白妙の猫の焦燥 (完成版)
太「準備中 準備中~」
伝「今回は試験的にセリフと描写に1行あけてみました~どっちがイイかな?」
太「それよりも、本文がまだ半分だぞっ!?」
伝「仕方ないでしょ? この作者が何か試験的にこれでもいいかと思ってるみたいよ?」
太「試験的…便利な言葉だな~(;^ω^)」
伝「あっ…続きアップされましたね~よかったよかった」
太「作者が今も必死に書いてるからね~次の前書きは元に戻りますよ~」
――――他種族との交流と交渉というのは、互いの利害が一致してる場合によってのみ続けられる…という現実がある。
猫たちがネズミの駆逐し森に捨てるのを続けながら、人間が町を清潔にしていく。それによって、互いに病気を避けようという行動。
それは途中までは上手くいっていたと思う…だが、それはほんのひととき…つかの間の関係だったのかも知れない…とは信じたくない…――――
その日も私は街の裏道を見回り、清潔状態とか、困った猫がいないか確認していた。
普段ならやせ細った猫たちが道端に転がり、ゴミからエサを探り、汚れた姿でウロウロしていたが…
「すっかりこの辺りも変わったわね……それこそ、心持一つでどうとでも街は変わるという事か…」
……それが人間たちの努力によってなくなり、裏通りも綺麗になっていった。
そもそも裏通りが汚れる原因となってる家庭ごみを放置せずに一か所にまとめて処分すればイイ‥‥のだが、それをここまでスピーディーに出来るとは…この街が一枚岩の証拠なのかも知れない…
強力な指導者でも現れたような、不思議な感覚が伴っている…
「でも可笑しいわよね…最近、猫の姿自体を見ない……どうしたのかしら…?」
足裏に感じる砂利の感触。風邪はなく、少しだけ感じる嗅ぎ慣れた生臭い臭いに閉口する。
猫たちは生きる為にその中に顔を突っ込んでいたんだけど、随分と時代が変わった…
「ゴミがなくなってもまだ臭いが残ってるのか…壁や地面に染みついてるのね…」
最近、流行り病で元気をなくし、飢えて死んでしまった猫たちはいた…が、その猫たちの姿も見ない……嫌な予感がずっとしていた。
神経質に尻尾が揺らしながら、耳を澄ませ猫の気配を探ると、いるのはどこも建物の中にいる飼い猫だけ。野良猫の気配がしない……
「どうしてかしら…私の知る限り、病気になっても人間に捕まらずに生きていた猫たちが一匹…また一匹と、元気になってる筈なのに…」
数日前の話だ…そう、数日前の事…それが一体どうしたっていうんだ…!
何があったのか分からず、私はあてもなく彷徨っていた。
ただ、ちょっとした予感はあったんだ…昨日エサを運んできたアデリナの様子がちょっとおかしかったのだ…何か言いたそうで、それでもこちらに言えないような雰囲気が…
「病院にいってみるか……もしかしたら、手掛かりがあるかも…」
どの道協力体制を敷いている人間側は彼女たちだけだ。情報を探る方法結局それしかない…
その日、気づけば私は飲まず食わずで、街を歩き回っていた。普段なら絶対にしないような行動だが…一体何を焦っているんだろう?
ふと……脳裏をよぎるのは、にくったらしいキザな黒猫の姿。
あいつの姿を見なくなってもう何日になるんだ……?
「まったく…あいつもフラフラしちゃって…どこにいったのよ~~!」
誰も目撃情報がなく。鼻を効かせて彼の匂いを探り、南街を歩いても見つからない。
病院にいけば、もしかしたら…この異変の原因が分かる事も多いかもなのに…言い訳をしてこちらを優先していた…
「らしくないわね…もう…病院いってみましょう…」
何が自分らしいのか…そんな事も決めずに、何かを振り切るように病院へと歩を進める。
最初はゆっくりと、徐々に駆け足に…
「ここまで悩ませて…今度会ったら覚えていなさいよ~!!」
人目のつかない路地裏をメインに走っていたら…時々美味しそうな匂いが鼻をくすぐる。
それに涎を垂らしそうになって匂いの元を探ると…そこには何か動物を狙ったような捕獲用の罠があった…それに…捕まっている……黒猫が……!?
