第27話 平穏な日常
これにて第一章の最終話となります。
次回から第二章となりますのでお楽しみに。
鳳凰光翼剣の翼が光の羽根となって全て散り、元の二つの鳳凰剣へ戻った。
全ての力を出しきって大きな疲労を味わっている俺の視線の先には瑪瑙と女郎蜘蛛が倒れていた。
「かはっ、げほっげほっ……」
しかし瑪瑙は未だに意識があり、大きく咳き込んでいた。
その訳は契約聖獣の女郎蜘蛛は鳳凰光翼剣の直撃を受ける直前に瑪瑙を守るために瑪瑙に覆いかぶさっており、更に自身の力を使い果たした所為で完全に気絶していた。
敵ながら契約者の瑪瑙を全力で守るその心意気に女郎蜘蛛にあっぱれと言いたくなるほどだ。
「瑪瑙、諦めろ。もうお前に戦う力は残っていない」
鳳凰剣の切っ先を向けながら瑪瑙に警告すると、瑪瑙の口から驚くべき発言を耳にする。
「殺せぇ……」
「何?」
瑪瑙は両腕を失いながら座り込むと目を閉じてそう言い、更に言葉を紡ぐ。
「このまま惨めに捕まるぐらいなら一思いにその剣で殺せ……」
「生き恥を晒すぐらいなら死を選ぶと……?」
まさかこの場面で死を選ぶとは思わなかった。
先ほどまでの狂気に満ちた感じはなく、まるで全てを諦めたかのような表情を浮かべていた。
「私はてめえの仇なんだろ?なら丁度いいじゃねえか。仇も討てて私は地獄に堕ちるんだからな……」
何か企んでいる様子はなく、首をだらんと下げていた。
つまり首を斬って殺してくれという事か。
「……白蓮、契約解除」
『天音!?』
双翼鳳凰剣の契約を解除し、白蓮は驚きながら羽を羽ばたかせている。
手には蓮煌と氷蓮が残り、氷蓮を地面に突き刺して蓮煌を瑪瑙に向ける。
「これは俺の問題だ、白蓮は下がっていろ」
有無を言わせない言葉で白蓮を大人しくさせ、静かに瑪瑙の背後に立つ。
「やれ……さあ、やれ!その剣でこの因縁に決着をつけろ!!」
もはやヤケクソになっている瑪瑙に対し、俺は蓮煌を高く掲げた。
これで蓮宮と瑪瑙の因縁が終わる……そう思いながら蓮煌を強く握りしめる。
「死ね」
俺は刃のような鋭い言葉を発しながら蓮煌を瑪瑙の振り下ろした。
ドスッ!!
「がっ!?な、に……?」
瑪瑙の首の後ろに蓮煌の刃……ではなく、峰が振り下ろされ、凄まじい激痛と共に瑪瑙は倒れる。
「てめえ……何、の、真似だ……」
瑪瑙は意識が辛うじて残っており、倒れながら俺を睨みつける。
キィン!
