15:勘違いで大騒ぎ
「そ、そうだったんですか……」
ぺたん、と床に座り込んでしまうクミトさん。
や、やっぱり言わない方がよかった!?
ごめんね、クミトさん!!
私、自分の心に嘘がつけなかったよ!!
「え~?それを知ったうえで、わらび餅作ってたんじゃないの~?」
「なつめさん、秋に近くなる頃って言ってたもんねぇ。」
「確か、満月に感謝するから夜にやるとも言ってた。」
「月見団子のことも、言ってたわね。
白いお団子と黄色のお団子を食べるんでしょう?」
…あれ?クミトさん以外、皆知っていたぞ??
しかも、さりげなく復活したまろん君。おかえり。
クミトさん、なつめさんとやらから何を聞いたんでしょう…
そんな彼を見てみれば
へたり込みながら、驚愕のまなざしを知っていた皆に向けていた。
「み、みなさん知っていたんですかっ!?」
「クミちゃん何聞いてたのよ…」
「ええぇ…人間って聞いたので…
じゃあ、コハクちゃんもお月見をしてるんだなとか…」
「あのさぁ~…最近人間ってワードが出たら
すぐコハクだすよね~。しかもコハクがでたら
周りが見えなくなるってパターン、多すぎない~?」
…!?
なんだそれ!!そんな情報は一般女子高生が聞いたら
ちょっと恋愛的な意味で思い込んじゃうじゃないかっ…
ま、まぁクミトさんは初めて会った時から気になってたけど?
かっこいいし、優しいからドキドキときめきますけど??
でも半獣と人間は恋愛なんてしちゃいけない、
みたいな事情がありそうだからあきらめてたりしてますけど…??
いやだ!クミトさんったらっ/////
そんな、禁断の恋なんていけないよっ。
私だってあなたが気になるk「だって大事なお客様ですし…」
はい!ごめんなさい、調子に乗りました!!
クミトさんはそんなこと考えるわけなかろうに!!!
「当たり前じゃないですか、気にするのなんて…
どうやっておもてなしするかとか、どんなお客様にでも考えてます。
コハクちゃんは人間のお客様なんで、
本当にどうやったらいいかわかりませんし…」
胸に手を当てながら、目をつむってクミトさんは言う…
真面目かっ!!!!
あー…調子に乗った私も悪いけど、
なんだか無性に恥ずかしくなってくるじゃないかぁぁぁっ。
「え~それは違うでしょ~。ただ単になつめの話、
聞いてなかっただけでしょ~?」
「ホントよねぇ。あの時は特に聞いてなかったわよね。
クミちゃん、人の話を聞かないの悪い癖よね。
急に自分の世界に入っちゃうんだから…」
クミトさんは胸に手を当てたまま固まった。
あんずちゃんはそれを見てくすくす、と笑って…
図星かよ!!クミト、お前ってやつはぁぁぁ!!!
「ち、違いますよ!?確かに話は聞いてませんでしたけど、
お客様のことはちゃんと考えてますからっ。」
「さぁて、どうだか~?」
切り込み隊長あんずちゃんがそう言いだせば、
猫たちはみんな次々と口を開き、いじりはじめる。
ねぼすけクミトさんはどうやら打たれ弱くなっているらしく、
正座をしながらしゅん、とただ聞いているだけであった…
…と、いうか。
間違えて作ってしまった例のわらび餅はどうなるのか…?
食い意地のはった私は、クミトさんがズタボロ言われているよりも
わらび餅が気になっていたのである。
え、いや、クミトさんも気にかけてはいたけど。
うん、ちゃんと気にかけてたよ!!
…だから、まあ仕方ない!
クミトさんに助け船を出してあげましょう!!
わらび餅食べるためにもね!←
「あの、クミトさんがせっかく一生懸命作ったわらび餅…
お月見ではないけれど、皆で食べようよ。」
私がそう口を開けば、皆が一斉にこちらに目を向けた。
「そう、ねぇ…気持ちはありがたいけど…」
そう、私以外の皆はお客様の私をもてなす側である。
だから、代表してうめちよさんが断りを入れようとするも
私は首を横に振った。
お月見は一人でしても、楽しくないよね…?




