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AO 《アーティファクト・オーバードライブ》  作者: 天道
第1章 運命の召喚と契約編
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第26話 煌めく蓮の輝き

お久しぶりです。

年末でいろいろ忙しくて更新が遅れました。

瑪瑙との最後の戦いが始まり、まずは先陣を切ったのは空音だった。

空音は二刀流の鳳凰剣を左右に広げて走り出す。

「私が先行する!」

「今度こそ、死ねぇっ!餓鬼共!餓弦瀑布!!」

先ほどとは比べ物にならないほどの糸の大河が空音に迫り来るが、空音は双翼鳳凰剣をまるで軽い羽のように素早く動かし、高速の斬撃を放つ。

「蓮宮流二刀剣術!双天大蓮華そうてんだいれんげ!!」

高速の斬撃が一秒にも満たない短い時間の間に乱れ打つ無数の斬撃と化して大河の糸を全て斬り散らせた。

あれは蓮宮の剣術や抜刀術に並ぶ、二本の刀で戦う二刀剣術。

まさか抜刀術だけでなく二刀剣術も使えるとは恐れ入った。

何故なら蓮宮流二刀剣術をあそこまで完璧に使いこなせるのは現代の蓮宮剣士の中では『俺の妹』ぐらいしかいないからだ。

無残に散る糸だが、瑪瑙にはまだその糸を有効活用する技があった。

「死弦爆砕陣!」

俺たちを全滅寸前まで追い込んだ糸を構成している妖力を爆発させる秘技……しかしそれよりも早く空音は体を横に回転させて双翼鳳凰剣で螺旋状に上空へ切り上げた。

「蓮宮流二刀剣術!水蓮天空閃すいれんてんくうせん!!」

それは水蓮天昇よりも強力な強い竜巻のような突風を作り出す二刀剣術の返し技だ。

糸の爆発は空音に降りかかることなく空へと巻き上げられた。

「何だと……!?」

「千歳ちゃん!!」

「ストームガトリング!バーストランチャー!Double Fire!!」

千歳の手にあるストームガトリングの連射とバーストランチャーの榴弾が同時に発射され、呆然とした瑪瑙に襲いかかる。

「ちっ!?繭糸白甲けんしはっこう!!」

瑪瑙は糸をまるで繭のように幾重にも重ねて鉄壁の白い盾を作り出して妖炎弾の弾丸と榴弾を防いでいく。

「千歳のこれだけの攻撃をしても通らない!?」

「これはかなり固い繭だね……」

あの繭の盾の前では生半可な攻撃は通用しないと断定し、次の手を考えようとすると千歳が何かを決心したように口を開いた。

「こうなったら……天音、空音。後は任せたよ」

「千歳?」

「千歳ちゃん?」

千歳は大きく深呼吸をして無幻九尾銃を下ろして銀羅に話しかける。

「銀羅。この一撃に全ての力を込めるから後はお願いね」

『あれか……任せろ。思いっきりぶっ放せ!』

「うん!!!」

千歳はストームガトリングとバーストランチャーを二丁拳銃にして祈るように目を閉じて自分の額に近づける。

すると、無幻九尾銃の二丁拳銃の銃身に青と赤が混じり合う妖力の光が放たれ、妖力が徐々に銃身の中に宿っていき、大きな力となっていく。

「空に煌めく龍の星よ、その輝く牙を輝かせ、一筋の光となりて暗き星を穿て!!!」

そして、無幻九尾銃が今まで見たことないほどの眩い強い光を放った。

金髪を揺らめかせて千歳は二丁拳銃を同時に構えて銃口を繭の中の瑪瑙に向ける。

「運命を壊せ、Break The Fate!!妖炎弾奥義、牙龍天星がりょうてんせい!!!」

引き金を引いた次の瞬間、二つの銃口から白い弾丸が放たれた。

霊煌捌式神眼で視神経や視力の力が向上しているこの両目でも追いきれないほどの弾速で繭に直撃した。

白い弾丸は強固な眉の盾を貫いて崩壊させた、中にいた瑪瑙を引きずり出した。

「ば、馬鹿な……繭糸白甲を貫いた、だと……!??」

そして、壊れた繭の中から出てきたのは両腕を粉々に砕かれて大量の血を流していた瑪瑙だった。

千歳の渾身の二つの弾丸は鉄壁の繭を突き破り、そのまま瑪瑙の両腕を粉砕したのだ。

「天音……あなたを、信じてる……頑張って……」

「千歳!?」

千歳に注いだ覚醒の力が消え、金髪が元の黒髪に戻ると意識を失って倒れる。

地面に倒れる前に無幻九尾銃から銀羅が出てきて九本の尾で千歳を受け止める。

『心配するな!千歳は力を使い果たして眠っているだけだ!!早く行け!!!』

銀羅は千歳を背に乗せてその場から退避する。

「天音!!!」

「くっ、ああ!!!」

千歳の全てをかけた一撃の思いを受け取り、空音と一気に攻め立てる。

千歳が作ってくれたこのチャンスを無駄にしないために神霊術と霊操術を同時に発動する。

鳳凰剣零式に炎、鳳凰剣百式に氷を纏い、二つの大剣を交差させて左右に振り払う。

「蓮宮流神霊術、双天鳳凰緋翔閃!!!」

炎と氷を纏う二匹の鳳凰が現れて絡み合うように飛び、それと同時に無数の刀と剣を精製し、その刃に霊力を纏わせる。

「霊煌伍式刀剣!霊煌肆式斬撃!」

鳳凰剣零式と鳳凰剣百式にも霊力を纏わせて斬撃を放つ準備が完了する。

「戦嵐蓮華!!!」

無数の刀剣が振り下ろされ、無数の斬撃が放たれ、その直後に刀剣の切っ先を全て瑪瑙に向けて一斉発射する。

「無限の剣撃!!!」

怒涛の三連攻撃、双天鳳凰緋翔閃と戦嵐蓮華と無限の剣撃を放つと流石の瑪瑙も危ないと判断し、両腕を失った激痛に耐えながら横に回避しながら糸を放って次々と来る攻撃を捌いていく。

