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April 15th,3






「っ……!!」


公園目掛けて全力で利人は走っていたが突然急ブレーキをかけるようにずざっ、と音を立てながら立ち止まった。前方に突然魔物が数体現れたのだ。ガルムや、自分が以前戦った事のあるカマキリの魔物や二足歩行のトカゲの魔物達は利人に狙いを定めてそれぞれ威嚇を始める。


「退け、邪魔だ!!」


利人は声を張り上げ、右手を勢いよく振りながら長剣をその手に召喚させた。長剣が利人の右手に現れたと同時に魔物達も動き出す。利人は長剣を握り締めながら向かってくる魔物達の数を睨み付けるように確認する。ガルムは一体、カマキリの魔物は三体、トカゲの魔物は二体。合計六体だ。六体なんて問題ない、一気にカタをつける。利人も走り出し、先に飛び掛かってきたガルム目掛けて長剣を横に振り、ガルムを横に真っ二つに斬りつけた。真っ二つになったガルムの胴体が地面に落ちると黒い煙を吹き出させてライフエナジーを残して消滅した。


「っし……!」


利人は消滅したガルムを見て小さく呟き、走り続けながら次はトカゲの魔物へと向かっていく。トカゲの魔物はキシャァ、と小さく鳴き声を上げながら両手の爪をぶつかり合わせて待ち構えている。利人はこのまま走って一気に距離を詰めて斬りつけようとしたが、背後から感じる気配に気づいてすぐに横へ飛び込むように転がった。横へ移動した瞬間、魔物カマキリが羽を広げて飛びながら両方の鎌のような前脚を振り回してきたのだ。利人はすぐに跳ねるように立ち上がりながら、襲い掛かってきた魔物カマキリを下から斜めに斬りつける。斬りつけられた魔物カマキリは飛んでいたがすぐに体勢を崩して地面に落ちた。


「うお、っ!」


斬られて地面に落ちた魔物カマキリが消滅していくのをちらりと見ていたがトカゲ魔物が突然高く跳び上がって急降下しながら鋭い爪を振り下ろしてきた。慌てて利人は後ろへ跳び後退り、長剣を構え直す。トカゲ魔物は早歩きで近づきながらまた爪を上から大きく振り下ろしてきた。


「この野郎、っぁ!!」


利人は大声を上げながら、あえて長剣の腹が爪に当たるように向けてから下から勢いよく振る。トカゲ魔物の爪とぶつかると、トカゲ魔物はギャッと悲鳴のような鳴き声を発して下がった。その隙を見逃さず、踏み込んで縦に斬りつけた。トカゲ魔物は両膝をついて呻くような鳴き声を上げながら消滅していく。すると今度は残った魔物カマキリ二体とトカゲ魔物一体は利人を三方向から囲んで同時に襲い掛かってきた。


「だから……退けって言ってんだろうが!!」


利人は長剣を横に大きく振りかぶって待ち構え、三体が自分の間近まで来れば一気に長剣を横に振りながら勢いよく身体を回転させた。三方向から襲い掛かってきた魔物カマキリ二体とトカゲ魔物一体は斬られるとそれぞれ悲鳴のような鳴き声を上げながら黒い煙を発して倒れ、消滅する。これで全員倒した。利人は長剣の刃先をライフエナジーに向け、長剣から吸収していった。


「よし、これで……、!?」


ようやく戦いが終わった、と利人は長剣を消滅させようとしながら走り出したその時。頭上で何かが羽ばたく音が聞こえ、利人は走り出すのを止めながら見上げてみる。


「新手の魔物か……!」


利人は上にいるものを睨み付けながら忌々しげに呟く。上にいたのはカラス……のような魔物だった。カラスである事は分かったが足の長さや胴体、翼の大きさなどは普通のカラスと全く違い、カラスに人間がちょっと足されたような姿をしていた。そいつらは二羽いた。二羽の魔物カラスは翼をバタつかせるように動かして電柱の上に降りる。電柱の上に降りた魔物カラスは二羽とも下にいる利人をじっと見下ろす。


「野郎、降りて来い!!」


電柱の上にいる二羽の魔物カラスに向かって利人は大声を上げた。言い終えた途端二羽の魔物カラスは急に飛び降りるように電柱から離れて急降下しながら利人に襲い掛かってきた。


「いきなり降りてくんじゃねえ……!!」


慌てて離れながらそう呟き、利人は長剣を構え直す。魔物カラスはバサバサと翼をバタつかせながら地上に着地すると、二羽とも同時にまた翼をバタつかせて飛びながら利人に襲い掛かってきた。