俺は一息を吐き、静かに蓮煌を鞘に納めて瑪瑙を見下ろしながら言う。
「阿呆が。誰がお前の言う事なんか聞くか。お前の罪は重い、せいぜい獄中で生き恥を晒しながら罪を償いんだな」
今さっきまでの言葉は全部嘘で俺はもう瑪瑙を殺すつもりはない。
璃音兄ちゃんが殺されたと思った時は無我夢中で殺しにかかったが、千歳に悟られて本当の自分を取り戻す事ができた。
死を選んだ瑪瑙を殺すよりは生き恥を晒しながら生かす方が瑪瑙への罰となるなら尚更殺すつもりはない。
「ちく、しょう……」
瑪瑙はそう言葉を残して意識を失った。
俺は瑪瑙を死なせないために失った両腕の傷を治癒で治し、更に霊操十八番の『縛鎖』で鎖を作り、瑪瑙と女郎蜘蛛を縛り上げて完全に動けなくする。
「これでよしと……後は警察に任せるとするか」
俺に出来るのはここまでだ。
後はこの国の警察に瑪瑙を捕縛してもらい、その後に法の裁きを受けさせて罪を償わせる。
『もう!天音、驚かせないでよね!!』
「悪い悪い、ちょっと瑪瑙に悪さをしてみたくなってな」
我ながら少し悪どいことをしたなと思いながら雛の姿となった白蓮を頭に乗せ、地面に突き刺した氷蓮を持って空を見上げた。
「やっと終わったな……」
『終わりじゃないよ』
「空音?」
『ここから天音の新しい物語が始まるんだよ』
「俺の物語か……」
一先ずの目標である瑪瑙を倒し、肩の荷が下りてようやく俺の中の歯車が再び動き出した気がする。
「天音ー!!!」
そこに復活した千歳とみんながやって来た。
璃音兄ちゃんも花音姉ちゃんに支えられながら手を振っていた。
良かった……この戦いで犠牲になった者はいない。
俺は安心すると、その場に座り込んで心配そうに見つめるみんなに笑顔を向けた。
☆
その後、この戦いの後始末は大人達が全てやってくれた。
まず瑪瑙達の件だが国際犯罪組織の一端である聖霊狩り、それも名のある組織の『死弦団』が天聖学園に襲撃した事で、聖獣を使った悪質な犯罪者――『聖霊犯罪者』から人間界の平和を守るために世界各国で同盟を結んだ巨大警察組織、『国際聖霊警察機構(International Spirit Police Organization)』……通称『ISPO』が動き、日本支部の『聖霊警察官』が星桜学園に駆けつけた。
しかし、学園を襲撃した聖霊狩りの大半は七星剣の璃音兄ちゃんと花音姉ちゃん、生徒会の雫先輩と迅先輩、更には教師陣によって全て鎮圧され、聖霊警察官は捕縛された聖霊狩りの逮捕に追われることとなった。
そして、主犯で死弦団のリーダーである瑪瑙とその契約聖獣の女郎蜘蛛の鬼那は聖霊警察官による魔術の一種である厳重な封印術によって動きと力を完全に封じられ、そのまま連行された。
瑪瑙は事情聴取の後に『国際聖霊裁判所』と呼ばれる特に罪の重い聖霊犯罪者達が送られる裁判所で法の下に判決を言い渡される。
兄ちゃんと姉ちゃんが言うには瑪瑙は刑務所による数十年の牢獄暮らしは確定。
最悪、その罪の重さから死刑になるかもしれない。
また、女郎蜘蛛の鬼那は瑪瑙との契約を強制解消され、聖霊界に強制送還される。
瑪瑙のような聖霊犯罪者はその罪の大きさから二度と聖獣を傷付けないように人獣契約を強制的に解除して二度とアーティファクトを扱えないようにさせるのだ。
その後、星桜学園に襲撃した聖霊狩りと判明した死弦団のアジトにいた聖霊狩りは全員捕まり、事実上死弦団は壊滅となった。
瑪瑙と聖霊狩りを倒した功績を称えて俺たちは国から表彰されることになったが、下手に有名になるのはめんどいので学園長の力を借りてそれを断ることにした。
恭弥からはそのことに文句を言われたが下手に死弦団を倒したと有名になれば他の聖霊狩りから狙われる可能性が高くなることを見越して断ったと説得し、恭弥もそれに納得してくれた。
何はともあれ、取り戻した平和な時を過ごす事となった。
先輩達のトーナメント戦は中止になってしまったが、学園は通常の授業を問題なく行われ、俺たちは喫茶店の開店準備に追われていた。
「さて……この店の名前を考えないとな」
