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【解離性健忘】という病気について

精神病(やまい)は気ちがい病だ】と言われた偏見の塊の時代、昭和40年に生まれたから、本当は自分の身に何が起きていたのか? 知るすべもなく過ぎてしまいました。

 もしも、早い段階で誰かが気づいて、何らかの措置を取ってくれていたら、もっと楽に生きてこられたのかも知れないと思うのです。

 例えば、施設に逃げるとか・・・ 

 早い段階であの家から逃れられていたら、きっと私にも違う人生があったと思うのです。自分を卑下せずに、夢や希望をもって生きられたかも知れない。自分のことを嫌いにならずに済んだのかも知れない。

 解離性健忘は誰にでも起こりうる可能性のあるものです。

 でも、未だに日本ではその認識すらされておらず、気づかれないまま見過ごされている事が多いのです。

 どんどん人との関わりが難しくなり、相談もしづらい今の社会だからこそ、一人でも多くの方に知って欲しいのです。


【解離性健忘とは】

 解離性健忘では、正常時には意識的に自覚している日常の情報や、自分の過去についての記憶が失われます。一般的には失われることのない重要な個人情報を思い出せなくなるのです。

「自分は誰なのか」「どこへ行ったか」「「誰と話したか」「そのとき、何をし、何を言い、何を考え、何を感じたか」など、自分が関わったできごとについての情報が思い出せなくなります。

「培った知識や技能」も、その情報のひとつです。

 往々にして失われた記憶は小児期に虐待のように、トラウマになったり強いストレスを感じたりした出来事に関する情報です。 

 ときに、忘れてしまっていても、その事実がその人の行動に影響を及ぼし続けている場合があります。

 例えば、エレベーターの中でレイプされた女性が暴行の詳細を思い出せなくても、エレベーターを避け乗ろうとしない事もあります。


 解離性健忘は男性よりも女性に多く、通常は身体的虐待、性的虐待、レイプ、戦争、大量虐殺、事故、自然災害、愛する人の死などの外傷的な出来事を体験または目撃した人に発症します。

 また、申告な経済的トラブルや大変な内的葛藤(特定の衝動や行為に関する罪悪感、解決不可能と思われる対人関係の問題など)に関する懸念から生じる場合もあります。


 解離性健忘の症状はいくつかに分類されます。

【限局性健忘】 幼少期に数か月ないし数年にわたり虐待を受けていた経験や激しい戦闘に参加していた日々など、特定の出来事または特定の期間の記憶がない。

【選択制健忘】 ある出来事の特定の側面のみ、または言っていきなんちゅうの特定の出来事のみの記憶がない。

【全般性健忘】 個人的な自己同一性や過去の経験の全て、ときに習得した技能や知識などの世界に関する情報の記憶がない

【統計的健忘】 特定の人物や家族に関するすべての情報など、特定のカテゴリーの情報がない。

【持続性健忘】 発症後に起きた新たな出来事のすべての記憶がない

 その他、解離性障害の症状として見られるもの

 ・意識、記憶、思考、感情、知覚、行動、身体イメージなどが分断されて感じられる

 ・フラッシュバック

 ・体外離脱経験など


 解離性健忘は突如、発症します。

 外傷的体験やストレスになる出来事の直後には健忘が現れないことも多く、数時間ないし数日間、さらに長い期間がかかることもあります。

 記憶障害が生じた直後は混乱しているように見える人もいますし、大きな苦痛を感じる人もいますが、奇妙なほど無関心になる人もいます。


 解離性健忘の人の多くでは、記憶に一つまたは複数の空白期間がみられます。空白期間の長さは、通常では数分から数時間または数日間ですが、数年、数十年、さらには過去の人生の全てを忘れることもあります。大半の人は自分の記憶に空白期間があることに気づいていないか、部分的にしか気づいていません。その場合、記憶がよみがえったり、覚えがないのに自分がしたことの証拠を示されたりして、後になってようやく失われた時間に気づきます。


 フラッシュバックを体験する人もいます。

 解離性健忘の人の中には、後にPTSDを発症する人もおり、特に引き金となった外傷的出来事やストレスになる出来事を意識した際にそうなることが多いです。

 また、疲労、脱力感、睡眠障害などの漠然とした症状がみられることもあります。うつ病や自殺行動などの自己破壊的な行動がよくみられます。自殺行動のリスクは、健忘が突然回復してトラウマ的記憶に圧倒されることで高まる場合があります。



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