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クミトさんの不思議な猫カフェにて  作者: 焼き焦がされたスルメ
コハクちゃんと不思議な半獣関係
12/16

11:まろん、頑張る!


「も~、やめなって~。」


「魔力を変に使ったら、体調崩しちゃうわよっ。

 安静にしてなさいっ。」


あんずちゃんとうめちよさんが説得するように

くるみ君に声をかける。

けれど、もう反応が返ってこないくらい

すごい必死に耐えているみたいで…

こんな猫の姿、見たことがないです。


「人間の姿でも、遊べるし、面白いじゃん…

 前まで、普通に遊んでたのに…」


「そんなこと言ってるから、まだ甘ったれなんだろー…

 オレは、猫として生きたいのっ…」


くるみ君がまろん君を切なげに見つめながら言った。

そんな、生き方まで決めてしまうほどなのか…

大げさじゃない、なんて思っていると…


「馬鹿ね、まだそんなの決めるの早いじゃないの。

 まだまだまろんちゃんは未熟よ。魔力も、体も。」


うめちよさんまでもがさっきよりかは真剣に

話しかけていましたもので…

どうやら結構な本気の話だったり、する?

生き方ってそんなに真剣に考えるものなの…?


私の顔にその考えがでていたらしく、

それに気づいたうめちよさんが答える。


「半獣はね、成人すると魔力は決めた方に

 傾くようになるから、成人するまでにだいたい

 自分の生きる姿を決めるの。人間か、動物かって。」


そ、そうなんだ!そんなことがあるのか…!

じゃあ、それは結構重大な事ではないですかっ。


人間か、動物か…私だったら…う~ん、迷っちゃうけどなぁ。

まぁ、迷うことがないただの人間なんだけども…


「なるほど、なるほど!じゃ、うめちよさんは人間に

 ならないんじゃなくて、なれないってことなの?」


「あー…そんな事はないのよね。

 傾いた方じゃない方の魔力を急に使うと、

 中途半端な姿になったり、体調を崩したり…。

 まろんみたいにああやって、無理に使ったりしても

 同じようなことなのよ。」


おおお、なんとわかりやすいうめちよ講座!

半獣事情も魔力も、すごく深いんだなぁ…

中途半端の姿って言うのが、すごく気になるけど。


…ってことは笑いごとじゃなく、

まろん君を楽な姿にしてあげないと危ないんじゃ…!?


そう思って、まろん君があんまり気にかけないような

言葉を探して呼びかけてみる。


「ま、まろん君!無理はしないで…!ほらっ、かるた!

 一緒にかるたしようよー!」


「…うぅ、しないー!!」


し、しぶといなっ…

一瞬、顔のこわばりが緩んだ気もしたけれど

やっぱりまろん君の気は変わらないみたい…


「ほら~、コハクも心配してるじゃん~。

 何を強がってるの~。」


「うぐぅ…」


あんずちゃんの説得にも応じず…!

まろん君なんかはまだ成人まで時間がたっぷりある年齢なんだし、

もうちょっと考えてもいいんじゃないのかなぁ…


すると、何かに耐え切れなくなったらしい

うめちよさんが、先ほどとは違う謎のオーラを

出しながらまろん君の前に近づいた。


「…若いくせに、なんなのよ。このやろう。」


「……。」


ついには、無言になってしまったくるみ君。

いや、うめちよさんが圧をかけているのか。

うん、そうにしか見えない。

うめちよさんの恨み恐るべs「おいこら、小娘。」

うぇぇぇ、怖い!なんでいつもいい感じに

心の声を聴いているのぉぉ!?


私がうめちよさんにおびえていると

次に前に出てきたのは…


「もう、いいからいいから。遊ぼうよ、ね?」


すっと、くるみ君が片手に持ってきているのは

みたらし君が遊んでいたふわふわ猫じゃらし。

それを、まろん君の鼻の前でくすぐるように

優しく振り続けて…?


「うっ…やめっ…くしゅっ!!!」


強張っていたまろん君の顔は、だんだんとくずれてゆき

最終的には可愛らしいくしゃみを一発かましました!

その瞬間、まろん君が爆発!?

ではなくて、よくあるへーんしんっ☆みたいな

もっくもくの煙がまろん君をおおってしまって。



すると、どうでしょう…

人間の姿になったまろん君は、さすがに猫用の小屋に

収まりきらなかったみたいである。

小屋から半身だけでた、人間の姿のまろん君がついに登場。


…あれ、人間の姿?

んん、人間っちゃ人間なんだけど…??



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