その毛艶…背丈、尻尾の長さに雰囲気…どれをとっても…探し猫と同じだよ~~
「あんたっ! まさか捕まっちゃったのかいっ!」
「ふにゃっ…!? 誰ですかぅ~~ううぅぅぅ…」
しかし…その口から発せられた声は似ても似つかない…が、というか…メスかこいつ!
振り向かれると分かる骨格の違い…似てると思ったのは空腹と疲労が産んだ幻影か…
「私も落ち目かな~? もう…いや…こんな醜態さらすのもアイツのせいだ~~! ああっ~~!!」
面倒な事はもうイヤと、檻から離れて歩こうとしたら…何か檻が激しく鳴り響いていく…
「何を訳の分からない事を言ってるんですかっ~~~!
「いや、猫違いだったから立ち去ろうかと…」
「そんな殺生なっ~~!!」
何か鉄柵につかまり、必死にこっちに訴えかける姿は……うん、彼とは真逆な感じだ。
彼は死を恐れない…死を達観として、受け入れる覚悟がいつもあった…
「しょうがないわね~? えっと…この部分が扉だから、この紐を引っ張れば…扉が開きそうね…」
多分、人間たちが回収用に作ったギミックであろう。ヒモをくわえて引っ張り上げると、扉が開き、中から情けない顔をした黒猫が近づき、頬を摺り寄せてくる…
「ありがとう~! 姉御~~!!」
「ええいっ! 鬱陶しい~~! 離れんかっ~~~~!!」
何なんだ…この黒猫は…彼に似てると思ったのは見た目だけで、中身はほんと別物じゃないか~~~!!
何度も何度も飽きる事なく顔をこすりつけて…匂いをこちらに刷り込もうとする猫の本能。
こちらが少し睨めば、たじろぐかと思えば顎を地面にこすりつけ、上目遣いでこちらを見て媚びを売り始める…
その全力でこちらのご機嫌を窺う姿に、怒気はやがて鳴りを静め、ただただため息が零れる。
「まあ…いいか…それにしても、何だって私が姉御 なのよ? 前にどっかであった事あったっけ?」
「ええっ…!? そんなヒドイです~~森の演説で姉御を見ていたんですよっ~!!」
「演説? ああ…皆にこれからの方針を伝える時のアレね……そんなに感動した?」
あの時はもう……恥ずかしいやら、ヤケクソやらで、とにかく思いつくままに言葉を連ねたっけか…あれでこんなファンが増えるなんて…予想外だ…
「やれやれ…うんぅ? この音は………走るわよっ」
「あっ…姉御~~~! どこにいくんですか~」
「敵意を持った人間の気配よ…多分、この罠の点検の為に来たんでしょうね…ほら、急がないと捕まっちゃうわよ?」
「それは勘弁です~~~!」
こちらが人間の足音とは逆の方へと駆けていくと、後ろから情けない声をあげながら必死についてくる気配を感じる。
この子…こんなノンビリ屋で本当に野良の猫なのかしら? 身なりを見るに少し薄汚れて、肉付きも良くない…飼い猫ならもっと肉付きがイイと思うから…多分、違うと思うんだけど…
「あなた……野良猫よね?」
「そうですけど~~実は……少し前まで飼い猫でした…」
「あら……そうなの?」
意外な言葉に足を止めそうになりつつも、歩を進め。後ろから人間の気配がしないか気を配る。
今は薄汚れているけど、元々は綺麗な黒い毛だったのかな? ちょっと甘えん坊で頼りない雰囲気だが、それがどこか育ちの良さを感じる…まるで世間知らずのお嬢さんみたいな…
「はい~今回の流行り病が起こる前までは、家でヌクヌクと暮らしていたのですが~、猫が感染源になるかもって噂が立ったら…ご主人様に捨てられてしまいました~」
「そういうケースもあるのか……やれやれ…どこも世知辛いわね……」
てっきり、飼い猫は全部飼い主に殺処分されるか、隠されるかのどっちかだと思ったのに…そういうケースもあるんだな…だが…殺さなかったのはある種の慈悲なのだろうか?
