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クミトさんの不思議な猫カフェにて  作者: 焼き焦がされたスルメ
コハクちゃんと不思議な半獣関係
10/16

9:それぞれの半獣事情

「うわぁ~!くるみ君相変わらず、可愛いなぁ!」


「うひゅっ…」


そう言って、迎えてくれたくるみ君の

ほっぺをむにっと両手で包み込んで、むにむに…

実際、くるみ君は中学生くらいの子だけれど

可愛い容姿でもあるためか、人間の姿だととても幼く見えるのだ。

それで、猫の時の面影も残っているので

何とも言えないくらい可愛い。可愛すぎる。


「ひゃーっ、みょう、ひゃめてよぉ!」

 (いやーっ、もう、やめてよう!)


さすがにもう満足もしたのでぱっと、離す。

ふわぁ…癒されたぁ…!

くるみ君はむぅっと頬を膨らませてから、


「みんな、待ってるからぁ。早くー。」


と、私の手をぐいっと引っ張った。

でれっでれになった顔を戻しつつ

ちょこちょこと歩く、くるみ君の後をついて行った。



「あ~、いらっしゃ~い。」


「あら、なんか兄弟みたいねぇ。微笑ましい。」


「そうかなぁ?」


「あんずちゃん、うめちよさん!!こんにちっ……」


挨拶をしつつ、二人の姿を確認する。

そして、声がした方向を交互に見つめる。

…はぁ、今日も二人は……

いいえ、二匹はいつもと変わらずの猫の姿である。


「ちょっと~、顔に出てる~。」


「そんな残念な顔しないでちょうだいよ…」


ううう、だって誰しもが人間の姿のあんずちゃんと

うめちよさんを想像しますよ、きっと。

特に、うめちよさんが一番気になる。

最初に来た時も、二匹は猫の姿のままで終始人間に

変わったりすることはなく、今日は見れるかとちょっと期待してたのに…


「私みたいに、成人した半獣は魔力が安定してるから

 満月の日でもどうってこと、ないもの。」


「成人した、半獣…?」


って、ことはうめちよさんは二十歳すぎて「それは、考えちゃだめよ♪」

ちょ、なんで私の考えていることがっ…

うおぁ、うめちよさんの顔が悪に染まっている…

私はこれ以上を考えることをやめた。


「…あんずちゃんは、成人してなくない?」


「ん~?」


定位置のソファーのクッションの上で、毛づくろいをしていた

あんずちゃんが私の方を向いた。

それから、いつもの得意そうな顔で…


「あんずは成人に近いからだよ~。もう、立派なお・と・な!」


………?

何を言ってるんでしょうかね、この子は。

人間にならないことはわかったから、もういいか。

無視しy「ちょっと~?」


「ちょっと~じゃないよ!あんずちゃん、どこが大人なの…」


「え、全体的に~?」


すっとクッションの上に立ち上がって、その小さな体で

胸を張って主張しているあんずちゃん。

…うーん、むしろなぜか強がっているみたいで可愛い。

今日は、私が勝てた気がする…


「大人大人って、私からしたらあなたたちはよっぽど、子供ね。」


「うぐぅ~…」


「うめちよさん、痛いところを…」


猫タワーのてっぺんから見下ろすうめちよ様が哀れなまなざしを

私たちに向けていた…

しかもよっぽど、の部分を強調しておしゃってました。

多分、さっきの年齢的な問題の恨みだろうなぁ

…おっと、この話はやめとこう。


「ねぇねぇ、コハクちゃん。

 せっかくなんだし、人間の姿で遊ぼうよぉ。」


そう無邪気にふわふわ笑いながら、くるみ君は

髪の毛を揺らして言った。


「うん!何して遊ぼうか?」


「うーんっと…ちょっと、待っててね…!」


そういうと、またもやくるみ君はとてとて、と

足を鳴らしながら奥へと行ってしまった。

くるみ君は、猫で言ったらもうちょっと大人なのに

本当に子供っぽくてかわいいなぁ…


そう考えていると、ふと、ようやく何かに気付く。


「…そう言えば、まろん君は?

 クミトさんも、今日一度も顔を合わせてない…」


本当に、ようやく思い出して呟いた。

色々と新鮮すぎて、なんか、もう忘れてました←


「クミはね~、今日ずっと、お菓子作りに奮闘してるよ~。

 話しかけても、反応しないくらいに~。」


つまらなさそうに、あんずちゃんがそう言った。

…今日は何を作っているのだろう?


「まろんちゃんはねぇ…頑張ってるのよ。ほら、その中で。」


え…!?いたのか、まろん君!!?

うめちよさんの視線の先の、猫が入る用の小さな小屋の中で

プルプル、と体を強張らせるようにしている猫を見つけた。


「ま、まろん君…?」


「…あんずより、まろんの方がず~っと子供だね~…」


やっぱり気にしていたのか、あんずちゃんは小声で

ぽつり、とそう呟いてあくびをした。




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