々の悲願が達成される日が来るのか!!」


おおぉ…この猫耳のおじさん達の過去に一体何があったんだろう~?

感涙して、抱き合うむさ苦しいおじさん達の姿って…姿って…ねえ~?


「なあ…ここって大人たちの社交場の酒場と呼ばれている場所だよね?」

「そうらしいですけど~アルコールは動物には毒だからと、置いていないらしいですよ?」

「へえ~~そうなんだ~~へえ~~~」

「……‥‥‥」

「……‥‥‥」


しばしの間、何もない虚無の時間が過ぎていく…が、涙腺から溢れる物がなくなったのか、真っ赤になった目を擦りながら、こちらに詰め寄り、涙で濡れた両手で手を握り締めて来た。


「ありがとう! ありがとう!」

「いや~それはイイのですが…ボクの言った事…ちゃんと全部聴いていましたか?」

「いや~ほんとに嬉しいよ~~!!」

「じょ・お・け・ん・が・あ・り・ま・す! 聞いていますか!!」

「おおっ…もちろんだ…続けてくれ…」


感涙でむせび泣くのは構わないけど、こんなすぐに感動してくれるとは…

そんな様子をやや不安そうに眺めているのは、隣の伝ちゃん(作者の脳内)~じゃなくて、ソフィアさんが心配そうに、肘を小突いてくる。


「そんな約束して大丈夫なの~?」

「大丈夫ですよ…多分…どの道、交渉を任せられたのはボクなので、何とかしてみます」


どの道、この交渉はボクに任されているのだ。であれば…どのような結論を導くにしても、その権限はボクにあるし、それで失敗しても報酬が貰えないだけの話。

そして、大好物の甘い物も買えないだけの…だけの…話なのだ! うんっ!!

それ以外は…それ以外に懸念すべき事は無い筈である…!


「本当に大丈夫なの? 何かジト汗なのか、冷汗なのか分からないモノを流してるわよ?」

「大丈夫です。大丈夫…もしも失敗してもチロさんは怒らない筈だ…うんっ…」

「おう~~~(;’∀’) あの白い毛玉の蹴りで苦手意識が芽生えてしまったか~」


何だ…気づいたら猫耳姿のおじさん達に囲まれて、冷汗を流しながら蹲っていた。

いやいや…そんな不思議そうな顔で見ないでくださいな…

見てくれば何だろう…どこにでもいる、普通の運送業してる筋肉モリモリのおじさん達なのだが…何で頭の上に……


「ああ~ダメだ…そっちには目線を合わせないようにしよう…うん…うん…」

「早く本題にいきなさい」

「そうですね…えっとそれで、その条件なんですけど~」

「ごくり……はい…一体何でしょうか?」


固唾を飲んで見守るおじさんたちの視線、視線、視線。息を吐きながらゆっくりと立ち上がり、そしてゆっくりと言葉を吐いた。


「ここにいる人たち全員……外にいる白猫の飛び蹴りを受けて頂きます」

「「「えっ……!?」」」


いきなり訳の分からない条件で終わります~ 次はその解説になるかな?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 幼い時の記憶が、色つきという発想が楽しいです。飛び蹴りを受けたら、白猫と仲良くなれるの?参加したいです。つめ立てないでね。
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