開店する前にまずこの店の名前を考えなければならない。
看板のデザインと制作を担当している恭弥と雷花さんのためにも早く決めたいところだがなかなか良い案が浮かばない。
「天音!良い名前が浮かんだよー!」
「本当か?何々……ん!?」
『CAFE LOTUS』
千歳の書いた紙には英語が書かれていて一瞬目を疑った。
「えっと……カフェ、ロータス……?千歳、ロータスってどんな意味だ?」
英語が苦手な俺でも何とか名前を読むことができ、ロータスの部分の意味を聞く。
「ロータスは蓮の英語読みよ」
「蓮……?なるほど蓮か……」
喫茶店の名前に俺にとって大切な物である蓮を名前にするのはなんだか少し照れくさい気持ちがある。
でも言いやすいし、名前としても良い感じだからこれで良いかもしれない。
「よし、これにしよう。早速恭弥と雷花さんに伝えよう」
「後はチラシを作って宣伝しなくちゃね!よーし燃えてきた!」
そう言って千歳は喫茶店を飛び出して行った。
『元気だねー』
『それが千歳の良いところだからな』
『ふぁっ……ねえ銀羅、お昼寝に行かない?』
『そうだな……今日もいい天気だし行こうか』
『天音、行ってきまーす』
「はい、行ってらっしゃい」
先日の戦いの反動か、白蓮と銀羅はいつも以上にのんびりとしていて最近は太陽の心地よい日差しを浴びながらよく野原で昼寝ばかりしている。
俺はみんなが来るまでに新しいケーキの準備をする。
「今日はフルーツたっぷりのタルト〜♪」
今日のケーキはフルーツをふんだんに使ったフルーツタルトだ。
「おお、美味そうだな。俺にも一つくれ」
「璃音兄ちゃん!?」
フルーツタルトを丁度完成し終えると、璃音兄ちゃんが喫茶店に入ってきて俺の前のカウンター席に座る。
「天音、コーヒーとそのフルーツタルトを一つ」
「はい、かしこまりました」
出来たばかりのフルーツタルトをナイフで切り分けてその一切れを皿に乗せ、カップにコーヒーを注いで璃音兄ちゃんの前に出す。
「もう退院して大丈夫なの?」
「ああ。お前の治癒と生徒会長さん、そして花音のお陰でな」
璃音兄ちゃんは戦いの直後、生徒会長の雨月先輩によって病院に強制的に入院させられることになった。
幾ら俺の治癒で傷が治り、花音姉ちゃんの血を輸血したからといって体に異常があるかもしれないと雨月先輩のご家族が経営している病院で検査入院をしたのだ。
幸いにも璃音兄ちゃんの体にはどこも異常は無く健康体そのものだった。
璃音兄ちゃんはフォークでフルーツタルトを割って口に頬張るように食べる。
「うん、美味い。さすがは天音だな」
「ありがとう。ところで璃音兄ちゃんはこれからどうするの?」
「ん?そうだな……元々七星剣に入ったのは瑪瑙を倒すためでもあったからな。その瑪瑙を天音が無事に倒してくれたし、しばらくは花音と休養を取ろうと思う」
「じゃあ蓮宮神社に帰るの?」
「そのつもりだ。親父にこの戦いのことをちゃんと報告したいし、お袋が会いたがってるからな」
瑪瑙は蓮宮の因縁の敵だから本来なら俺から話すべきなんだけど、学生で寮暮らしだから中々蓮宮神社に帰ることはできない。
師匠への報告はひとまず璃音兄ちゃんに任せよう。
「当分のあいだは大きな事件はないと思うが、何か困ったことがあったらこの番号に電話しろ」
そう言って璃音兄ちゃんは電話番号が書かれた紙を俺に渡した。
「ありがとう、璃音兄ちゃん」
「ああ。さてと、お代はこれでな。釣りは取っといてくれ」
財布から千円札を出して俺に渡した。
「そんな困るよ……」
「良いから良いから。それから、お前に一つ大事なもんを渡すぜ」
「大事なもの?」
「とりあえず左手を出せ」
「左手?」
「ほら、早く」
「う、うん!」
言われた通りに俺は左手を差し出すと、その左手を兄さんが左手で握り返してきた。
「我が印と剣をこの者へ……」
「ん……?あっ、熱っ!?」
突然、兄さんと握った掌が熱した鉄の棒に触れたような熱さによって焼けて激痛が襲いかかる。
「あっ、がぁああっ!?」
な、何だ!?
