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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

小さな姉妹、ミンとグチョグチョ

ミンとモモは二人姉妹。お母さんのいいつけで、お父さんの忘れて行ったお弁当を届けることになりました。

ミンとモモは二人姉妹。お母さんのいいつけで、道行く人に礼儀正しく挨拶して歩きます。

だけどその日出会ったのは、人ではありませんでした。


不細工に潰れた体から、汚い汁がポタポタと垂れ、人間の手や、足や、頭が、でたらめに様々な場所から生え、その表面に、胃や、腸や、心臓といった臓物と血管がこれまた無秩序に絡みつき、一部は垂れて擦り切れ、そこが地面と擦れる度に、枯れ果てた喉から無理矢理絞り出すような、聞くに堪えない酷い悲鳴を肉の腐り落ちかけた頭から響かせ、吐き気と痙攣が自分の意思では抑えられなくなるほど強烈な腐臭を発する怪物が、そこにいました。


モモはその怪物を遠目に見ただけで腰を抜かしてしまいました。

すると倒れる音に気付いた怪物は、姉妹に向かってきました。

臓物を引きずる苦痛に喘ぐ怪物は、けして速くはありません。

けれども子供が子供を引きずって逃げられるほど遅くもありませんでした。


どうしようもないと見て取ると、ミンはモモを離して逃げました。

モモはミンに縋りたかったのですが、それでは二人とも死んでしまうだけです。ですからそれは、出来ません。

それでも生を諦められず、唯一自由に動く口を回し、必死に必死に足掻きます。

「助けを呼んで、お姉ちゃん!助けを呼んで!私死にたくない!死にたくないよ!いやだ!いやだよぉ!いや、いや、いやあああああ!」


ミンはもちろんこの絶叫が聞こえていたので助けを呼びに行ったのですが、見たことも聞いたことも無い化け物に近場で人が襲われているなどと、すぐに信じられる人はいません。

ミンが武装した大人達と戻った時には、モモはすでにグッチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャグチャの、ゲロゲロドロドログッチョグチョになっていました。


おしまい

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