聖剣を拾いましたどうしますか?
気がつけば俺は見たことのない森に佇んでいた。足を進めると、地面に突き刺さった剣らしき物を見つけた。
「これが聖剣か?」
剣なんてネットでしか見たことがなかったし、そもそも普通の剣と聖剣の違いがわからない。もしかしたらここに刺さっている剣は普通の剣かもしれない。だが、ネイアさんは聖剣の元にワープさせますと言っていた。
「試しに触れてみるか」
地面に突き刺さっている剣に聖也が近づいていく。心の中では、罠ではないかと疑っている自分がいた。
(ネイアさんを信じろ俺!)
意を決して、剣の柄を握りしめる。ゆっくりと剣を引き抜く。剣を引き抜き終わった瞬間、剣が光だし、光が聖也の中に注ぎ込まれていく。
「うおおおお!!??」
突然のことに驚いた聖也は、成すすべもなく、ただひたすら自分の体に流れていく光を受け止めることしか出来なかった。
(体が暑い、やっぱり罠だったのか?)
剣から放たれる光は徐々に弱くなっていき聖也の体の中に収まっていく。流れ込む光が止まって、聖也は一息ついた。
「一体何だったんだ?」
別に聖也の体には異常など何もなかった。変わったことといえば、体がいつもより軽く感じるくらいだった。
「それにしてもこれが例の聖剣なのか?」
手に持っている剣からはあまり覇気などが感じられず、いたって普通の剣にしか見えなかった。
「試しに軽く振ってみるか」
聖也は剣を正面に構え、剣を軽く振るう。
ブオン・・・
「思いのほか軽いな」
実際に剣を振ったのは今回が初めてだったが、想像していたものより軽かった。これと言って別に何も起きず、空を切る空しい音が鳴っただけだった。
「それじゃあ何も起きませんよご主人様~」
不意に後ろから、女の子の声が聞こえた。
「誰だ!」
聖也は後ろに振り向き、剣を構える。しかし、正面には誰もいなかった。
「ここです!ここ!」
ズボンの裾を何者かに軽くつままれ、クイックイとされる。視線を下のほうに移して、声の正体を見る。
そこには、金髪の少女がいた。
「君は・・・」
聖也は実際にあったことはなかったが見覚えがあった。死ぬ前に見た夢の中にいた少女だった。
「私の名前は、エクスというのです!あなたが今所持している、聖剣エクスカリバーについている聖霊というものです!」
「聖霊?」
聖也がこの世界に来て初めて聞く単語だった。
「聖霊というのはですね、各聖剣に憑いている精霊のこといって、私たちは常に聖剣と一心同体なのです!私たちが真の力を解放したとき聖剣の真の力が解放されるのです!分かりましたかご主人様?」
「あ、ああ」
あまりにもすごい勢いで説明され頭の中にあまり入ってこなかったので、適当に返事を返した。
「それよりも気になっていたんだが、俺のことをご主人様というのはなんでなんだ?」
聖也は自分のことをご主人様ということにに違和感を持っていた。
「それはご主人様が聖剣を抜いてくれたからなのです!聖剣を抜いてくれたということは、選ばれた人であり、私たち聖霊(聖剣)を使ってくれる、使う者と、使われる物、主従関係が成立しているので、私はご主人様と呼んでいるのです!」
「そうなのか・・・」
俺のことをご主人様という理由は分かったのだが、
「その、俺のことをご主人様というのはやめてくれないか」
「どうしてなのですか?」
「そもそもご主人様という言葉があまり好きじゃないんだ」
エクスが首をかしげる。
「なぜですか?」
「まず俺は、エクスのことを物としてみていないし、普通の女の子としてみている。それに、俺たち人間と同じ姿をしているエクスにご主人様と呼ばせるのはどうも気が引けるんだ。だから、俺のことはご主人様以外の呼び名で読んでほしい」
「分かったのです。では、ご主人様の名前は何と言いますか?」
「俺の名前は日野聖也っていうんだ」
「ひのせいやですか。分かりました!これからは、ご主人様のことを聖也様と呼ぶのです!」
エクスは納得したように首を縦に振った。
「聖也様か、慣れない呼ばれ方だがご主人様よりましかな」
ふっ、と聖也は笑いエクスの名前の呼び方を了承した。
「そういえば、エクスは俺に剣を抜かれるまでどこにいたんだ?」
聖也は、ふと疑問に思ったことを、エクスに聞いた。
「私は、聖也様に剣を抜かれるまで1000年間聖剣と一緒に封印されていたのです」
「1000年!!??」
1000年という規模の大きさに聖也は驚愕した。1000年間封印されていたには全くエクスの体は年ををとらず幼いままで、封印されていても1年ぐらいだと聖也は思っていた。
「私は聖剣と一心同体、1000年間、聖剣が抜かれるまで私は、聖剣の中で封印されていたのです。
ずっとずっと、狭い空間で外を眺めながら・・・」
「そうか、寂しかったなエクス・・・」
「でも、」
エクスはとても明るい笑顔を聖也に向け、
「でも、こうして聖也様に聖剣を抜いてもらったことで外の世界に出ることができましたのです!それだけでもうれしいのです!」
「とてもいい笑顔だな」
もやもやしていた気持ちが吹き飛ぶくらいのエクスの満面の笑みは、素晴らしいものだった。
「ごしゅ、じゃなくて聖也様、これからよろしくお願いしますのです!」
「こちらもよろしくな、エクス」
二人は握手を交わし、ともに旅立つことを約束した。
「聖也様、私は海というものを見に行ってみたいのです!」
「そうか、お前はずっと森の中にいたから海を見たことがないのか」
(まぁ、俺もついさっきここに来たばかりで海があるかどうか、さらには、今いる場所がどこなのかもわかってないけどな、ははは・・・)
この先、前途多難だなと思いながら聖也は、聖剣エクスカリバーを担ぎエクスと一緒に森を出ようとしていた。
どうも、暁の目です(*’з’*)キャラの設定を書くことを忘れていましたので簡単にですがここで紹介しておきます。
日野聖也、今作の主人公です。黒髪で服装はカッターシャツでズボンは制服のズボンで高校3年生で誕生日は、11月25日です。顔は想像でお願いします。
日野夏夜、主人公の妹でブラコンです。高校2年生で誕生日は7月20日です。一応黒髪のぎりぎり肩に当たってないぐらいの髪の長さです。
エクス、聖剣エクスカリバーの聖霊で、金髪ロングのロリです。見た目は10歳くらいです。誕生日は後々、紹介します。
まず見ている人がいるかわかりませんが感想できれば送ってください。誤字の指摘、単語の間違って使っている箇所などの指摘もまってます。