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クミトさんの不思議な猫カフェにて  作者: 焼き焦がされたスルメ
コハクちゃんと不思議な半獣関係
11/16

10:お客さんの半獣事情

「コハクちゃ~ん、かるた、しようよ~!」


そう言って、くるみ君がは片手に持ってきた

束ねられたたくさんのカードを二束、私に見せてくれた。

あ、読む札と絵の描いてある札を分けてあるのか!


にしても、この世界にもかるたなんてあるんだ。

ちょっと、意外でびっくり。


「へぇ…!この世界にもかるた、あるんだね。」


「あ、違うよ。ないけど、この前なつめさんって

 人ががくれたんだぁ。」


「なつめさん?」


「うん!優しくて、面白いんだよ!」


あぁ、そっか。

ここは一応カフェだから、私のほかにもお客さんが来るんだよね。

しかも、ここにいる人(猫だけど)たちは親しみやすいし

やっぱりお客さんもお友達感覚な感じ、みたいだなぁ。


「そういえばコハクちゃん、なつめちゃんには

 まだ会った事なかったわね。一週間に一回くらい来るのよ。」


「なつめさんは夜行性だから、いつも

 コハクが帰った後に来るんだよねぇ~。」


「…夜行性?猫に夜行性とか、あるの?]


「あらっ、違うわよ。なつめちゃんは猫じゃないわ。」


くすっと笑いながら、うめちよさんは言った。

え?…ね、猫じゃないの!?


「コハク~?ここに来る人、いる人、み~んな猫だと

 思っちゃってるの~?」


「えっ、むしろ違うの…?」


ポカン、としたままあんずちゃんの方を見る。

普通にそうだと思っていましたけれども…?


というより、たまたま他のお客さんと会ってしまった!?

なんてことはここに通い続けているが、一度もない…

それに、ここ最近はもっぱら猫としか遊んでない…いや、

猫とお喋りしかしてないです(真顔)


「違うからね~?ここには、ホントにいろんな

 半獣のお客さんが来るんだから~。」


「そうね、冬も終わって暖かくなってきたから

 また頻繁に、ここに遊びに来ると思うけれど…」


あぁ、なるほど!

動物が冬眠してました!みたいなそんな感じかな…?多分?

確かにクミトさんもこの時期はあんまり

お客さんが来なくて困ってるって言ってたなぁ。


「ちなみに、なつめさんは、ふくろうだよぉ。」


先ほどまで真剣にかるたを並べていた

くるみ君が唐突に口を開く。

くるみ君の方を見れば、かるたの絵札は

綺麗にぴしっと並び終えられていた。


ふ、ふくろうなのか。

それならば、夜行性という言葉が当てはまる。

でも、なんでまたふくろうさんがかるたを…?


「なつめちゃん、人間界にすごく興味を持ってるの。

 多分、なつめちゃん、それ作ったんだと思うわ。」


「へ!?これを!?」


もう一度、くるみ君が並べたかるたを見てみる。

形、大きさ、絵柄…どれを見ても立派な和風のかるたである。

完成度、高っ!どんだけ器用なんだ、なつめさんって…!!


「コハクちゃんに会ったら、なつめちゃん喜ぶと思うわぁ♪」


「へ、へぇ…ちょっと、私も気になります。」


何よりもふくろうをあんまり見たことがないので、気になるし。

もし、会う機会があるのならぜひともお目にかかりたい!


だとすると、この先が楽しみだなぁ…

だって、ふくろうの他にもたくさんの半獣の

お客さんがくるってことだよね…?

しかも、もしかしたら人間と動物の両方が

見られちゃったりもして、面白そう…!


そんな想像をしていると、くるみ君が立ち上がって

どこかへと歩いていってしまった。

あれ?なかなかかるたを始める気配がなかったから

すねちゃったのかな…!?


「あ、く、くるみくっ…?」


だけど、そんなわけではなかったらしく…



「ねぇ、もう仕方がないんだから、人間になりなよぉ?

 一緒にかるた、やらない??」


「へっ…へんっ。かるたなんて、子供みたいなこと…!」


プルプル…と相変わらず、体を強張らせながら双子猫のもう片方

まろん君がそっぽを向いて言った。

あ、まろん君のことすっかり忘れてた。


すると、くるみ君に続いてあんずちゃんと

うめちよさんも仕方ない、という風に話しかけた。


「まろん、頑張るね~?」


「まろんちゃんは素直じゃないところがくるみちゃんと違うわねぇ。」



もしかして、私の予想だけど…

まろん君は、人間になっちゃうのを必死にこらえてる…?


まろん君の顔は

眉間にがっつりしわがよって、下唇を強くかみしめていて。

猫が変顔してるっていう、謎の絵図ができている。

普通に面白い。


「オレは、もう人間にはならないっ。オレ、大丈夫っ!」


案の定、私の考えは当たっているらしい。

にしても、そんな顔してまでこらえなくても…


あの顔は崩さないまま、目をかっと開いてくるみ君は言う。

それを見た私は普通に吹き出してしまった。

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