何かが俺の掌を刻むように焼いて、俺の中に力が流れ込んでいる!?
「心配するな、すぐに終わる」
「っく、うっ、ああっ……」
俺は歯を食いしばり、全身に力を込めながら喘いで左手に走る激痛に耐えた。
「……よし、終わりだ!」
兄さんはパッと手を離し、俺は膝をついて左手首を強く押さえた。
左手の掌から煙が上がり、何かが刻まれたようだった。
「はぁ、はぁ……くっ……兄さん……俺に、何を……?」
呼吸を整えて兄さんを睨みつけるように見上げた。
「悪かったな、痛い思いをさせて。だが、そろそろ浮き上がるぞ?」
「一体何を……これは……?」
煙が収まると、掌には何故か魔法陣が刻まれていた。
この魔法陣の形を俺は見たことがあった。
「顕現陣……?」
顕現陣とは体のどこかに特別な魔法陣を刻ませることにより、その魔法陣を異空間と繋げて自分だけの収納庫のようなものを作り出すことができる。
それは兄さんと姉さんの体に刻まれており、その顕現陣を使って蓮宮神器などをしまっている。
「その顕現陣の中にある物を取り出してみな?」
「えっ?えっと……」
取りあえず左手と右手を合わせ、顕現陣に入っているものを取り出すイメージを頭の中で描く。
「顕現……」
顕現陣が輝き、両手をゆっくり左右に離すと、中から青白い光を放つ棒状の何かが出て来る。
「まさか……?」
俺は右手で棒状の何かを顕現陣から引き抜くと、光が止んでその姿が現れる。
「氷蓮……」
予想した通り、引き抜いたそれは兄さんの愛剣であり、蓮宮神器の一つである神剣・氷蓮だった。
どうして兄ちゃんが俺の左手に顕現陣を刻み、その顕現陣の中に氷蓮が入っていたのか理解出来ず、ただその氷蓮を見つめるしかなかった。
そんな俺の様子を見た兄さんはとても満足した様子で腕を組んで頷いた。
「よし、顕現陣を問題なく使えるな。天音、その氷蓮と顕現陣は今からお前の物だ!!」
「…………はぁっ!?」
手の中にある氷蓮を強く握りしめ、俺は目を見開いて驚愕した。
兄さんは何を血迷ったんだと少し失礼な事を思いながら兄さんに大声で言う。
「な、何を馬鹿な事を言っているんだ、兄さん!この氷蓮は兄さんだけに与えられた蓮宮神器なんだよ!?」
「自分の物をどうしようと俺の勝手だろ?」
「理由になってない!どうして氷蓮を俺に渡すの!?」
「まあ簡単に言えばお前の十三代目の就任祝いだよ」
「就任祝い……?」
就任祝いとはどういうことだろうか?
俺は去年の十五歳の誕生日を迎えた後に師匠から顕現陣を受け継いで十三代目当主となったのに今更就任祝いとは意味が分からなかった。
「天音、お前は瑪瑙に襲われて親父の左腕をなくした時から心に大きな闇を抱えていた。だが、お前は今回の戦いでその闇を乗り越えて瑪瑙を殺さずに倒すだけにとどめた」
「俺だけじゃない。千歳に白蓮、あと空音がいたから……」
「それでもお前は一つ大きな壁を乗り越えた。本当の意味で蓮宮当主として一歩を踏み始めたんだ」
「本当の意味で……?」
キョトンとする俺に寮暮ら音兄ちゃんは笑みを浮かべながら俺の頭を撫でる。
「人と聖獣を守り、平穏な時を過ごす為に戦う……それが蓮宮の当主を受け継ぐ者の使命だ。天音、頑張れよ」
「う、うん……」
そうか……空音も言っていたけど、俺の物語はまだ始まったばかりなんだ。
それは俺が本当の意味で当主になり始めた事も同じことだ。
「歴代当主で複数の蓮宮神器を持っている奴はいないって話だ。だからお前の蓮煌と俺の氷蓮を携えて最強の当主になれよ!」
璃音兄ちゃんは俺の頭をから手を離して俺の前で拳を作った。
まだまだ俺は実力でも精神でも先代達には程遠いけど、いつか必ず……!
