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32.教室の喧噪

ふっっっっかーーーーーつ!!

リハビリも終わったので再開です!!!


1~31話まで全話改稿したからぜひ読んでねっ

 


 前髪をピンで留めただけでもあんだけ囲まれていたのに、髪を切って全体を整えたらどうなるか......。



 翌日の教室は大変な騒ぎだった。わざわざ他のクラスや学年からも見に来る奴がいるほどに。みんな暇なんだな。


 スマホで写真を撮っている奴までいる。モラルがなってないな。

 錦野先生の個別補習でもセッティングしてやろうか?きっと道徳を語られていると思ったらいつの間にか婚活のなんたるかをじっくりねっとりと叩き込んでくれると思うぞ。


 まぁ今は朝の準備で先生たちも忙しくて教室まで来ないだろうし現行犯じゃないとスマホも没収されないしな。


 そんな時はこちら。鞄から取り出しますはコンパクトな鏡と緊急用の小型ライト。

 日が差し込んでくればそれを使えるのだが、まだ朝だから角度的に厳しい。

 周りにバレないように鏡の角度を調整してロックオン。シャッターを切るタイミングを見計らってスイッチオン。正義の心をパ〇ルダーオン。

 すると、あら不思議。撮影したはずの写真は逆光で肝心な部分が映っていないではありませんか。ざまあみろ。


 そりゃ見た目がこんだけ変われば興味を持つのは仕方ないかもしれんが、無断で写真を撮っていい理由にはならんだろ。




 あかりに話しかけてる連中もどこか別の場所でやってくんないかな。ものすごく邪魔なんだが。

 これでは黒板の漢字もあの子の心象も読めないではないか。読む気も無いけど。

 今すぐ俺以外席替えキボンヌ。俺はここから動かんぞ。

 そんな願いが通じるはずもなく、そのうち飽きるだろと諦めて読書に没頭することにした。もうどうだっていいや。



 俺の心のうちなど知らぬとばかりに世界は回り時計の針は進んでいく。

 教室は休み時間の度にあかりに話しかけに来るやつらばかりだし昼になっても同じだ。

 俺まで囲まれてしまう前にチャイムが鳴ると同時に教室を脱出した。



「いやー、神楽坂先輩すっごい人気ですね~。うちのクラスでも話題になってますよ~」

「まったく、外見が変わったくらいで騒ぎすぎなんだよ」

「ホントですよね~。そんな安っぽい愛情も友情も嬉しくないです」

「まるで自分は違うとでも言いたげだな。一度助けてもらったくらいでストーカーしてるくせに」

「私は愛情も友情もセンパイだけのものだからいいんです!」

「ノーセンキューだ」

「えー!昨日はあんなに激しかったのに......」


 ただゲームしただけじゃねえか。むしろ無断であがりこんで暴れまわって激しかったのはお前のほうだ。


「激しいのはお前の思考だ。誰かに聞かれたらどうすんだ」

「その時は責任取ってくださいね、センパイ」

「だが断る」

「こんなかわいい後輩に言い寄られてるのにセンパイもガード堅いですよね~」


 こいつはどこまでもいつも通りだ。あんな姿を見ておいて、何があったか聞くわけでもなく一緒にゲームして気を紛らわせていつも通りに接してくれる。


「......竹田、ありがとな」

「......へっ?せせせ先輩がデレた!?ど、どうしよう!え、ようやく私のこと好きになってくれたんですか!?プロポーズですか!?」

「アホか」


 いや、ホントいつも通りすぎて、こいつを見てると悩んだり落ち込んだりしてるのが馬鹿らしくなってくる。





 教室へ戻ると俺の席が無くなっていた。


 いや、別に教室の外に出されたとかそういうんじゃないけど、あかりに群がる人たちに使われていた。

 のだが、俺が戻ってきたことに気が付くと、しまった!みたいな顔をして慌てて立ち去る。

 なんだろう......そういう態度取るなら最初から座らないでもらっていいですか。



 人が散っていくと残っていたのは、あかりとその前の席の三井、そして横から如月が1つの机を囲んでいた。

 あいつも一緒に食ってたのか。まぁこいつらなら問題ないし、これで俺に構ってくることもなくなるだろう。



「ねえねえあかりん、神谷君からその髪型の感想言われたの?」


 三井がわざわざ俺に聞こえるようにあかりに問いかけた、余計な事言ってんじゃねえぞ。


「うん。いいんじゃない?って」

「えー、なにそれー。もっと可愛いとか見惚れちゃったとかないのー?」


 今度は俺を見ながら言っている。


「ねえよ。髪を切った勇気は評価するがそれだけだ」

「あらあら、ひどいお兄ちゃんだね~」


 なんだよ。お前は母親か。あかりにとって重要なのは前髪を切ったことだ。外見の感想などどうでもいいだろ。


 俺はそんなことに構っている場合じゃないんだ。


「よーし、こうなったら......愛衣ちゃん先生!私たちにメイクを教えてください!」

「え、わ......私!?」


 今度は化粧かよ。別にいいけど余計に騒がれるだけじゃねえのか?しかも私たちってちゃっかり自分も入れてるし。


「愛衣ちゃんそういうのも詳しいでしょ?毎日ふんわりメイクしてきてるし」

「詳しいかは分からないけど......一緒にやるのはいいよ?」

「やったー!じゃ、いつにしよっか......」




 楽しそうだな。俺もこんな風に気楽に生きられたら良かったのに——






完結まで更新していきますのでよろしくお願いしまっ


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