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東風と太陽~神話?はこうして創られる~  作者: 三神 凜緒
第二章 白妙(しろたへ)のネコは気位が高い
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白猫は探り、敬まわれる…

太「ボクってさ…病院嫌いなんだよね」

伝「そりゃ…好きな人はあまりいないと思うが…」

巫「棺桶で来ると楽しめるから、私は好きだけど~」

伝「あんたは本当に悪戯っ子ね~もう~」

太「薬の臭いが苦手なんですよね~ほんと…鼻が無駄に良くて…」

火「……その中で生活してる私はどうするのよ?」


薄汚れた南街から、北街へと足を延ばす。

陸の港がある北街は様々な人や物が行き交う賑わった場所だった。

私は大通りを眺める事が出来る路地裏からそっと様子を窺う…

そこでは、普段と変わらず人の波が見えるが…様子が可笑しい。

誰も彼もが落ち込んだ様子。口元を隠し、誰とも肩も触れさせずに足早に…何か見えないモノに怯えてるような、不思議な様子だった…

「これは……北の方でもまさか…?」

音もなく大通りから立ち去り、今度は鼻を効かせ猫たちの臭いを追いかけてみた。

南街なら人目のつかない路地裏、ゴミ捨て場などに猫がいると思ったのだが…

北街ではそもそも、野良猫の数自体が少ない…と云うよりも、猫自体が少ない…ような?

「おかしいな…噂では北には飼い猫が多くて皆裕福だと聞いたのだが…」

家の中にまでは入り込む訳にはいかず、話を訊くべき猫もいない…

ただ…人間の様子と、猫の姿が見えない事…これが示す事と云えば…



もうこれ以上の情報は得られないかと帰ろうかと思ったら、とある白い大きな建物に人が沢山集まってるのを見掛けた。

それが楽しい集まりには見えないのは、彼らの表情を見れば明らかだった…

ただ、そこから出ていく人間は…少しだけ表情が晴れやかな事に気づく…

「もしかして…あそこなら…?」

きょろきょろと周りを見回し、潜入口がないか探すが…表には何故か開いてる窓もない…

何かを恐れて締め切っているのだろうか…と考えるぐらいだった…

どこかに開いてる場所はないかと建物を回っていると、その内路地裏へと周り…

ただ路地裏と言っても清潔感があり、ゴミなどもあったが猫やカラスが漁ってる様子もなかった…

漁られてないのは、恐らくゴミから食べ物の臭いがなかったのが理由だろうが、清潔なのはここの住人の倫理観がしっかりしてるからだろう…

「少し足を延ばしただけで、まるで別世界ね…何故これほど違いがあるんだ…?」

人の価値観や、事情というモノには疎いが、観察すればする程、虚しくなっていく…

――――――――

――――

「はあ~~~~」

「あああ~~~~~!! 疲れた~~~!」

とぼとぼと力なく歩いていると、白い建物のドアが開く音が響き、誰かが出来て来た。

ぎょっとしながら見上げると、そいつは白衣を着た女性だった…

少しだけ物思いに耽っており、普段なら気づく筈の人間の気配に気づかないとは…失態

「ふう~~~、患者さんたちが多すぎて…疲れが…って‥‥ああああ~~~!!」

そして、すぐに見つかってしまう…。

時が止まったように、互いに見つめ合いじっとしていたら……


――――お久しぶりです、太陽で~す。これが恋って奴ですか~? はははは…

(やかましい! いきなりやってきて、何を訳の分からん事を!)

――――いや~~、未来でいきなり飛び蹴りかまされたから、隙あらば茶々を入れようかと…♪ それじゃ、またね~~♪

(何なんだこいつは…!!)


訳の分からない描写を挟まれるぐらい、互いに見つめ合っていると、その人間の女は捕まえようともせずに、何故か目を丸くしながら指さししてきて…

「猫がいる!! それも元気の良さそうな猫が……珍しい!!」

珍しいとは失敬な奴だな…と思いながらも、とりあえず危険な気配はないのでもうしばらく見つめていたら…

「何で? 何で? 何で? この街の猫たちって疫病で粗方処分されたはずじゃ? まだ元気な猫がいるのね~」

――――うん? 処分だと…それは一体どういう意味だ?

