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東風と太陽~神話?はこうして創られる~  作者: 三神 凜緒
第二章 白妙(しろたへ)のネコは気位が高い
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白妙の猫がただ物思ふ事

火「今回はオール過去話だな…」

太「一応、大事な部分ですもんね~」

火「それでも無理やり登場しようとする太陽の根性が凄い…」

太「いや、だってね…面白いんだもん!」

火「どんなにシリアスでも突っ込んでくるからな…こいつは…未来では覚えておいで?」

太「ははは…怖いな…」

伝「そう言いながら、結構楽しんでるわね?」



ドタバタと表では人の出入りが激しい病院だが、裏口はとても静かなようだった。

まあ、裏口ではゴミの排出以外に必要なモノは無いようで、下働きの看護師たちしかいないようだった…

「あなたの名前は何なのかな?」

――――野良猫に名前なんてある訳ないだろ? 特に必要でもないしね…

「人間と感覚が違うのかな? 人間で名前がないのは奴隷とか連想しちゃうね…なはははは…」

いきなりまあ…ズケズケと失礼な事を言ってくれる看護師だ…常識がないのかな?

「ああ~~~あ…って、猫が喋ってる幻聴が聞こえるなんて、私も疲れてるのかな?」

いや…どうやら、疲労でやや可笑しくなってるだけなのかも知れない…

「ごめんね…最近、猫の殺処分が続いて鬱な状態なのよね…あなたの声が聞こえるように感じたのはきっと、それが理由なのかもね…」

――――そうなのね…なら、安心しなさいな…私がここに来たのは病気の原因を探りに来たの…あなたはその理由を知っているかしら?

一人と一匹、疲れ果てて幻聴が聞こえている人間の女性と、凛とした気品溢れる白妙の猫。

両者の他にここには誰もいなかった。ただ薄暗い路地の闇が支配していたが、その闇の中でも猫の姿はとても美しく際立っていた…と女性は感じていた。

だからだろうか…ただ何も考えずに聞かれた事を淡々と語りだしたのだ…

「どうにも北からの物資に紛れ込んでいた、ネズミが原因みたいね…そのネズミに巣食っていた病原菌自体は人間には無害らしいけど、猫には猛毒たったらしくてね…それで、そのネズミを食べた猫の中で変異を繰り返したら、人間にも感染しだしたみたい…」

――――ネズミか…そういえば、私は食べなかったわね…好みじゃなくて…

基本的に果実か、鶏肉が好きなのだ…私は…と説明すると、女性はとてもびっくりした顔でこちらを見ていた…

「ネズミ駆除の動物がネズミを食べないって…何の為にいるのよ!」

――――それは人間側の都合でしょ? 私はグルメなんだからネズミなんて食べないのよ~

――――

『なるほど! 通りでここまでネズミを食べる描写が無いわけだ!』

いや、別にそういう訳じゃないのだが…うん…お願いだから太陽さんここで突っ込まないで…汗

『こういうツッコミも面白いかなと…汗 怒らないでくださいよ~はい…判りました~』

そういう需要もありそうだから、怖い……

――――


その女性の重い口調はまるで懺悔してるように感じたのは私だけだろうか?


――――要は、あなたたちの都合で他所から病気を持ち込んで、そのとばっちりを他の動物たちが食らってるって事でしょ? 簡単な話ね…

とりあえず原因は見つかった。となると、これ以上の被害を止める為にもネズミには近づかないのが一番なのか…だが、猫がネズミを捕食しないと町中がネズミで溢れそうだな…

――――いや…すでに遅いか…猫が殺処分されているならネズミが相対的に増えているんじゃないか?

「………そうなのよね…だから実際、特効薬が作られただけじゃ意味がないのよ…」

面倒な話になったものだ…どちらに転んでも碌な未来が待っていないな…

実際…ただの猫である自分にどれほどの事が出来るだろうか? 仲間たちにどういえばイイのか…その特効薬というのは猫の分も確保されているのだろうか?

「不思議な猫ね…いや、私の都合のイイ幻聴だからかな?」

――――なんの話?

「どうして……怒ったり、憎んだり…しないの? 人間の都合で自分たちの仲間が殺されているのに…どうして?」

何やらアホな事を訊ねる奴だなと呆れると、ため息を吐きながら呟いてあげた…

――――それをするのは私たち猫じゃないでしょ?

「どうしてですか?」

――――人を憎むのはいつだって人だけよ。身勝手な人間のせいで憎むなんて慈善事業して、自分を歪める趣味や暇は、その日生きる事に精一杯な野良猫にはないわ…

「…………」

――――だから、人を憎んで欲しいのであれば、当事者である人同士でしなさい。本当の意味で罰する事が出来るのはいつだって、自分だけよ…

強い眼差しで彼女を見つめ続ける。疲弊した様子の彼女は俯きながら、小さく「そうだよね…」とつぶやきながら、何かを考えていた。

「あなたなら……何か出来るんじゃないかな? ただの猫とは思えないあなたなら…」

――――下らない考え…でもないのか…でもイイの? ただの猫にそんな期待して?

「一度、先生に会ってくれませんか? 憎まなくてもイイ…ただ、力になってくれませんか? 上手くいけば、残っている猫たちへ特効薬を摂取させる事も出来るかも知れません」

――――具体案でもあるの?

「あなたが猫たちのリーダーになって、私たちと同じような社会体制を作れば…あるいは…!」

個人主義の猫たちに何を期待しているんだ…こいつは…はあ~~~本当に厄介事の連続だ…


自分で自分の事を虚弱体質だなと思う事が多いが、最近卵とニンニク食べてガッツで頑張っております!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 猫を食べる描写、寒すずめじゃあるまいし、頭からがぶりですか?今回はとてもすらすら読めました。少しはファンタジー慣れてきたかな。だと嬉しいんだけど。
2019/11/22 15:47 退会済み
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