とはいえ…不憫なモノだ…通りでこんな分かりやすい罠に引っかかる訳か…
「アッシは一人じゃエサをとれなくて、アデリナさんがくれるエサを逃したら、何も食べるものがないんですよ~~(´;ω;`) だから…だから…助けてください~~!」
「仕方ない子ね…分かったわ。ついてきなさい…」
「はいっ~~!!」
お嬢様の子守りなんてお荷物以外の何物でもないけど、今の猫たちを率いているのは自分。こういう子も全部引き受けて、助けないと…多分、私は私を認めない…
ふと……そんな世話しなきゃいけない感覚が、何故か彼の事を彷彿とさせる…
「二匹揃って、似た者どうしなのかな? 黒猫は世話ばかり焼かせて…」
「ん? 一体なんの話ですか~~」
「ううん…知り合いにあなたにそっくりな猫がいるな~って思っただけ…」
まだ彼には会えてないけど、それでも彼女と一緒にいて少しだけ心が和んでいる…
って…この子は飼い猫だったのよね? だったら…人間たちから名前とか付けられてるのかな?
「あなた……名前は?」
「あっ…はい~…えっと、ミルクって元ご主人様につけられました~」
「黒猫なのに…ミルクなの?」
珍しいセンスをしてる飼い主ね~ そもそも猫は単独行動を基本としていて、野良は名前を付ける意味がなく、名前自体がなかったりするんだけど…これが人間の普通なのかな?
「えっと…何か理由は知らないんですが…さかしまな名前はその者の真名を隠す意味があるとか…昔の考え方らしいですけど…」
「真名を隠す?」
情けない声とは裏腹な、知的な感じにびっくりしながら先を促す。
人間の気配は完全になくなり、他の猫もいない場所で、私は立ち止まり、彼女に向き直ると、そこには薄汚れたお嬢様がいた…その雰囲気はまさに…彼にそっくりだった……
「真名は己の心と魂を映し出すモノ。それを他者に知られるのは、魂を丸裸にされてるようなもの。だから、アッシにもさかしまな名前をつける~とか、言ってました…」
「あなたは…まさか……一つ訊きたいんだけど…あなたに兄弟とかいないかな?」
それはちょっとした予感だった…そこに根拠などなく、何かを手繰りよせるように、彼女に眼差しを向けると…彼女は意外な顔をしてから、少し目線を横にずらし、何か伝えにく事があるように…それでも、そっと口を開いた。
「兄弟ですか…えっと…少し前に行方不明になった兄ならいますけど…それがどうかしたんですか?」
「いえ……何でもないわ…それじゃ急ぎましょう…アデリナに会えば、ゴハンも貰えるはずよ♪」
「アデリナさんですか~♪ やった~~早くいきましょう~!!」
他人の空似なのか、それとも全くの他人か。ただ何となく、彼女と彼が関係あると、何故かホッとしている。
らしくない…らしくない自分がいる。まるで、彼の幻影を追いかけてるみたいで、こんな気持ち周りには悟られる訳にはいかない。だって…恥ずかしいもの…
早いとこアデリナの所に行って、さっきの罠の事を含めて、猫の姿が見えなくなった原因を訊きにいこう…うん…!!
今回は二段階構成で小説をアプしてみました~
とにかく頭がすっきりと動くまで待っていたらずっとアップできずに焦ってやってみましたが…どうでしょうかね?




