相手のライフをしっかり確認しよう③
友香里と琴羽と帰っていた。
「なんか、今日はお前が優しく見えるよ……」
「……今日は?」
「……いつもよりです」
いつもより優しいかと思ったら、そうでもなかった。いきなり脅してくるから、ビビっちまったじゃあねぇか……。漫画ならゴゴゴゴって出てるぞ。世の中は俺に厳しいな……。
「それにしても、大変だったね」
「ああ、I am tiredだよ……」
思わず、英語なってしまうぐらい、疲れた。誰か癒してくれないかな……。
「でも、お兄ちゃんをいじめるの楽しくないですか?」
「うん、そうだよねー、面白い反応してくれるし」
「じゃあ、無反応にしてたらからかわれないで済むのか?」
クスッと二人が笑った。
「お兄ちゃんには無理だよねー」
「だねー」
「なんで?」
「そいう体質なんじゃあない?」
「全然分からん」
体質って……。まあ、自分でも無理そうな気がするけど。
「まあ、いいや」
「それよりさ、部活っていつはじまるんだっけ?」
「来週って、もう、金曜日だから月曜日にだね」
「部活?」
「そういや、琴羽は部活入らないのか?」
琴羽は運動も出来そうだし、どこでもいけそうな気がするけど。俺的には俺達と同じ部活に来て欲しいが……。
「お兄ちゃん達は何部に入ってるの?」
「文芸部」
「文芸部か……友香里さんも?」
「うん、あんまり参加してないけどね、文芸部は全員で6人いるよ」
「あんまりいないんですね……」
「少ないけど退屈はしないぞ?鬱陶しい時もある。主に上谷が」
「さっきの人だよね」
「ああ」
上谷はどこでもあのキャラだから、うざいし、うるさいし、たまったもんじゃあない。
「一番文芸部っぽい活動をしてるのはあいつかもしれないな」
「あー、確かに」
「えっ!?あんな人が?」
「あんな人って……」
あんな人って酷いな。あいつがここにいたら、相当なダメージを受けていただろうな。
上谷はよく、設定や技名や二つ名など考えているからな……。小説を書くときは一番早く仕上がる。パクリっぽいの多いけど……。
「厨二病だから毎日そんなこと考えてるんだろう」
「あー、納得。すごかったもんねあの人。校則的に大丈夫なの?」
「うちはゆるいからねー」
あいつはじゃらじゃらしすぎだけどな。鎖とかかっこいいのはわかるけど学校ではやめとけよ。指に鎖つけてるのとか実際見ると怖いし。
「どうする、入るか?」
「うーん、考え中」
「楽しいよ、それなりに」
それなりなんだな……。あの部活は結構すごい人が揃ってる気がするな……。騒がしすぎるし。
「あ!見学とかどう?」
「見学したら入る気になれるか?」
「どんなところなの!?」
見てからなら入る気にはならなそうだが……。後悔した後に楽しくなってきたかな。先に見るのはオススメできない。
「まあ、分かるさ」
俺的には入ってくれた方が楽しさ倍増なんだけどな……。男共はうるさいけど、女子達は可愛いのが揃ってるからな……。
分かれ道に来た。
「じゃあ、私こっちだから」
「じゃあな」
「またね」
俺達は友香里と別れ、家に帰った。この後は妹飯夜編だな……。美味しくあってくれよ……。
妹飯の結果………普通だった。
「かなり身構えていたけど普通に美味いぞ」
「はあ、良かった」
無難な料理にすると言うことでカレーだった。一般的なカレーと言う感じの味だった。でも、妹が作ったと言うことでいつもより美味しく感じた。
「もっと、すごいやつかと思っていたけど大丈夫みたいで安心したよ」
「カレーで失敗するほど下手じゃあないよ」
まあ、そうだな。小学生とかの修学旅行とかでも作られるようなやつだし……。いくら、琴羽でもそれぐらいはな。
「明日は部活の先輩と後輩を紹介するよ、他は知ってるやつだからな」
「先輩と後輩がいるんだ……」
「どんな人?」
「先輩の方は優しくて、綺麗で頼りになる人だよ」
「ふーん」
「……なんだよ」
「別に……」
変な奴だ……。まあ、いいが。
「後輩の方は人懐っこくて、けっこう慕ってくれるし、なんか犬みたいな奴だ」
「犬ね……」
きっと前世は犬だったに違いない。もしくは擬人化?犬耳とか付けたら似合いそうだな……。
「それはそうと、俺的には琴羽には入って欲しいな」
「なんで?」
「楽しそうだし、何より嬉しい」
「クスッ、シスコンを隠さなくなってきたね」
「必要ないだろ」
「まあね」
「それじゃあ、そろそろ……うっ」
俺は感じた体の異変によろめいた。
「大丈夫!?」
「ああ」
もしかして、今頃、カレーのダメージが?味は大丈夫だったのに、何を入れてるんだ、全く……。
「もう、ダメだ、後はよろしく頼む……」
「お兄ちゃあああああん!!」
俺は力尽きた。次の日朝には食べた記憶が抜けていた。今度から琴羽に料理をさせるのは辞めようかな……。ってかなんで琴羽にはダメージないんだよ?差別?毒まで俺を差別するの?最近の世の中は俺に厳しいすぎる……。
和人のライフはぜろを超えても攻撃され続けた……。
暁一です。
アクセス数も昨日が一番多かったです。ありがとうございます。少しアドバイスをもらったのでとりあえず、1話少し編集しました。その人は例まで言ってくれてとても嬉しかったです。他にも見てくださった方ありがとうございます。
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