第二話 《幽霊さん》設定提供私
「たのもー、幽霊さんー!」
ばんっとマンションの一室の玄関の扉を開けた
そこにはよくあるワンルームの部屋が広がっていた
そう、今日から事故物件に住む
だって、安かったし
私心霊得意だし
それに、幽霊がみんな悪い人じゃないしね
人間だって悪い人と良い人いるんだから
部屋の奥まで行ったところで一礼
ここに住んでる人がいるなら先輩だしね
「よろしくね、幽霊さん」
―――
この部屋に引っ越してから3ヶ月後
最近になって心霊現象のようなものが増えた
ガタン、
こんな感じで物が落ちるのは日常茶飯事だ
「幽霊さんーイタズラは良いけどお皿とかはやめてよー」
いつも、危害は加えてこない
何なら音以外の心霊現象はおきたことがない
「幽霊さんって私に触れれるのかな?」
幽霊って人間に触れれるのだろうか?
まず、視界に映ったことがない
んー、なにかいい方法
「あ、幽霊さんー、私今日は眠いから寝るねー」
わざと少し服を着崩してゴロゴロしてみる
ちょっと幽霊さんが私に触れることが気になったのだ
触れれるのかな?
触れれるとするとちょっと怖いかな
「おやすみね」
はっと気づいたときにはちゃんと寝てしまっていた
服は、まぁそんな変わらず
その時、
「ひゃっ!?」
横っ腹の素肌のところを冷たい気配が肌を撫でた気がした
「び、びっくりしたー、幽霊さん?」
起きようとしたところで体が動かない
金縛り?
本当にあるんだ
なにされちゃうの?
何も、動けない
怖い
そう思っていた時
頭に感触があった
「ゆ、幽霊さん?」
そう、撫でられた
頭を
それには確かに感触があったが
どこか、優しくて本当の人間みたい
安心して私は再度眠りについた
―――
最近、幽霊さんのイタズラが増えた気がする
時には
ガッシャーン
「あ、幽霊さん。お皿はやめてって言ったじゃんー」
皿が落ちたり
「どうしたの?幽霊さんも一緒に入る?」
シャワーを浴びてる時に脱衣所の曇りグラスに人影が写ったり
「ただいまーあれ?温かい?」
家に帰ってきたら暖房が三十分前から入れられてたり
「幽霊さんーお願いだから服は元の場所に戻してよー」
下着や制服類が時々消えて数日後に元の場所に戻っていたり
「ひゃっ…//もう、触るなら優しくね」
寝てる時に身体をなぞられたり
そう、最近なんか
ただの同居してる子供みたいな感じで構ってる
まぁそっちのが安心
変な変態の幽霊さんじゃなくてよかった
「んー、どうしたの?」
最近はベッドで寝てると布団が少しベッドの下に引っ張られる
「幽霊さんも一緒に寝るー?」
そう言うとぱっとすぐに離してくれる
一緒に寝るのは嫌なんだ
ちょっと悲しい
―――
「ようこそ!!緑、私の心霊ハウスへ!!」
「趣味悪いわよ、桃香」
今日は珍しく友人の緑を家に招いていた
「えーだって本当に心霊現象起きるんだよ?」
「え?本当に起きるの?」
さーっと緑の顔が青白くなっていく
「大丈夫だよー幽霊さん優しいし」
「まぁ、あなたが言うなら、でも泊まっては行かないからね」
「はいはいー、じゃあ今度緑の家泊まりに行って良い?」
「良いけど、お願いだからその幽霊を持ってこないでよ」
「分かってるよー」
「じゃあ、早く遊ぼうよー」
「はいはい」
「ごめん、桃香。帰って良い?」
数分したところで緑が言い出した
「いいけど、どうしたの?」
「なんか、この部屋やっぱ変だよ」
「そうかな?」
「だってやたらと視線を感じるし、物音もひどいじゃん」
「物音は半分ぐらい隣の人だよ」
「でも、ごめん無理帰る」
「あ、じゃあ送っていくよ」
「ありがと」
今は緑を駅まで送って今家につきソファーでゴロゴロしている
「幽霊さん、緑にちょっかい出さなくて偉い」
聞こえてるのかも分かっていないが
一人でいるよりかはマシだと思い言う
「幽霊さん優しいのにね、なんでみんなわかんないんだろう?」
前、家族が来た時も気味が悪いってすぐ帰っちゃった
「なんだろうねー」
あ、お風呂入らないと
「幽霊さん私お風呂入ってくるからー、覗いちゃダメだよ」
そう言い残しお風呂に歩いていく
「はー、温かい」
さっき帰ってきたら溜まってたお風呂
なんか幽霊さん、優しい
その時、ぼわっとくもりガラスに人影が現れる
「どうしたのー幽霊さんーさみしくなっちゃった?」
反応はない
ほんとにただ見てるだけ?
と思ってたその時
がらっと横開きの扉が開いた
「珍しいじゃん、幽霊さん、一緒に入りたくなったー?」
そこには誰もいなかった
まぁそりゃそうでしょ
幽霊さんは幽霊だもん
私には見えない
てか、見えたら怖い
お風呂を上がって、脱衣所で体を拭いてた時に思い出す
「あ、着替え持って来るの忘れちゃった」
着替えは、タンスの中かー
寒そー
でも、取りに行かないとな
そう思い、リビングに行くために脱衣所の扉を開けた
―――
白石桃香
最近このマンションに引っ越してきた
春ケ丘大学の一年生
無防備で天然の少女
マンションに引っ越してから俺のことを幽霊だと思って
幽霊さん、と呼んでいる
「あ、着替え持って来るの忘れちゃった」
彼女は非常に無防備だ
まぁ家の中ならそんなものか
その時、彼女が脱衣所からでてきた
俺はトイレの扉の隙間からそれを確認しトイレから音を出さないように廊下に出る
ギィィ
―――
着替えを取りにリビングに行くために廊下に出たその時
ギィィ
と、後ろから床が軋む音がした
「幽霊さん?どうしたのー?甘えたくなっちゃった――」
そう言い
私はばっと
後ろを向いた
―――
それはひどく後悔する選択だった
なんか、すごく方向性がズレた作品になった気がします
やっぱホラーってむずいですね