「クソッ!」


利人は襲い掛かってくる二羽の魔物カラス目掛けてまとめて斬ろうと横に大きく長剣を振る。しかし猛スピードで二羽の魔物カラスは直前で急上昇していき、横振りの長剣を回避した。慌てて利人は急上昇していった魔物カラスに視線を向ける。二羽の魔物カラスはバサバサと頭上を飛び回り、翼をバタつかせる度に黒い羽根が落ちていく。落ちてくる黒い羽根を見て利人は直感で何かヤバいと感じたのか、落ちてきている黒い羽根から離れるように後退る。と、一枚の黒い羽根が電柱に当たった途端黒い羽根が当たった場所に切り傷を作った。


「……触れてたらザックリいってた」


危ねえ、と利人は小さく呟きながら空を飛び回っている二羽の魔物カラスを睨み付ける。二羽の魔物カラスは飛び回りながら鳴き声を上げていた。


「無暗に近づかない方がいい。奴等はなかなか頭のいい魔物だ」


ここでヴィーザルが姿を現す。ヴィーザルも既に武器の長剣を構えながら電柱にとまっている二羽のカラス魔物をじっと見上げた。


「ここはどうすりゃいいんだ?」


「お前の武器は長剣だけではない。魔法を使え」


「魔法?」


どうすりゃいい、と利人は呟くようにヴィーザルに問いながら長剣を両手で握り締め、刃を眺める。何かやれば何とかなるかもしれない。利人はそう考えながら長剣を両手で握り締めたまま力を込めてみる。長剣を両手で握り締めたまま力を込め続け、「何か出ろ」と何度も心の中で念じてみる。するとすぐに長剣の刀身が光を纏い始めた。


「流石だ、利人よ。その状態で長剣をあの『クロウマン』に向かって振るのだ」


その様子を見ていたヴィーザルは満足しているかのように頷き、電柱の上でじっと見下ろす二羽のカラス魔物……クロウマンに視線を向けてそう言った。よし、と利人も張り切ったように刀身が光を纏った長剣を握り締めたまま力も込め続け、クロウマン目掛けて長剣を大きく振りかぶる。ここでクロウマンも二羽とも電柱から離れ、利人に急降下しながら襲い掛かってきた。


「こうか、っ!!」


利人は試しに長剣を横に勢いよく振ってみる。と、勢いよく振られた光を纏った長剣の刃先から光の球体が五つ放たれた。五つの光の球体はそれぞれカーブしていき、クロウマンを追うように飛んでいく。二羽のクロウマンはすぐに方向を変えて逃げようとするが一羽に球体が一つ当たった。当たると、クロウマンは黒い羽根を散らしながらバサバサと飛び直そうとする。追い打ちをかけるように他の四つの光の球体も勢いよく向かっていき、飛び直そうとするクロウマンに四つとも球体は当たった。クロウマンは鳴き声を上げながら地面に落下し、黒い煙を吹き出させ始める。まずは一羽倒したようだ。


「もう一羽……!


残った一羽を利人は睨み付ける。一羽のクロウマンはまた電柱の上に降りた。もう一度先程の球を当ててやろうと利人は長剣を握り締め、力を込めようとする。するとクロウマンは軽くジャンプをするようにその場で跳び、両方の翼を利人に向かって振った。翼が振られると、その翼から無数の黒い羽根が勢いよく飛んできた。


「ヤバイッ……!!」


慌てて利人は駆け出す。黒い羽根は利人の走った後の地面に次々と刺さっていく。利人は走って逃げ回りながら後ろを見てみる。まだクロウマンはばさばさと翼を動かしながら飛びつつ黒い羽根を飛ばしていた。


「いい加減に……しろ、っ!!」


一か八か、利人は走り逃げていたが立ち止まって勢いよく振り向く。振り向きながら、握り締めていた長剣を黒い羽根を飛ばしながら飛んでいるクロウマン目掛けて投げつけた。投げられた長剣はブーメランのように回転しながらクロウマンに向かっていく。クロウマンは自分に向かってくる長剣に気づき、慌てて黒い羽根を飛ばすのを止めて逃げようとする。しかし反応が遅れたせいか、長剣は背中からクロウマンの胴体を貫いた。


「よっしゃあ……!」


長剣で貫かれたクロウマンは翼を動かすのを止めて空中でピタッと止まり、そのまま地面に落下。落下したと同時に一気に黒い煙が大量に吹き出してあっという間にライフエナジーを残して消滅した。利人は二羽のライフエナジーに長剣の刃先を向けてライフエナジーを吸収する。


「今度こそ終わった……! 急がねえと!!」


「見事だ、利人よ。行くぞ!」


「分かってる! 公園だ!」


ヴィーザルは姿を消し、利人も長剣を消滅させて再び公園へと駆け出した。


















「……結局何の手掛かりも無し、か」


一方、道を歩きながら希はガックリと項垂れた。後ろから神奈は呑気そうに着いてきている。薊の姿は無く、希と神奈の二人だけだった。


「薊はバイトかぁ……向こうで何か情報とか集めればいいんだけど」


希は歩きながら小さく呟く。薊はバイトで離脱したのだ。どうも自分が行っているバイト先で、今日来るはずの他のバイトが時間になっても来ない上に電話も繋がらないため、急遽出る事になってしまったようだ。バイトに向かう時薊は不満そうに来ないバイトへの文句をぶつぶつと喋ってから希と神奈に申し訳なさそうに謝罪して別れた。


