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序章 君が嫌いな私の理由


そんなはずじゃなかったんだ。


君が言う。

聞きたくない言葉を聞く君は、まるで君の皮を被った別の何かの様で、吐き気を催すほど気持ちが悪かった。ぶら下がった右手の先が重い。これを振り下ろしてしまえば君と私はここで終わりを迎えるのだけれど、私の心の何かがそれを阻止していた。手が震える。気のせいだろ、と呟けば、君はまた恐怖を顔一面に浮かべて、首を左右に振った。

私は君が好きだった。本当に心から好きだった。

君がくれたものはかけがえのなくて、大切だと思えて、こんなこと思うなんて人生でこの先ないんじゃないかって思う程だったから。

私は君に尽くした。命に代えても尽くした。

だからかなあ。こんな短時間なのに本気だったのに。


もういらないや。


そう言えない自分の弱さに嫌気が差す。


君が震えた唇を必死に動かす。

それを静かにたどれば、私は笑みを零した。


ねぇ、君に恋できないのなら私は一体何に恋をすればいい?

視界の端で黄色が揺れる。

その意味は、あまりにも惨かった。

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