最悪の出逢い
「お前いい素質を持っているな。俺の物にしてやる」
その言葉と共に私のファーストキスは奪われた。
◆
月篠 楯は校門の前に立っていた。
しかも少し汗を流している。
理由は単純で目が覚めて時計を見ると入学式開始5分前だったため急いで準備して走ったからだ。
「ギリギリ間に合った」
楯が校門に入ろうとした瞬間。
「どけーーー!!」
楯に向かって少女が突っ込んで来た。
そして当たり前ですがぶつかった。
楯はその少女の胸に顔がくる形で倒れる。
(ヤバイ。心臓の音が聴こえる意識が遠退いていく)
「すまない。急いでいて怪我はないか」
「あぁ、問題ない」
少女が体を起こし手を差し伸べる。
楯はその手を掴むと立ち上がりそのまま少女を自分の胸の方に引き寄せた。
「なぁぁ!?」
少女は顔を真っ赤にして体を離そうとする。
しかし、それを左腕で抑え右手で少女の顎を掴み顔を上に向かせる。
少女は楯の顔を見るとある変化に気付く。
楯の髪は赤毛に変わり、目の色も赤くなっていて眼球には何か魔方陣みたいのが描かれていた。
「いい素質を持っているな。俺の物にしてやる」
そして楯(?)は少女の唇に己の唇を重さねた。
「んっ、ッッッ!!」
校門の前、突然に起きた男女のキスという光景は同じ学生の前に衝撃を与えていた。
そして、当然に彼女にも言葉だけでは表せない羞恥心と怒りが沸き上がる。
「貴様。いきなり何をするっ!」
「まあまあ、怒るなよ♪それとも初めてだったのか?安心しろ俺もだ」
「なぁ,,,,,,,,,,,,,,,,」
少女は顔を真っ赤にすると持っていた長い入れ物から刀を取り出すと楯の方に向ける。
「き、貴様だけは…貴様だけは絶対に許さんッッッ!!」
「はっ、そんな物でこの俺を倒せると思っているのか」
「貴様ーーーー!!」
少女は刀を降り下ろすが楯は後ろに下がり避ける。
数回ぐらい避けると楯は口を動かす。
「液体化」
楯がそう言うと魔方陣が発生する。
少女は刀を降り下ろすしかし、楯の体をすり抜けて地面に傷がつく。
「貴様何をした」
「別に何も。ただ体を液体にさせて攻撃を避けた」
少女はその言葉に驚きを隠せなかった。
だってそれは上級魔導師レベルの技だから。
驚いている隙に楯は少女の目の前に近づく。
「発光魔法」
目の前で発光魔法をくらい少女は目を押さえる。
「それじゃあ、また」
「ま、待って!!」
少女は叫ぶが、楯の姿はもう無くそこには手帳らしき物があった。
「学生証?」
少女は学生証を手に取り開き中を見る。
「月篠楯....貴様だけは私の手で」
少女は楯の学生証をカバンに入れ学校に向かって行った。




