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四話

『あゝ美味そうな匂い』




 しゃがれ声が歌うように告げる口が、人ひとりを包めそうなほど、がぱっと開かれた。

 しぬ、怖い、嫌だ、助けて。

 男は恐怖に目を閉じた。

 そして、


「久しぶりだぁね、どこさ行っとったんだい?」


 そうそう、こいつは。

 下級の貧乏神。

 機嫌が良い時、この身体に宿を提供してくれる。

 こちらが話しかけても基本的には無視をする、いけすかないジジイ。

 向こうから話しかけてきた時にこっちが無視をすると、次の瞬間には金がなくなっている。

 だから返事をしなきゃならない。


「ギルドの依頼だ! さっきクビになったばっかりでよ、ちと仕事探しに出てんのさ!」

「お前さん、組合を放り出されるの何回目じゃ」

「97あい! 百まであとしゅこひ!」


 妙に既視感のある会話の間に、急に甲高い鳥のような声が割って入ってきた。


 それと同時に、男とお爺さんの間に、ふわりと何かが舞い降りた。

 さっき男をパーティから追放したはずの、ポニーテールの女だ。


 長い袖で見えない片腕をぶんぶん振っていた。

 中華と和をごった煮したような羽衣から覗く、ほぼ丸出しの白く艶やかな豊満な乳房も揺れていた。

 更に、すらっとした太ももから──鳥のような三前趾足が伸びていた。いわゆる鳥類の鉤爪だ。


 男は確信した。こいつも人間じゃねえ。


「やあやあ、胡喜媚ちゃん。もうお迎えかい?」

「けっ、きぃ、い゛ーー。おむあ、え……。……」

「そうかい、そうかい……それじゃあ、わしはお暇しようかのう」


 男はポニーテールの女が何を言ってるのか、一つもわからなかった。

 しかし会話は成立しているようだ。


 お爺さんは朗らかな笑顔を浮かべて背を向け、去って行った。


 男は「こきび」と呼ばれたポニーテールの女を凝視する。

 ポニーテールの女は、自分の丸っとした赤い頬を両手で包む。ぷっくりとしたいちごのような唇を、餌をねだる雛の如く、つんと尖らせた。

 

「……なあ、さっき」

「あなた、人間れふ。ましらの臭い、しなぁい。さるくさい、しない。きぃ、きー。げっ……ぎ、……きゅ」

「……え?」

「あなた、追放されたましら、ちあう。からだはましら、でも魂が違いましゅ。きぃ、わかってたの! きぃ、味方でしゅ。ふゅう、きゅ」


 ポニーテールの女の目は完全にハートになっていた。完全に男に魅了された雌の目だ。

 男が困惑していると、ポニーテールの女は豊満な胸を押し付けるように身を寄せてくる。

 溢れそうな胸元を擦り付けながら、ポニーテールの女は吐息混じりに囁いた。


「らいしゅき、すき。ましら、きらい。あなたの魂、すばらしい」

「…………、」

「えん……う、……ぜんぶ、きぃが、おしえる。この世界のこと。きいえくれましゅか?」

このうぇぶさいとは難解だが意見書はここで書けば良いのか?

まず描写がくどい上にわかりにくい。ろくすっぽ小説を読んだことのない人間程度である。昭和時代のことは分からないがおそらくハイカラを狙った今どき感が執念深い。学の無さが顕著である。


↑今令和なんだけど。お前いい加減自分のアカウント取れよ。


↑御触書を読め


↑読めない

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