しかし、この派手な三連攻撃は実は囮だ。

当たれば儲け物だが、瑪瑙の意識は完全に俺に向いており、その隙に糸を放出している八本の蜘蛛の足を潰すために空音が動いていた。

「はぁあああああっ!!!」

空音は前かがみに全速力で走った直後に螺旋を描くような錐揉み状に飛びながら突進した。

「っ!?後ろか!?」

瑪瑙が気づいても既に手遅れで空音の新たな双翼鳳凰剣の二刀剣術が炸裂する。

「蓮宮流二刀剣術、空蓮円月陣くうれんえんげつじん!!!」

突進しながら綺麗な円を描くように双翼鳳凰剣を振るい、瑪瑙の背中の八本の足を全て切り裂いた。

「てめぇえええええっ!!やりやがったな小娘がぁあああああっ!!」

斬られた八本の足が勝手に動き出し、鋭い爪がまるで矢のように鋭く飛んで空音の体を貫いた。

「かはっ……!?」

腕や足、更には胸を貫かれて空音は口から大量の血を吐いて左手の鳳凰剣百式を手放した。

「空音!!?」

「はぁ、はぁ……これで、後は!!」

「ごふっ!……はぁっ!まだだ!!」

「なっ!?」

瑪瑙は空音を完全に殺したと思ったが空音はまだ意識があり、右手の鳳凰剣を強く握りしめて片手突きの構えを取っていた。

「まだ……右腕が動くよ!!」

「こ、こいつ、まだ息が……!?」

空音の持つ強靭な生命力に瑪瑙は目を見開いて驚いていた。

「今こそ……一つに重なれ、鳳凰剣!!」

右手に持つ刀型の鳳凰剣零式と地面に落ちた鳳凰剣百式が輝くと、それが一つに合わさってまばゆい白き刀へ姿を変えた。

「喰らいなさい……瑪瑙、叔父上の仇よ!!」

上半身を捻りながら右腕を引き、切っ先を瑪瑙に向け、一気に前に突き出した。

「蓮宮流剣術!!天狼蓮牙てんろうれんが!!!」

空音の鳳凰剣の刃が勢いよく瑪瑙の腹を貫いた。

上半身の捻りと右腕の鋭い突きによる鋭い片手突きだった。

突きで瑪瑙の腹を貫くと、空音の体が光の粒子になって消えていく。

「くっ……もう限界みたいだね……」

「空音ぇっ!!!」

空音の肉体は完全に粒子となって分解され、光の粒子は真っ直ぐ俺の元へ向かってそのまま俺の中に入った。

すぐに、俺は中にいると思う空音に話しかけた。

「空音、大丈夫なのか!?」

『まあなんとかね。かなり痛かったけど……』

少し疲れたような空音の声が響き、ひとまず安心して息を吐いた。

どういう原理か分からないけど肉体が消滅してもなお空音は再び俺の中で生きている。

すると腹に突き刺された鳳凰剣零式を抜いた瑪瑙に異変が起きていた。

「ウッ……ガグッ、ガゲゴガァアアアアアア!!!」

撃ち貫かれた両腕と斬られた背中の八本の足がボコボコ!と不気味な音を鳴らしながら新たな腕と足が生え、皮膚の色が肌色から黒色に変色しだした。

赤色に輝いた眼は既に正気を失っており、もはや人では無くなり始めていた。

「……オーバードライブの暴走による副作用か、はたまた肉体の一部を契約聖獣に喰らせて異常なシンクロ率を上げたことによる弊害か……ますます化け物と化しているな」

アーティファクトは人間と聖獣の絆を象徴するものだが、人の道を大きく外れ、魔の道を進むとアーティファクトの性質が変化してしまい、人間のみならず聖獣にも大きな悪影響を与えることがある。

まさに今の瑪瑙と女郎蜘蛛がそれを体現していた。

