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東風と太陽~神話?はこうして創られる~  作者: 三神 凜緒
第二章 白妙(しろたへ)のネコは気位が高い
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白妙の猫の正体…

太「この辺りの話って、わりと最初から設定されていましたよね?」

伝「そうなのよね~だから、ヨミとチロの絡みが現代ではなかったのよ」

太「なんだかんだで、この状況…お互いに只者じゃないですよね~」

伝「だからこそ、二人とも多くは語らないんでしょ?」

太「更新ももっと早くしてほしいものです…息してるんだか分かりませんもの」

実際、猫と追いかけっとしてみると分かるのだが、まず人間は猫に勝てない。

持久走だったら人間に勝てる生き物はいないと言われているが、瞬発力と小さな体を活かし、人の手から逃れるのは容易である。

その常識も結局は猫が飢えておらず元気で、罠にかかったりしない賢さがなければ意味がない…

つまり、現状では野良猫が人間に捕まる可能性というのは、わりと高かったりするのだ。


「私の呼びかけで出来るだけ沢山の猫を誘導したいところだが…」

「呼びかけないんですか?」

「呼びかけた所で、私一人で全員の食い扶持を稼げる訳じゃないからな…」


狩りが出来るとは言え、それでも一日で賄えるのはほんの数匹分。

人に捕まるから森へ逃げろと告げた所で、そこに行ってもエサが与えられる訳でもなく、飢えて死んでいくだけ。結局は人間の中から信頼出来る者を探しエサを貰う方が生存できるかも知れない……

裏通りを走り、人の気配を避けながら辿り着いた南の森。他に人間の気配がないのをやっと確認すると…ようやく人心地ついた。


「手詰まりなのかな…もう…私には何も出来ないのか…」

「姉御……大丈夫ですか?」


深い…深い森の中。一条の光も差し込まぬ場所。ここは人間が広葉樹林と呼ぶ場所らしい。

暗闇を好む小型生物や、草食動物が多く生息している…とアデリナは言っていたっけ?

私にとっては慣れ親しんだ狩場であり、人から隠れるにはもってこいである…という事だけ。

落ち着けば感じる空腹感…見上げれば小鳥たちがいつもと変わらず飛び回り、虫を探していた。


「ここ数日、まともなモノを食べてないからな…久しぶりにやってみるか…」

「やるって…狩りをですか?」

「何を当たり前の事を訊いている? あんたはそこで黙って観ていなさい…」


瞬発力が少し落ちたかなと感じる筋肉。出来る限り音を殺し、自然な動きで小鳥たちの死角へと入る。後ろでミルクは首を傾げているようだが、気に掛ける余裕もない。

近づけば、小鳥たちの声に耳をすませ、様子が変わっていないか注意しつつ、ソロリソロリと足を運ぶ。

普段から狩っていたせいか、小鳥たちはこちらが近づくと警戒音を出していたのだが、何故か今日はそんな様子もなく、皆で集まり何かを話しているようだ。


「こんな時期だというのに、警戒心のない奴らね…さて…」


こちらの跳躍力は、走れば3メートルは超える。だが、小鳥までの距離は高さにして5メートルは超えている。通常なら届かないが、三角飛びの要領で近づければ…

こういった相手の不意をつく距離の詰め方が、狩りの成功率を上げているのだが…

だが…いつもと何かが違う気がする。それが何かも分からず、飛び掛かる事が出来ない。


「姉御~? 何か躊躇っていませんか?」

「……何を言ってるの? 大丈夫よ…大丈夫…」


大丈夫…毎日のようにやってきた行為だ。狙うは群れから少しだけはぐれている一羽。

何故なら彼らも学習しているのか、こちらが飛び掛かりにくい場所に留まる事が多くなり、狩れる確率が低くなっていたから…だが、あそこにいるなら容易の筈…


「ふっ………!!」


短い息を吐き、音も無く飛び出す。最初は獲物の後ろの木へ飛び、そのまま爪を立てて更に上に。タイミングも飛距離もばっちり…それなのに…


「あっ……!?」

「えええっ!!?」


目測を誤ったのか、他の理由があったのか…前足は獲物の手前で空を切り、高さ5メートルから落下していく…

回転する視界を焦りながらも冷静に、足を地面へと向けるように半回転し、地面に着地。

落下の衝撃に歯を食いしばりながら、見上げればこちらの敵意を感じ飛び立つ小鳥たち…


「失敗~ですか? 姉御~~?」

「ええ…しくじったわ…普段はこんな事もなかったのに…」

小鳥たちの焦ったような小さな鳴き声が響く中、狩りの失敗に肩を落とす。

そりゃ、狩りに失敗した事がない訳じゃあない。それでもここ一年は失敗しなかったのに…


「肩を落としていても仕方ないか…次にいきましょう…」

「はい~~お腹すきましたね~」


とにかく…行こうと、二匹で別の鳥の群れを探しに離れようとした瞬間であった…

何か細長いモノが頭上を飛来し、飛び立っていた小鳥の一羽を射抜いた…!

そして感じる…強烈な気配が、街の方から走ってきている…! 

気配の大きさは…人間位だろうか? ゾワゾワと、毛が逆立つのを感じるほど、プレッシャー…何なんだ…こいつは…!?