自分でも脅してる訳でもないと思うが、少しだけ声に凄味を帯びてるような気がした…

「えっと~私も詳しくは分からないんだけど、北から船に乗って運ばれた病原菌が猫に感染しやすかったらしくて、猫を中間宿主にして他の生き物にも感染するとか先生が…って、猫が喋ってる!?」

――――詳しく話してくれないか?



――――

――――――――

怪我から復帰し、先程まで死にかけていたのがウソのように元気にベッドから立ち上がった二人は、拾って貰ったこちらに対して何度もお礼を言ってくれていた。

それをいつもの事と軽く受け流しながら、コチさんは出発の準備をヨミさんとしていた。

ただ船が事故った原因を問いてみたら、荷物が前に積み込んでいた果物などの食物を降ろしたら、舵取りが上手くいかなかったと言っていた。

そこを助けて貰った事に関してはお礼を言っていたのだが……

「ああ~~~ やはり、荷物は回収出来ませんでしたか…」

「家の船は小型だしな。怪我人を二人も積んだらギリギリだったんだ…それに早く治療しなくちゃいけなかったから、集める暇もなかった」

そう淡々と事実を述べるコチさんに、その人も肩を落としながらも納得はしてくれていた。

「そうだ…俺の名前ですが…ハバロっていいます…」

「そうか…やっと名前を言えたな…うんうん」

「うん?」

「いや~~、登場したのはずっと前なのに名乗るタイミングが全然なくてさ…焦った焦った~」

おいおいおい…この風神様は…何を言ってるんだ!? それ心配していたのはもっと別の奴じゃなかったか?

などというボケに突っ込んでくれる人がこの場にいる訳もなく、ハバロさんは目を点にした状態でコチさんを見つめるだけであった。

「そちらの子は…あなたの子供ですか?」

とりあえず、場の空気が変な風に硬直したので話を逸らす為にボクが横から声をかけた。

「ああ…はい…長期で家を空けるんで連れて行ってるんです…名前はウリです」

「初めまして!」

うん…男の子か女の子か実はずっと分からなかったが、この声はどうやら男の子らしい…

軽く「よろしくね」と頭を撫でてから、ハバロさんはお礼をすると言っていたのだが、コチさんはそれよりも、まずは荷物の回収をしてきたら? と勧めた。

そもそもコチさんは本来なら、すでに別行動をとって蜘蛛を探している筈だったので、やや焦っているのかも知れない…

だから急いでいる事をそれとなく知らせると、コチさんはヨミさんを連れて夜の森へと入っていく…



――――あいつも忙しい奴ね…どこに向かったの?

「南にある森に向かったわ…仕事で蜘蛛を探しに行ってるの」

――――南の? ああ…あそこは昔からよく行ってるから…暇だったら案内もしてあげたんだけど…ね。そうなの…はあ~~~

「うん?」

南の森…という単語に妙な反応を示す白猫のチロさん…

「しかし~~~~ううう~~~~ん!!」

おおおお…猫に、「さん」付けをする日が来ようとは…複雑だ~~~!!

別に人間が上位だと思ってた訳でもないのに、猫にこうやって畏まる時が来るとは…価値観が崩壊しそうだ…(*_*;)

――――何を悶絶してるの? 一体……

気づいたら、チロさん以上に自分が変なポーズをしている事に気づいた…

その様子を後ろでソフィアさんが腹を抱えて笑っている……

「あなたって、本当に細かい事に悩むのね…甘い物が絡めば悩まないのに~」

「もう~~~いいじゃないですか!!」

病院の廊下で騒ぎは、通りがかった先生に注意されるまで続いていた…


本編が茶番やら説明で進まない!! 怪我人の二人ももう少し長く書くべきだったか…だが書いたら長い…汗

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