相手のライフをしっかり確認しよう①
「さーて、邪魔者が来ないうちに学校へ……」
ピンポーン
「……無理だったね、お兄ちゃん」
ちっ、友香里め。ちなみに邪魔者とは友香里のことだ。
どうせなら、年下でお兄ちゃんと慕ってくれる幼なじみなら良かったのに……。友香里に期待するだけ、無駄か。
「えっ、何、なんで来たの?」
「いきなり酷い!?」
まだ、一回もまともに妹と登校できてないんだぞ?お前のせいで。
「もー、本当は嬉しいクセに、幼なじみは妹の次の次に好きなんでしょ」
「確かにそうだが、お前には萌えん」
俺は一番が妹で次が後輩、その次が幼なじみだ(お兄ちゃんと慕ってくれる子は妹に入ります)。だが、ヤンデレは範囲外なので無理です。
「まあ、そんなこと言わないで、行こうよ」
「えーーー」
「そんなに嫌そうなしないでよ……」
「ああ、悪い、本気で嫌だったもんで」
「フォローになってないよ!?」
悪いな、妹と登校したいんだよ。もう、無理だろうけど……。
「はあ、すぐ行くから待っとけ」
「やっぱり、行きたいんだよねー?」
「やめるか?」
「えー、行くよ」
うぜぇな……。琴羽はこうなることが分かっていたのだろう。もう、準備は終わってる。ほんと、適応力高いな……。
「早くしてよ、お兄ちゃん」
「ああ」
優秀な妹だ。
俺はさっさと済まし、二人と登校した。
「おっ、二人が登校とは仲がいいね」
「見てたのか?真」
俺達はクラスの奴らに騒がれないように別々に教室に入ってる。どこかで見てないと分からないはずだ。
「いや、妙な距離感で歩いてたから、途中まで一緒だったのかなと思ってね、友香里ちゃんも一緒だったし」
勘がいいよな、こいつ。距離感で分かるとか……。友香里と琴羽でいるのはさすがに不自然だったか?でも、すごいな、さすがだ。
「もしかして、付き合っちゃった?」
「ちげぇよ」
そう言えば、こいつには話してなかったな……。クラスの連中に教えるとろくなことにならなそうだがこいつなら良いだろう。あとは何人か教えていい奴がいるな。
そんな時に琴羽がやってきた。
「あ、お兄ちゃん!おはよう!」
少しは考えたのか今会ったかのようにおはようと挨拶しているが、大きな声でお兄ちゃんと言ったので帳消しだ。むしろ、やばい、バレたか?
「馬鹿!学校でその呼び方は」
え、あの二人って兄妹だったの?あいつの家行ったとき、居なかったぞ、生き別れの兄妹!親近相姦!顔似てないよねと皆が騒ぎ出した。
バレた……。まずい……。
「琴羽のせいだぞ」
「あ、ごめんちゃい」
可愛いく謝ってるんじゃあねえよ!
「おいおい、和人、お前ら兄妹だったのか」
「……一応」
「二次元の妹が好きなのは知っていたけど遂に本物の妹にも手を出したか」
「転校初日のとき、可愛いって言ってたもんな」
「あんときは別に」
ぶつかった人は全く関係なかったからな……。
「知ってるような素振りはなかったからそん時は知らなかったんだよな」
鋭いな……。
俺の妹は話を聞かず、一人で悶々としていた。
「そ、そんな、お兄ちゃん、可愛いだなんて、きゃっ!」
俺が可愛いって言ってたのは違う奴だったんだけどな……。琴羽も可愛いが。
「ほら見ろ、お前のせいで琴羽が壊れた」
「壊れてんの?それ」
「どう見たって壊れてるだろ」
きゃっとか言ってるんだぞ?壊れてる以外ないだろ、病院に連れていきたいレベル。
「とりあえず、収拾つけないといけないよな」
「だろうな(笑)」
他人事だと思って……。仕方無い。
「あー、あ、みんな聞いてくれ」
シーン……。
「名前から分かるように琴羽は俺の妹だ。最近、親父が再婚してそれで妹になったと言うわけだ」
『なんで、お前ばっかり恵まれてるんだよおおおおおおおおおおお!!』
男共の魂の叫びであった。
『幼なじみだけでなく、妹も可愛いとは』
『俺の幼なじみなんて男だぜ男』
『ちくしょうおおおおおおおおおおお!』
みんな好き勝手言ってるな……。まあ、予想通りだけど。友香里も琴羽も人気高いからな……。このあとがめんどくさそうだ……。
「大変だな(笑)」
「他人事だと思って……」
ああ、妹ができて人生バラ色かと思ったのにな……。そう簡単には行かないみたいだ。先輩にもこの情報届いてるだろうな……。はあ、めんどくさそうだ。
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