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Dungeon Build   作者: 猫猫
ハジマリ
3/6

1-3 ダンジョンの型

あんまり長すぎてもと思って文字数抑えているけど、どうなんでしょう

「では、契約して戴いた所で。改めて今居るダンジョンについて説明の方をさせて戴きますね」


ヒルドは水魔法で清潔にしつつ、その水を何故か瓶に詰めながら洞窟の奥へと歩みを進める。


「うんお願い。出来れば住居スペースとかも」


「分かりました。」


「まずダンジョンとは何か。一部を除くヒト型種族達の間では時折自然生成されるものという風に伝わっていると思いますが、正確には洞窟や建造物に `コア` が持ち込まれ迷宮と化した場所の事を指します。

特徴としてダンジョン生成後に特定の条件を除き入口以外からの侵入が不可能な事、コアに接続された生き物やモノが破壊されるとダンジョンが崩壊します。


ダンジョン主、マスターはコアとコアに接続されたモノを破壊されないよう魔物や地形を生成し、侵入者を迎え撃ちコアを防衛し続ける事となります。簡単な話 籠城戦ですね。」


「…?魔物を生成って言った?」


「はい、ダンジョンに属していないモノの侵入や侵入者の殺害・隷属化等でコアに魔力、分かりやすくポイントと言いましょうか。それが貯まるシステムになっています。

そのポイントを使う事でダンジョンでは魔物及び地形の生成が可能となります。


ダンジョンに入られた事は?」


「あるけど」


「でしたら魔物を倒した時に魔石がドロップしませんでしたか?あれは、ダンジョンで生成された魔物につぎ込まれたポイントが魔石という形になりドロップするもので、使われたポイントに比例して希少な魔石になるんですよ」


魔石とは魔力を込め予備の魔力タンクとする事が出来たりする、魔道具のパーツに使われている便利なモノ。

入手経路は人が立ち入らない自然区域で魔力が月日をかけて出来るモノや、鉱脈等で既存の宝石や石に魔力が流れ込んだモノ。そしてダンジョンのドロップ品である。


命を生成できる事に驚いたが、何十年も踏破されていないダンジョンや、低階層に湧き続ける魔物の事。相反する魔物の共存、取り尽くされない魔石の事を考えれば納得は出来た。


「ただ、最初に生成できるのは低級魔物のみです。生成した魔物の進化、ダンジョン内での自然発生、殺害した魔物、隷属化と言ったモノで生成できるようになります。中には素体の状況、掛け合わせや素体にポイントや魔物の魔石、道具を埋め込んだり加える事で生成出来るようになるモノもいます。

例えば死体の頭部と胴体が分かれているモノを利用すればデュラハンの人部分が、蜘蛛種と女性を掛け合わせればアラクネがといった感じにです。


私として、最初にお勧めしたいのはゴブリンの早期進化とスライムの複数種生成で…と、失礼話が逸れましたね」


「気にしないで。そういった事も後で教えて」


命が掛かっている以上、或る程度強固なモノにしておきたい。


「了解いたしました。


ダンジョンには大まかに分け4つのタイプが有ります。


1つ目は地上型ダンジョン、多くは人工的に作られたダンジョンで外観は城や塔などとなっています。

人間界で過ごされたマオ様に分かりやすい例を挙げるとヒト型種族の間で伝わる【魔王城】、踏破した者は何でも願いが叶うとされている塔【神塔】などですね。


この型のメリットとしては人目を集めやすく侵入者によるポイントは稼ぎやすい点です。侵入により稼ぎ、稼いだ分で上級魔物を生成し殺害ポイントを稼ぐという形ですね。


反面、目立つ為発見が早く攻略の為の討伐隊などが組まれ崩壊したダンジョンがいくつもあります。

なのでこの型を取っているダンジョンは力が有る者が創った、ある程度人里から離れた土地である事が多いです。



2つ目は地下型、自然生成によるモノと人工的なモノの比率が同じ位で多くは迷宮のように入り組んでいます。

メリットは発見が遅れる事、先の不透明性から行動が慎重になる為、早期の安定期が長い事です。前者の自然生成の場合は特にダンジョンと言う事が分かりにくく、後者の場合はダンジョンの新規発見と言う事で、冒険者の報告が国々に伝わるまで安全が保障されます。