このままじゃ本当に瑪瑙は人間でいられなくなる。

幾ら仇敵と言ってもこのままにしておくわけには行かないが、どうすれば良いのかと頭の中で考えていると……。

『天音、今こそ蓮宮最強の霊煌霊操術、霊煌壱式を使おう』

「霊煌壱式を!?」

空音の言葉で重要な事を思い出した。

そうだ、忘れていた……霊煌壱式は初代が作り出した霊操術で、その力はありとあらゆる不思議な力を打ち消す、いわゆる『魔を祓う』力である。

その力があったからこそ蓮宮は現代まで衰退することなく繁栄してきた。

だけど、壱式を使う上で一つ問題がある。

霊煌壱式は全ての霊煌霊操術の中で修得が最も困難で去年霊煌紋を受け継いだばかりで完璧に使いこなすことができない。

『天音がまだ霊煌壱式を使いこなせていないのは分かっているよ。でも、私と天音の力が合わされば必ず使いこなせる』

一人じゃ無理だけど二人ならか……何故だろう、空音と一緒なら出来る気がする。

「……分かった。力を借りるぞ、空音!」

『うんっ!』

「白蓮、お前も頼むぞ!」

『任せて!今ならなんでも出来る気がする!』

頼もしい影と相棒の言葉に自然と心が落ち着いて力が溢れてくる。

残りある全ての霊力を解放し、霊煌紋を今までの中で最高に輝かせる。

蓮宮を生み出した初代当主よ……あなた様の力、使わせていただきます!

「全ての力を破壊する蓮霊の煌めき!!」

青白い霊力の光が赤と白が混じり合う色へ変わり、全ての魔を祓う力となる。

「霊煌壱式破魔!!!」

蓮宮の起源である唯一無二の最強の力が発動し、破魔の光が双翼鳳凰剣の刃に纏う。

光り輝く双翼鳳凰剣を十字に振るう。

十字に放たれた光は怪物と化した瑪瑙の前の地面に当たった次の瞬間、巨大な白い蓮の花を生み出して無数の光の波動を作り出す。

「蓮宮流霊操術奥義!!聖蓮光龍陣せいれんこうりゅうじん!!!」

白い蓮の花から放たれた無数の光の波動はあらゆる全ての力を破壊し、『ゼロ』の無へと戻す。

その力を受けた瑪瑙の体に変化が起きていた。

「ガガッ!?ウガァアアアーー……な、何が起きた……!?」

女郎蜘蛛と一体化しかけていた瑪瑙が一瞬で正気に戻り、オーバードライブが強制的に解除された。

破魔で力を零にした瑪瑙と女郎蜘蛛を倒すのは今しかない!

二つの鳳凰剣零式と鳳凰剣百式を一つに重ね、破魔の力と霊力を纏わせる。

「光り輝け、鳳凰の翼!!!」

そして、そのまま天に向けて重ねた鳳凰剣を掲げると、光は徐々に大きくなり、天を貫くような巨大な光の剣となった。

すると、光の剣から白蓮の持つ鳳凰の翼を模した光の翼が無数現れて、それが光の剣を包み込むように幾重にも重なり、やがてそれは美しい翼の剣へと姿を変えた。







「煌めけ、鳳凰光翼剣ほうおうこうよくけん!!!」







そして、光の翼の巨大剣は瑪瑙を叩き潰すように振り下ろし、鳳凰の光の羽が散ると同時に聖蓮光龍陣とは異なる無数の光の衝撃波が発生した。

光の衝撃波は瑪瑙と女郎蜘蛛に襲いかかり、そして周囲の空間を清らかな空気へと浄化した。




瑪瑙戦はこれで終わりです。

次回はこの章の最終話でエピローグ的な話です。


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