「どうしたんですか~?」

「どんどん近づいて来ている…マズイ…早く隠れるわよ!」

「え!? え!? ちょっと~~待ってください~~」

「シッ…大きな声ださない」


ドタバタとした彼女と共に、茂みの中へと入り。息を殺して様子を窺う。

茂みに入ると中は小さな虫が足元を這っているのが分かる…あまりイイ気分ではないが、こっちが侵入者だし仕方ない…ああ、でも…体を這われるのはカンベン…

幸いまだここから遠い場所にいる…こちらの動きに気付かれてない筈…大丈夫…大丈夫だ…


「あっ…人間の臭いがしますね~」

「何を呑気な事を言っておるんだ…(-_-;)」

「て…………んんっ!!」


静かにしろ! と叫ぼうかと思ったが、そんな事を突っ込めないぐらい…目の前の人物が意外性のある人だった…だって、その人はパっと見ではただの色白の細身の女性で‥日焼けなどしている様子もなく、森の中を歩くには不釣り合いなぐらい綺麗なドレスで、茂みの奥から出て来たわりには木の葉の一枚もスカートに引っかからずに、まるで木々が彼女を避けてるような…そんな自然な動きで出て来た。


「あの人……人間なのかな?」

「一体、何を言ってるの?」

「いえ…あの雰囲気に、立ち居振る舞い…人と云うよりも…野性動物のよう…まるで…」


『まるで月夜の白狼』…という言葉が口から零れる…それぐらい不思議な感じの人だ。

その人物は投擲したモノの行方を目で追い、そこには小鳥の死骸と、小さなナイフが落ちていた。まるで猫のように足音も立てず近づき、ナイフを拾い、死骸へ一瞥すると、左右に首を回し、何かを探しているようだ…


「そういえば…どうしてあの人から隠れているんですか?」

「あんた…本気で言ってるの? 今の状況じゃ人間全てが敵だと思った方が良いわよ? 例えエサを貰ったとしても、気を許せる相手じゃないわ」


何より彼女から感じる圧迫感…見つかったら助からない。こちらへ敵意があるか分からないが、近づくにはリスクがありすぎる…頼むから…早く遠くへいってくれ…!


「何か~こっちに妙な気配があったんだけどな~どこだろう? あれは多分…」


小鳥の死骸を拾い、用はもう終わっただろうにそれでも何かを探しているようだ。

何もないから早く行ってくれ! という、心の叫びを虚しく、風上にいる筈の我々の方へ視線を固定すると、ゆっくりとした足取りでこちらへ近づいてくる……


「ななななっ…気づかれてますよ…あれ…」

「まずいわね…野性の直感なのか…あんたは先に逃げなさい…」

「姉御…!?」

「私が前に出てオトリになるから…その間に後ろに向かって走りなさい。私一人なら逃げきれるけど…あんたがいたら逃げ切れる事も出来ないわ…邪魔なのよ…」

「…………」


ウソだ…と思われてはならない。淡々と口元を緩めながら笑いかける。

ミルクは言葉もなく、ただ涙を堪えながら頷き、私を置いて走る準備をする。


「イイ子ね…そのまま振り返るんじゃないわよ?」


出会ったばかりだが、この子には生き抜いて欲しい…そう願っている。まるで、あいつと出会った頃の感覚を思い出す。これも兄妹だからだろうか?

覚悟を決めて茂みから飛び出そうとした瞬間、あいつの不愛想な顔が脳裏をよぎる。

そして一言『力を貸すよ』と呟いていた。ああ……相変わらずあんたは…素直じゃないんだな…まったく…


「さて…いくよ!」

「はいっ!?」


これが最期になるのか…そう考えると、何か底知れぬ力が沸いていくのを感じる。

――――熱い…燃えるような魂の『力』だ… 

――――私のモノじゃない…だが、これを使えば何でも叶えられる…そう思えるような凄まじい『力だ』…


――生きなさい…――


それが自分の口から発した言葉なのか自信はなかった。ただ、その燃えるような衝動のまま茂みから前に飛び出し、目の前の…に向かっていく。

そして、力に目覚めたから理解出来る。同じ白でもあれは風だ…強く猛る、鋭い風だ。

目の前の人間も、こちらの気配に気づいたのか、腰に手を回し、剣の柄を掴んでいる。

そう…ナイフではなく、剣を使おうとしている。それだけ、こちらの存在を危険視してるのか…


「姉御…一体なにを!?」


後ろから聞こえるミルクの声を、引き剥がすように駆ける。そのまま逃げるのではなく、彼女の喉元へ牙を立てようと飛び掛かる…すると、相手もすぐさま反応し、刃をこちらへ向けて、牙を防ごうとする。

その程度の刃…溶かし、かみ砕いてやろうとそのまま噛みつくが……噛み砕けない!


(何だ、これは…!? 刃の周りを何かが覆っている?)


風のベールか…何かが刀身を護り、こちらの熱を冷ましていく…これは…一体何だ?

訳も分からず、このままでは捕まると、伸ばされた手を後ろ脚で蹴り、地面に着地する。

これは彼女の力なのか…籠っていた力が風によって冷まされ、思考も冷え込んでいく。


「凄い力……火の神の力を貰ってるみたいね…アタシと同じ…」

「あんた…一体何者?」

「アタシ? アタシはただの巫女よ……あなたと同じね…?」

「巫女? あんたは一体…何を……?」


どうやれば定期的に更新できるのか誰か教えて欲しい~!

ネタもあって、やる気もあっても、頭が動かない時が多い…気もする。

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― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱり、すばらしい文才。今回は、戦いや狩の描写もあり、動きのある表現がとてもきれいに出ていました。 やっぱ、もったいないです。埋もれないでください。
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