デメリットとしては安定期で最低限のポイントを稼げなかった場合、容易に踏破されるケースがあります。また人工型の場合、地上型と同じく早期に討伐隊が組まれた事があります。



3つ目は特殊型。これはごく少数の型にはなるのですが、ミミックやゴーレムなどの魔物と一体化した特殊ダンジョンの事やワーム等の大型の魔物がコアを飲み込んで発生したダンジョンの事を指します。


厄介なところは、ゴーレムなどを除く消化器官を持った魔物の場合、中に魔物等は居らず、魔力等で保護された武器防具が残っている事で、一見危険性が無いように見えるところです。

実際の所は、接着点から酸で溶かしたり魔力を吸ったりとしているので、自分の魔力量や細かい違和感を感じ取れるのであれば早期撤退で特に問題ないのですが…。ある程度深部まで進んでしまっている場合はコアに接続した生き物、モノの破壊もしくはコアの直接破壊のみが生還の手段になります。



そして最後の4つ目、国営型ダンジョン。

ダンジョンのみで手に入れられる生成物を目的としたり、訓練や鍛錬を目的として国などが運営しているダンジョンになります。観光地として利用して居る所もあったりしますね。


先程一部を除くと言ったのはこの者達の事ですね。己や自国の利益の為基本的に一族を除いて伝えられません。悪意ある人間による私物化や裏切りなどにより、多くの死者数を出す醜い事件が何度か起こっていますので。まぁ表向きは謀反や独立みたいな形で伝えられているでしょう」



最後の事に関しては自分の中であーあれかとなる。

商業ギルドの魔石を卸していた所が一度内部分裂を起こし流通が大幅に減少したことがある。


冒険者達への採掘依頼や、美しい素材となる魔物の討伐依頼が普段の数倍の金額で募集されていた。あの時はだいぶ稼がせて貰ったが…そんな裏があったとは…納得がいった。


「ダンジョンに関しては地下型の方が良いかなって思ってるんだけど、ヒルド的には?」


「1つ目に関しては安定性の方が欲しいので、地下型で大丈夫かと」


「1つ目??幾つかダンジョン持ってる感じなの?」


「いえ、ダンジョン自体は此処のみですね。

1つ目というのは高価ですがポイントを使用してコアとして作る事が出来ますので。充分な戦力が揃い、マオ様の名が広まってから地上型を作成してもよいのかなと思ったのですが……」


「待って待って待って、コアって作れるの!?」


ここにきて1番の驚きが来た。


「えぇ作れますよ。でないとコアの数が減少し続け、戦線が下がり続けますから。先代様は大きな勲功を挙げられた者に対しては、コアを生成し褒賞として渡しておられました。

まぁ、一国一城の主として名を馳せる者も居れば、驕り命を落とすものも居まして。今残っている魔族のダンジョンの詳細等は血を絶やさぬよう秘匿されていますが、殆どは名を馳せた者とその親族が続けている者でしょう。こちらは近い内にマオ様も会う事が出来ると思いますよ」


「なる、ほど……。」


なんか次から次へと吃驚が続いている。

用語解説


【ヒト型種族】

人間やエルフ、ドワーフ等といったヒトの形をとり暮らしている知的種族を指す。一応天使や魔族もここに属する。

ヒト型種族+αの間に生まれたハーフも此方に属するが基本どちらかからの迫害の対象になりやすい。


ゴブリンやコボルト等の人外低知能種、リザードマン等の互いに益にならないような種族はヒト型であっても属さない。


【デュラハン】

首無し騎士の事。えっちじゃない


【アラクネ】

上半身が女性、下半身が蜘蛛の形をしたモンスターの事。えっち。

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