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52.そらにひかるほし

さいしゅうかい!



「それではこれより裁判を始めます」


 花火大会の翌日。一斉に押しかけて来た思ったら三井が急に裁判とか言い始めたんだが。


「裁判って何?」


 ここ法廷じゃなくて俺の家なんだが?


「さあ、被告人神谷ソラっち!何故愛衣ちんをフった!キスまでされたくせにぃ!」

「そうだそうだー!私ともキスしてくださいよーう!」


 ソラっちが名前じゃねえからな?つーか愛衣もなに全部話してやがるんだ。

 竹田は便乗しようとしてくるし、愛衣は顔を赤くして俯いている。あかりは俺を見て微笑んでいるだけ。なにこの空間。帰りたい......ここ俺の家なのに。


「俺は誰とも付き合うつもりはない。今までずっとひとりだったのに、いきなり恋だの愛だの分かるわけないだろ......」

「ほほーう?じゃあ私らが手取り足取り教えてあげようかぁ?義妹美少女に後輩美少女、ちょいギャル系美少女、そして文学系超絶美少女!私たち美少女四天王にかかれば容易いことよ!」


 なんか一人だけ超絶とかついてるんですが。いつからお前ら四天王になったの?全員倒すとチャンピオンとか出てきちゃうの?姉さん出てきたら誰も勝てないよ?


「え!ちょっと!亜美センパイは違うっていってたじゃないですかぁ!」

「......亜美も敵だった?」

「亜美ちゃん......」


 何故か急に裁判長が四面楚歌になってるし。何この茶番。俺に縋るような視線を向けてくんなよ。自業自得だろ。


「そっかぁ。ソラっちは誰も選ばないのかぁ。てっきりあかりんが濃厚だと思ったんだけどな~」

「......私はいいの。ソラ君の義妹(いもうと)——家族だから」

「私も思い出もらったし、まだあきらめたわけじゃないから今は友達でもいいかな」

「あれ!?私だけ何もない!?センパイ大変です!こうなったら私と結婚しましょう!」

「アホ言ってんじゃねえ。お前なんざペット......いや、野良犬あたりでいいだろ」

「なんでですかぁ!ペットでもいいです!頭撫でてください!甘やかしてください!」

「いらん。金も手間もかかるだけでメリット何もねえじゃねえか」

「そんな......センパイに捨てられたらどうやって生きていけば......」

「おーよしよし。ソラっちは冷たいねぇ」


 捨てるも何も、こんな厄介なペット拾った覚えもねえよ。まじで自分の将来心配した方がいいんじゃね?

 ていうか俺たちが卒業したらこいつどうするんだろう。俺の真似してぼっち道を突き進むのだろうか。


「あ、ねえそら君。明日暇?デートしない?」

「......私も行きたい」

「こんなクソ暑い中外出たら溶けるだろうが。俺は引きこもるので忙しいから愛衣とあかりで行って来いよ」

「それじゃ意味ないじゃん!」

「あれ!呼び方まで変わってる!?センパイ!私もちぃって呼んでください!一生のお願いですから!」


一生のお願いがそれでいいのか?いくらなんでも安売りしすぎだろ。


「ハァ。やることないならゲームでもするか。ほら()()、さっさと準備しろ」

「......!はい、センパイ!」


あるはずのない尻尾をブンブン振って走っていく。単純だなぁ。


「あ、私もやる~!ほら、あかりんも愛衣ちんもみんなでやろ!」

「おし、じゃあ負けた奴は買い出しな」





 ま、これからも騒がしくなるだろうけど、宇宙のように広い心で受け入れてやろう。俺は気遣いのできる元ぼっちだからな。




 この先、俺が誰かと付き合うのか、こいつらに彼氏が出来るのかは分からない。

 だけど無理に誰かを選ぶようなことはせずに、まずは友達として焦らずに一歩ずつ歩んでいこう。




 宇宙(そら)にはたくさんの星が光っているのだから。


 


 

                             — 終 —

 


最後までお読みいただきありがとうございました!


「そらに光る星」というタイトルを決めた時からこの結末は決めていました。

ぼっちから脱却して友情エンドということになりましたが、見方によってはあかりエンドということにもなるような......という感じです。


思い付きで書き始めた当作品ですが、予想以上に反応をいただけてありがたい限りです。

途中大幅に変わったり、一度は筆を置いてしまったりと色々ありましたが、なんとか完結まで持ってこれて良かったです。


呼んでくださった皆様、宣伝してくださった皆様に深く感謝を。

次回作も近日公開予定ですので、お付き合いいただければと思います。ではでは——


          

                    2024.06.01 もやしのひげ根

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