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人間安い

作者: 村崎羯諦

(公開:20XX/X/X)

「そりゃあできるのであればAIを導入したいですよ。でもですね、うちみたいな中小企業だと高額なライセンス料や初期投資費用を払えないんです。だからAIの代わりに人間を雇ってるんです。人間の方がAIなんかより、ずっと安上がりですしね」


 都内郊外にオフィスを構える株式会社ミラクルキセキの代表取締役、満島貴教は我々のオンライン取材に対してそのような言葉を口にした。あらゆる仕事がAIに取って代わられる。そんな言葉が生まれてから数十年が経った現在、悲劇的なことにその予言は今なお実現されていない。


 大企業では数十年前から人間の作業を代替するAIの導入が積極的に進められており、その流れは現在進行形で進んでいる。しかし、その一方で、規模の小さな中小企業では、高度なAI技術の導入を諦め、代わりに人間を雇用するという先祖返り的な流れがやってきている。20XX年には東証1部上場企業の約8割の既存業務が人間からAIに取って代わられたとされているものの、非上場企業に関してのみ着目してみると、AI導入率は20XX年をピークに低下傾向にある。昨年の経済産業省のレポートによると、非上場企業の高度AI導入率はDX元年と言われた2020年とほぼ同水準にまで落ち込んでいることが判明した。


「うちの業務は単純な事務作業がメインですし、高度なヒューマンスキルが必要とされるものではありません。それを欠陥だらけの人間がやってるので、AIと比べたら当然質とスピードは落ちます。でも、それは仕方ないですね。安かろう悪かろうの精神でうちはなんとか頑張ってます。誰にでもできる仕事ですし、安い給料で働いてくれる人間なんて掃いて捨てるほどいるんですよ。残業代も支払わなくても文句は言いませんし、辞めたら別の人間を雇えば良いだけですからね」


 満島貴教社長はさらに言葉を続ける。


「AIがすごいということは理解できてるんですが、正直何をやってるのかわからなくて怖いんですよね。勉強しようとしても数式ばっかりでちんぷんかんぷんだし、何で上手いことやってくれるのかがどうしてもわからないんです。それに、AIが何かをやらかしてお客様からクレームが来た時なんか絶対大変ですよ。なぜAIがそんなことをしてしまったかなんて説明できませんし、AIだから仕方ないんですって言って、お客様は納得してくれると思います? その失敗が人間のせいだったら簡単なんですよ。こっちだって失敗した人間に責任を押し付けられるし、お客様もそいつに対して罵倒できますしね。。経営者とお客様も、みんな幸せになれるんです」


 事実、数年前から最低賃金引き上げの動きは停滞しており、人を雇うコストや人件費は時代とともに下がりつつある。労働力のダンピングとも言える低価格の労働力供給が、資金力のない中小企業の生命線となっている。しかし、最終的に生み出される商品の質およびサービスの満足度に関して言えば、人間よりもAIに軍配が上がることが長年の統計より明らかになっている。言い換えるのであれば、安い労働力が市場全体の生産性や品質の向上を妨げていると言える。これはまさに、AIの登場によって期待された未来とは真逆の世界と言える。実際、AI技術を寡占している国際IT企業は共同声明を発表し、『AIの仕事が人間に奪われつつある』として危機感を露わにしている。


 AIが普及することで我々の世界はより良い方向へと進化する。それは疑いようのない事実だ。輝かしい未来が安い人間の労働力という非合理的なものによって失われるということはあってはならない。この問題に対して早急な対応が必要だ。そのためにも、一部のIT企業によるAI技術の寡占や、高額なライセンス料の見直しを行うべきである。より良い世界の発展のため、私たちにできることは何なのかを改めて考え直す時期に来ているのかも知れない。


執筆 : 全自動記事執筆AI

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