「俺もバイトしようかなぁ……って今はそんな事考えてる場合じゃないや、神奈どうする?」


「どうするもこうするも、情報収集を続けるしかないわ。探さなければ見つからない」


希は歩きながら後ろで歩いている神奈に声をかけてみる。神奈は平然としたようにそう言いながら希の後ろを歩く。だよね、と希は唸り声を上げながら歩き続ける。すると、


「君達ダメじゃないか、今は外出禁止と学校から連絡があっただろう!?」


後ろから大き目の声が聞こえ、二人は立ち止まって振り向く。後ろから慌てた様子で若い男性警官が駆け寄ってきた。冷や汗をだらだらと大量に流しながら駆け寄ると二人を庇うようにしながら辺りを素早く警戒しながら見回す。酷く焦っている様子だった。若い男性警官は周りに何もいない事を確認すると希と神奈に振り向いた。


「すぐに家に帰りなさい、家まで君達を送るから……! 君達の家を教えてくれ……!」


酷く焦った様子で若い男性警官は二人に言うと二人を連れて逃げるように歩き出そうとする。希はも少し慌てて若い男性警官に声をかけた。


「あ、あの、ちょっとこれから自分達用事があって、」


「用事でも出掛けちゃあダメだ! 変死事件があったんだ、今でも犯人がうろついているかもしれないんだぞ、すぐに家に帰りなさい! いいね!?」


言おうとするも途中で遮るように若い男性警官は焦った様子で二人に言う。希はう、と小さく声を漏らしながら神奈にちらりと視線を向けてみる。神奈は腕を組んで仕方ない、とでも言いたさそうな表情でため息を吐きながら少しだけ項垂れた。希も彼女の様子を見て仕方なく若い男性警官に振り向く。


「す、すみません、分かりました。家に戻ります」


「それでいい……家まで送るよ、けど気を付けてくれ」


希の言葉を聞いて若い男性警官は少しほっとしたように頷くと、希と神奈は仕方なく希宅へと歩き出した。二人の真ん中に若い男性警官が入って歩き、若い男性警官は辺りを素早く警戒するように見回しながら二人と一緒に歩く。希は歩きながらそっと若い男性警官の様子を見てみる。辺りを見回す若い男性警官の目は怒りと焦りを混じらせたように鋭くなっていた。


「……兄さん……あんたまで変死事件の被害者になってどうするんだ……」


若い男性警官は辺りを見回しながら震えた声でそう呟き、被っていた警察の帽子をぐっと押し付けるように被り直す。よく見てみると、その警察の帽子は被っていた若い男性警官のサイズに合わず大きいのか少しぶかっとしていた。その呟きも聞きながら若い男性警官の様子を見た希は気付き、思わず拳を握り締めた。この警官には兄がいて、その兄も警官だったが変死事件に巻き込まれて死んでしまったようだ。


「…………」


必ず何とかしないと。希は心の中で呟きながら黙って歩く。しばらく歩き続けていると、希宅に着いた。希は「ここです、自分達の家は」と若い男性警官に声をかけて立ち止まる。


「すみません、ありがとうございました」


「ああ、しばらく家で待機してるんだよ。家から出ないようにね」


「はい、わかりました」


希は若い男性警官に向かって頭を下げると、若い男性警官は頷いて希と神奈に背を向けて歩き出した。希は自宅の玄関前で若い男性警官の後姿をじっと見つめ続ける。


「……戦わなきゃ。……これ以上人々が死んでいくのは、俺は嫌だ」


希は若い男性警官の後姿を見つめながら呟くように言い、拳を握り締めた。神奈は黙って希の様子を見つめてから先に玄関の扉を開けて自宅へと入り、希ももう少し若い男性警官の後姿を見送ってから自分も後から自宅へ入った。




























利人は走り続け、何とか公園に辿り着くが近くまで来るとすぐ立ち止まった。


「……遅かった……!!」


そう呟きながら拳を握り締め、怒りと悔しさで震える。公園には既にパトカーが何台も停まっており、大勢の警官達が必死で捜査をしていた。立ち入り禁止の黄色いテープやブルーシートなどを警官達が引っ張り出し、酷く焦った様子だった。現場の公園周辺にも警官が待機しており、こちらもまた酷く焦った様子で警戒しながら辺りを見回している。本当についさっき起こったばかりの変死事件だ。犯人はまだ近くにいるかもしれないと全員構えていた。利人は怒りと悔しさで震えながらも立ち尽くしたまま現場を見つめていると、利人の存在に気づいたのか一人の警官が大慌てで駆け寄ってくる。


