表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東風と太陽~神話?はこうして創られる~  作者: 三神 凜緒
第一章 太陽さんの長い一日
15/72

こちら、昨夜の火災現場に戻ります。

伝「あっ、彼はやっぱりここで神の力を使ったんだ」

巫「格上の神の暴走を鎮めたから、一発でダウンしたけどね」

伝「本当に時々しか格好よく見えないわね」

巫「口では何だかんだ言って、最後は逃げずに闘うんだよね。えらいよね~~」

太「―――それで、彼の株が上がるんですか? 確かにまあ、彼は影で努力と苦労をする人ですけど」

炎に包まれ、焼け落ちる館。ヨミと二人、生存者を捜して中に入った。

火元と思われる場所から二つの気配と殺気。

そこに向かってみれば、そこは真の灼熱。

白い……白い炎が目の前にある。熱を遮断している筈なのに、焼けるように体中が熱い。

その白い炎の中、誰かがいる。空中に浮くように気を失っている女性の姿。


「これは……一体、どうなっている?」

俺の肩越しに部屋を覗きこみ絶句するヨミ。

「力の制御が出来ないだけか、戦闘中にプッツンしてこうなったかどちらにしても、放っておく訳にはいかない。何とか鎮めよう」

持っている弓をヨミに手渡すと、深呼吸を一つ。持っている神具では役に立たない。


怒れる神を鎮める行為。相手がいなくなっても殺気はまだ感じる。徐々に白い炎がこちらに迫って来ている。

完全に、出力で負けているんだ。俺は瞼を閉じると、意識をこの世界の裏側、星々の遥か向こうへと飛ばす。

底は何もない真っ白な世界。

そこですでに顔見知りとなっている一人の女性と出会う。

その女性に要件を伝えると、一言『判った』と告げ、元凶となる存在を探してくれる。


元凶となったのは、男の子と女の子、二人の子供の姿をしていた。

二人は白い地面に何かを落書きしていた。子供の絵だからか、それが何なのか良く分からない。ただ、女性は何かを二人に言っている。様子からして、叱っているのか。

しばらくして、二人は落書きするのを止めた。すると、地面に書いてあった絵も消える。

それを見届けると、俺はすぐに意識を自分の身体に戻す。限界を既に超えていた。

……………


「ぐはっ! あああ………――――――」

息が吸えない。というより、身体そのものが動かせない。長時間意識が身体を離れていたから、身体をどう動かせばいいのかすぐには思い出せないんだ。

「―――はあ……はあ……はあ……はあ……はあ……」

それでも何とか、しばらくして息を吸う事は出来るようになった。

ただ、足腰に力が入らずその場に崩れ落ちている。ノンビリしている場合ではないのに……


視線を動かし、部屋の様子を見る。白い炎は消えて、気を失った女性が一人、裸で倒れている。

あの炎で衣類などは全部燃えてしまったのだろう。

動けない俺の代わりに、ヨミが彼女に駆け寄り生死を確認。

自分の上着を掛けると担ぎ上げ、ついでに動けない俺も抱えて、窓から外へと脱出。

相変わらず、運動神経は人並み外れた奴だ。

だから傍に置いているんだけど、絵的に男として情けない姿。ソフィアには見せたくない姿だ。後でからかう話のネタにされるから。




力を使い過ぎて動けなくなった俺が復調したのは、それから数時間後だった。

空はまだぼんやりと暗く、夜明け前。眠りたいのを我慢して俺は手紙を書いていた。


宛名は知り合いの錬金術師。新しい神の装備一式を揃えてもらう為だ。

書いた手紙を自分の家のポストへ入れる。このポストはその錬金術師の作品で、作成には俺も多少関わった。

この中に入れた手紙は向こうのアトリエに運ばれるらしい。

館から救出した女性は今、ソフィアのベッドで寝ている。


寝間着はヨミのモノを使用したようだが、女性の着替えに男の俺が立ち会える筈も無く、寒~い廊下に放置されてしまった。

もちろん、この時俺はまだ動けなかった。


「風邪を曳いてしまうわっ」

二人にツッコミを入れたい気分だったが、そんな余力がある筈もない。

グズグズする鼻を擦りながら、キッチンテーブルに座り、そのまま力尽き突っ伏してしまう。

大仕事終えた後の上、寝不足、風邪気味、コンディションは最悪だ。

それでもやるべき事が山とある。身体は動かさず、何とか頭だけは動かそうとする。


「これから仮眠をとって、あの子に事情聴取して……………」

その後…その後、どうしよう? 疲れていて頭が動かない。瞼が重く、落ちてしまいそう。

「……………………はっ! いかんいかん。眠るな、俺っ!」

俺はまだ落ちる訳にはいかない。あの時見た黒い影。再び襲撃され、昨日の二の舞になるのだけはマズイ。

「東大陸の神々から大陸の外からお客が来てないか、誰かちょっと情報提供して貰おう」


俺のカンが正しければ、あの黒い影は東から来た大陸外の神だろう。

一体何をしに来たのか―――侵略か、共存か、ただの観光か。

目撃情報を探して、予想の人物かどうか確証を得たい。もし仮に、予想通りの人物だった場合………激しく逃げ出したい。

「だが、無理だろうな。あれの世話を俺が引き受けてしまえば、保護責任が発生すからな。……はあ~~~~~~~~~~っ」


責任が無ければ地の果てまでも逃げ出したい。

しかし、何度考えても無理そうだ。

「はあ~~~~~~~~~~っ」

さっきから、溜息しか出ない。これから訪れる未来には、絶望しか見えない。

「燃えた屋敷の損害を請求されなきゃいいけど。まあ、適当に誤魔化せるか」


火事の原因は、どう考えてもその子だろう。

本人に自覚があるかは怪しいけど。他人にバレた場合、その損害賠償は、先生をやっている俺に降りかかるかも知れない。

例えバレたとしても、すっ呆け続けよう。

悲しい事に、俺たちは貧乏だ。

「そこにいる煤男。何をそこで死んでいる?」

端的に、俺が今どんな状態なのか説明してくれた人。

振り返ると、ソフィアが難しい顔をして立っていた。

『天文学』の方に浮気すると、こちらの更新が遅れる。

何とかユニーク数が193まで行ってたね。評価はされないから、全くの肩すかしを喰らっていますね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] まえは、ちゃんと読んでくれる人たちもいたんですね、また、ファンが増えるといいですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