俺も拳を握って璃音兄ちゃんの拳を合わせて今の気持ちを言葉にする。
「俺は今よりもっともっと強くなる!そして、璃音兄ちゃんや師匠を超えて最高の当主になる!!」
「おう、その意気だ。それでこそ俺の弟だ!」
俺は璃音兄ちゃんから氷蓮を貰い、強くなることを誓った。
氷蓮と喫茶店に立てかけておいた蓮煌を顕現陣にしまい、左手を強く握りしめると喫茶店のドアが勢いよく開いた。
「やっほー、天音ー!見て見て〜!」
「千歳、どうした……って、顕現陣!?」
千歳の左掌には俺と同じように顕現陣が刻まれており、続けて入ってきた花音姉ちゃんが苦笑を浮かべながら言う。
「私も千歳ちゃんに渡すものがあってね。ついでに顕現陣もあげちゃった」
「これでいつでもフォーチュン&デスティニーをしまっておけるし、銃弾や他の銃器を入れられるからとっても便利だよ!」
千歳の喜んている様子を見ていると何だろう……使用している武器とかを考えると物凄くやばいモノを与えたんじゃないかなと思ってしまう俺がいる。
よくよく考えると顕現陣は銃器を特に扱う人間にとっては最高の魔法陣ではないかと思う。
まあ千歳が喜んでいるし、構わないか。
俺は深く考えないようにすると再び喫茶店のドアが勢いよく開いた。
「戻ったぞ、天音!」
「天音さん、看板出来ました……!」
恭弥と雷花さんに頼んでおいた看板がもう出来上がった。
『CAFE LOTUS』の名前が書かれ、蓮の花が描かれた見事な木の看板が出来た。
「おお、いい看板だ。みんなありがとう。今日のケーキはフルーツタルトだから沢山食べてね」
『俺たちも手伝ったんだからその甘味くれ!』
『わしにも寄越すのだ!』
どうやら悟空やトールも手伝ったらしく、顔にペンキが少しついていた。
「はいはい、今用意するから待ってて」
神様の顔にペンキが付いているのが可笑しく、少し笑いながら棚からお皿を用意する。
『ただいまー。おっ、美味しそうなお菓子!』
『む!?これは甘美な果物の香り……天音、私達にもよこせ!』
今度は昼寝から戻ってきた白蓮と銀羅もフルーツタルトを所望した。
やれやれ、まだオープンもしていないのに急に忙しくなってきたぞ。
みんなにフルーツタルトとコーヒーと紅茶を提供してみんなでワイワイと騒ぎながら食べていた。。
「ふっ……」
俺は一休みも兼ねて窓際の席に座り、コーヒーを飲みながらその光景に笑みを浮かべた。
「天音、どうしたの?」
紅茶のカップを手に隣の席に座った千歳が尋ねてきた。
「いや……ただ思っただけだ」
「何を?」
「本当に退屈しないな……この学園は。な?千歳」
まだ入学から二ヶ月なのに色々な事が起きて日々に退屈しない。
「あはは〜。そうだね、天音」
同意する千歳の頭を撫でながら窓から見える空を見上げる。
大切な人たちと過ごすこの日常を大事にしていきたい。
願わくばこの平穏な日常が一日も長く続いて欲しいと……俺はただそう願うのだった。
.
第二章は平穏な学園生活を送る天音たちに新たな出会いが待ち構えています。
天堂家に仕える忍者軍団から千歳の護衛として派遣された二人の忍。
五十年の眠りから目覚める伝説の魔法使い。
そして遂にその正体が明らかになる千歳の師匠。
様々な出会いが天音たちの物語を加速させていく。
こうご期待です!




