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幕間4アルバイン・カーソル


 大魔導士よ呼ばれる儂は、長年団長を務めた宮廷魔術師団を退職すると、冒険者養成学校で特別教官をしながら魔法の深淵を求めていた。


 宮廷魔術師団には優れた人材が揃っていたが、真の実力者は戦いの中で生まれると言うのが儂の持論で、一人前の魔法使いになった孫娘にも冒険者養成学校への入学を勧めていた。


 精悍な顔つきの白い犬を連れた、ジュンイチという少年と出会ったのは偶然だった。


 少年は畑仕事が似合いそうなひ弱な体格で、とても戦いを生業に出来そうには見えなかった。


 魔力がまったく無い少年に興味を持ったのは、白い犬が伝説の魔獣フェンリルだったからだ。フェンリルの魔力は200000を超えていて、その魔力は人間の体では到底受け止められるものではないのだ。


 少年を研究することで魔法の深淵に近付けると確信した儂は、冒険者養成学校に入学させて手元に置くことにした。


 少年が吹くハーモニカには不思議な力があり、年と共に衰えていた儂の体力や魔力が毎日演奏を聞いている事で蘇えっていった。


 冒険者養成学校に入学してきたフレッド・モランディとジュリアナ・スカルキの身元を調査した儂は、ジュンイチに二人を誘って【名もなきジョブ】と言うパーティを組ませた。


 宮廷魔術師団の現役時代に目にした資料の中に、今も気掛かりなっているものがあった。それは300年後にリッチが復活すと言うもので、その時期が近付いているのだ。


 そしてその背後に居るのがフレッドとジュリアナが仇と探して魔人ゴーストだと思えるからだ。


 魔道具で姿を変えた儂は【名もなきジョブ】の一員となってリッチを追う準備を始めた。


 現役を退いた儂がこの国のため、いやこの世界のために強敵リッチと戦おうと決心させたのは、ジュンイチのハーモニカのお陰で体力が充実したからだった。


 魔力の無いジュンイチのために大きな魔石を探していたとき、危惧していた時期が訪れてしまった。



     _ _ _ _ _ _



 ダーダー王国の王都にゾンビが現れ宮廷騎士団や宮廷魔術師団の奮闘も虚しく急速にその数を増やし、ついに王宮の上空にリッチが姿を現した。


 騒動は周辺の国々にも知らされて、世界に緊張が走っていた。


 フレッツ王国でも騒動が広がり対策が急がれたが、現行の戦力では対処しきれない事が判明して王宮内は右往左往していた。


「アルカインよ、直ぐにアルバインを呼んでくれ」


「はい。直ちに」


 神妙な表情の国王の前で傅いていたアルカインは、父親を探すために王宮を出て行った。


 王族も貴族も何も出来ずに、ただただ成り行きを見守るしかなかった。


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