「君、ここは危険だぞ!! 変死事件が今さっき発生したらしい、すぐに家に帰るんだ!! 家は何処か教えなさい、家まで君を送る!!」


焦りが大きい上か怒鳴るような声で慌てて男性警官が駆け寄りながら言うと、「すぐにパトカーを出してくれ!!」とまだ怒鳴るような声で近くにいた警官に声をかけ、声をかけられた警官も慌てて大声で返事をするとすぐに近くのパトカーの運転席に乗り込む。声をかけられた警官の近くにいた若い警官も助手席に乗り込んだ。


「さあ、早く……!! ここは危険だ……!!」


利人に駆け寄った男性警官は利人の腕を掴んで強引気味に引っ張り、パトカーの後ろの席に乗せられてしまう。男性警官も後から乗り込み利人の隣に座った。扉が閉められるとすぐにパトカーは急発進し、利人は慌てて前の席にしがみつくようになってから体勢を何とか直してシートベルトを着ける。隣に座る男性警官も、助手席に座る若い警官も、運転する警官も冷や汗を流しながら焦った様子で窓の外を見回していた。


「……変死事件、ですか」


「……ああ」


利人は視線を向けずに、隣に座る男性警官にぽつりと呟くように聞いてみる。男性警官は冷や汗を流しながら深刻な表情で頷いた。それを聞いた利人は悔しそうに下唇を噛み、それからまた聞いてみる。


「深夜にあった……バラバラ切断と同じですか?」


「いや、違う。別のやり方だった」


男性警官も利人に視線を向けないまま瞳を閉じてゆっくり首を横に振って答えた。利人は瞳を見開いて驚き、隣の男性警官に視線を向ける。


「別の……やり方、だった?」


唖然としたような表情で利人は隣の男性警官にまた聞いた。男性警官はちらりと利人を見つめてから言いにくそうに手を組んで少し俯き気味になる。


「……警官である私がこんな事を言うのも何だが、……ハッキリ言ってバラバラ切断が可愛いと思えるくらいに酷い有様だったよ」


男性警官は組んでいた両手を握り締めながら沈んだ声で呟くように話した。利人はまた聞こうとしたがこの男性警官の状態を見て聞き辛くなり、黙り込もうとする。ここで助手席に座っていた若い警官が口を開いた。


「胴体の肉をまるで千切ったような、抉ったような跡が全ての遺体についていたんです。……それだけじゃないんですよ。酷い事に……腕や脚がもがれてる遺体や、頭やら首を踏み砕いたような形跡とかもあったり……もっと酷いのは、血と肉の塊になってるだけの遺体もあったんですよ。もう誰だか分からないくらい、原形をとどめていないくらいに……しかも、それが多かった」


若い警官が代わりに公園での変死事件の被害者の遺体について話す。利人は助手席に座る若い警官に視線を向けて瞳を見開いたまま黙って話を聞く。隣にいた男性警官も深刻そうな表情で小さく頷いた。利人は唖然としていたがここで思い出した。公園に向かう前に会ったあのケガをした記者の男性だ。あの男性は今どうしてるんだろうか、と警官達に聞こうとするとここでパトカーについていた無線から声が聞こえてきた。助手席の若い警官が対応する。


「はい!」


『道端に公園で被害にあった者達と同じようなやり方で殺されている記者の男性を発見した。現場を調べてみると先程殺されたばかりらしい、その周辺に気をつけろ!』


「なっ……!!」


無線から聞こえた情報を聞いて利人は思わず声を上げてしまう。あの時の記者の男は自分がいなくなった直後に殺されてしまったようだ。同じやり方、という事は犯人は自分の姿を見たあの記者の男を殺すためにわざわざ追い掛けてきたらしい。あの時一緒にいれば、と利人は頭を両手で抱えて歯を食い縛りながら後悔する。だがもう遅い。あの記者の男はもう殺された。若い警官が「了解しました」と返し終えると利人の隣にいた男性警官が口を開く。


「この世界はどうなっていくんだ……だが諦めてたまるか、我々は警察だ。必ず変死事件の犯人を捕まえてみせる」


俯き気味だった男性警官は顔を上げて覚悟を決めた顔つきになり、拳を握り締めて呟くように言った。それを聞いた運転している警官も、助手席に座っている若い警官も「はい!」と力強く返事をした。利人は男性警官と運転している警官、助手席に座っている若い警官のやり取りを聞いて三人を見回してから両手を組み前屈み気味に座り込み直す。


「……諦めてたまるか」


隣にいる男性警官と同じ言葉を利人は小さく呟いた。









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